ABテストで顧客理解と事業のベースアップ。経営判断に寄与する「Eストアーコンペア」
リピーターを醸成するためには、訴求力のあるページ作りが欠かせません。しかしその数字的な裏付けになるABテストは、多くの企業で行われていないのが実情です。
そこで、ABテストツール「Eストアーコンペア」を提供する株式会社Eストアー 営業本部 池嶋准氏と、カスタマーアカウント本部 飯野悟氏にその有用性を伺いました。
求められるEC化率とリピーターの育成
池嶋 昨今のEC市場には物があふれ、消費者の行動も枝分かれ。一昔前のように小売に任せて売上が立つ時代ではなくなりました。さらに、販売チャネルも多様化したことによって、企業全体としていかにEC化率を高めていくかがフォーカスされています。
飯野 そういった背景のなか、自社サイト・本店の売上をどれだけ伸ばせるかが求められています。言い換えれば、独自の顧客台帳を活かして、どうファンを育成し、いかにリピーターを増やしていけるかが、今後のビジネスを成長させていく上で重要になっています。
十人百色の時代 顧客の把握・理解が鍵
池嶋 リピーターの醸成には様々な手法がありますが、大前提として「顧客の把握と理解」が重要です。しかしこれは、口で言うほど簡単ではありません。
なぜなら情報経路も消費行動も細分化した近年では、消費者を十人十色ではなく「十人百色」と捉える必要があるからです。百通りの色をどう把握し、データ化し、財産化していけるか。これが鍵を握ります。
飯野 そこで我々は地域に根ざす酒屋の御用聞きのような役割が、今後のファン化の一つのファクターになると考えています。なぜか。彼らは得意先のことをしっかり把握しているからこそ、例えば醤油がなくなるタイミングでアプローチすることができています。つまり、これからの時代に求められているOne to Oneマーケティングを体現していると言えるからです。
EストアーコンペアでABテストを単純化
池嶋 弊社は約20年にわたり、顧客理解を深めるための様々なシステムを提供してきました。ABテストツール「Eストアーコンペア」もその一つ。
しかし、ABテストの有用性は知られていても、ほとんどの企業で実施されていないのが現状です。日々の業務に忙殺され、時間も学習コストも割けないことが理由になっています。
飯野 そこで弊社は、ABテストがシンプルに実現できることを、Eストアーコンペアのコンセプトに据えています。操作性やUIはもちろんのこと、よく議題に上る「ABテストの何を指標にするか」についても明確にしています。
直帰率や滞在率ではなく、CVR(転換率)やLTV(生涯価値)を計測することで、結果に結び付く指標のみを提示。判断に迷うシーンにも、明確な数字を経営判断の材料にしていただけます。
池嶋 敬遠されがちなABテストですが、本来は実にシンプル。「AとB、どちらが良いか」です。そして、Eストアーコンペアならばその本質を簡単に突き詰めていけるため、どういうお客様に、どんな表現をすればリピートにつながるか、つまり自社商品を最も効果的に訴求できるクリエイティブを見つけることができます。
飯野 ABテストは繰り返すことでより精度が高まっていきます。ある成功パターンが導き出されれば、費用対効果や歩留まりの高いCVRを担保することができます。
池嶋 さらに、データやノウハウが蓄積していけば、それを商品開発に活かすことも可能。横展開で広げていけば、事業全体のボトムアップにもつながります。Eストアーコンペアは、自社プロダクトを世間に認知させるための鉄板システムになると自負しています。
業種業態を問わず着実な成果に到達
飯野 導入事例として、ヘアドライヤーを販売するフォーサイス様のケースでは「ヘッダーバナーなし(A)/ あり(B)」で8日間検証したところ、CVRはAが0.32%、Bは1.43%。売上にしてAが52万円、Bが235万円となり、実に4.5倍の差が出ることがわかりました。シンプルな違いではありますが、この違いこそが売上を左右するのです。
池嶋 また、ある花屋さんでは、同じ商材を「商品主体のモノ軸(A) / 物語主体のコト軸(B)」でテストしたところ、Bの方がCVRに2倍以上の差がつき、圧倒的な支持を集めました。デザイナーの主観に頼りがちなプロモーションも、数字的裏付けのあるマーケティングに変えることが可能です。
飯野 これまで国内外を問わず多種多様な事例を見てきましたが、予想と異なるケースが多くありました。つまりABテストは、トライすること自体に価値があります。Eストアーコンペアはシンプル設定で思いついたアイデアをどんどん試すことができるため、突き詰めていくとOne to Oneマーケティングの実現につながっていきます。
アップデートで機能追加 リピート率が検証可能に
飯野 先日、Eストアーコンペアがアップデートされ、「定期購入商品への引き上げ率」の検証が可能になりました。これによってCVRやLTVの数値化に加え、そのページがリピートにつながっているかどうかまで見えるシステムに進化しました。
池嶋 そういった意味でも、Eストアーコンペアは優良顧客の醸成により貢献できるため、単なるマーケティングツールではなく、顧客の把握と理解を促し、事業をベースアップさせるツールとして捉えていただきたいですね。
飯野 一方で弊社には、ABテストの「手法」のノウハウも溜まってきています。例えばその一つに、先ほどの事例のような「ファーストビューを変えること」があります。経験則に基づいた確かなコンサルティングも充実していますので、ぜひご相談ください。
池嶋 新規事業の立ち上げの際にEストアーコンペアを導入できれば、売上やCVRの成長曲線は早い段階で上昇します。反対に、早期での検証が遅れるほどロスは生まれます。なぜなら勝ちパターンを早期に見つけてから投資をしたほうが、投資対効果は高いはずですから。事業の成長スピードの加速化にも、ぜひご利用ください。
<ECのミカタ通信 2018 SPRING vol.15より抜粋>