「ロジ4メーション」で物流をトータルサポート、出荷波動にも適切に対応しつつ誤出荷ゼロ・在庫誤差ゼロを実現
オムニチャネル展開による実店舗とECの一元的在庫管理やECの多店舗展開における物流一元化、さらに越境ECへの進出に伴う効率的なロジスティクスの構築など、EC事業者にとって物流の最適化は重要な課題である。そうした物流の課題をワンストップで解決してくれるのが、1968年創業の株式会社三協(以下、三協)だ。
長年にわたる物流業務の実績を元に、多様な物流ソリューションを提供し続けており、ECにおける物流の最適化についても多面的にサポートしてくれる心強い物流パートナー企業である。該社の営業本部 営業部 マネージャー 阿部 直仁氏に、多様なサービスの内容や強みについてお話を伺った。
「受注」以降に必要なあらゆるサービスをワンストップで提供する『三協』のトータル物流
商品の入荷・出荷、そして在庫管理に至るまでの物流業務をワンストップで提供してくれる、というのは物流アウトソーサーとしては当たり前のことである。三協でもそれは当然のことなのだが、注目すべき三協の強みのひとつはシステムであるという。
「専門のシステム部門をもっており、独自開発の在庫管理システムを利用して効率的な管理を実現しています。また、変化の激しいECについていえば、多様化している受注管理システムなどにもシームレスに、かつ柔軟に対応できることが、当社の強みのひとつです。」と阿部氏は言う。
さらに三協では、独自のコールセンターを擁している点も大きな強みとなっている。
「エンドのお客様のところに商品が届いたら、それで物流の業務が終わったとは考えていません。エンドのお客様の所に商品が届いた後に発生する問い合わせやクレームなどについても、独自のコールセンターで対応することが可能です。通販やECでは、大きく分ければ、プロモーションから受注までの上工程と、受注してから後の商品配送とアフターフォローという下工程がありますが、当社では受注後に発生するあらゆる業務にワンストップで対応できます。」と阿部氏が言う通り、商品出荷後の対応まで含めた、本当の意味でのワンストップ・サービスを提供してくれる物流会社は決して多くはないであろう。
また最近では、メーカーがECに進出する、いわゆるメーカーECが盛んになっているが、そうしたメーカーECについても三協は強力にバックアップしてくれる。
「通常、メーカー様の場合はBtoB型の出荷が基本ですから、大量に商品を入荷して、大量に出荷するという物流です。それがECに進出すると、細かい出荷対応が必須になるわけですが、そうした細かい出荷やBtoC特有の顧客対応などには不慣れな場合が多いのです。中には受注管理システムについても十分に用意ができないというケースもあります。ですから、そうしたメーカー様に対しては、BtoCの仕組み作りからご提案して、業務フローの構築なども含めてサポートしています。」と阿部氏はトータルサポート力に自信を覗かせる。
拠点間での柔軟なスタッフシフトで、大幅な出荷波動にも適切に対応
そうしたトータルでのサポート力が評判となり、メーカーなどがECに進出するタイミングで三協に物流業務を委託するケースが増えているのだそうだ。
「新たにECに進出されるような場合には、従来型の物流業務フローでは対応できませんので、業務フローやシステムの見直しは必須となります。その際、従来の物流センターでは対応が難しいということがあるのです。また、最近のECでは大手モールさんの大型セールなどが頻繁に行われるために、出荷波動が非常に大きくなっています。越境ECなどを展開されるようになると、この波動はさらに大きなものになります。国内の大手モールさんのセールでも出荷数が2倍、3倍と増えますが、例えば中国越境でダブルイレブンなどのセールだと、5倍、10倍ということもあります。そうした大幅な出荷波動に耐えられるかどうかは、今後の物流を考える上で、大きなポイントだといえます。当社はその点において、大幅な出荷波動も十分に吸収できる体制があり、そこも、当社が選ばれる大きな強みであると自負しています。実際、2017年のダブルイレブンのセールは通常の約100倍もの出荷数でしたが、誤出荷をゼロで達成した実績もあります。」と阿部氏。
三協では、大阪を軸として20Km圏内に6拠点の営業倉庫を有している。そこには200名を超えるスタッフがおり、急に発生するような出荷波動でも、拠点間のスタッフシフトを柔軟に可変させることで、適切に対応することが可能になるのだという。
「当社では、売主様の物流機能を担うパートナーとして、常に売主様と同じ方向を向いて、同じ速度で歩んでいくことを社是としています。もちろん、物流という機能については、売主様より一歩先に立つことで、売主様をリードしながら最適な物流を提供することが可能になります。例えば、出荷波動への対応についても、予測以上に売れてしまったので、出荷制限をかけざるを得ないような事態は、あってはいけないことだと考えています。当社にお任せいただければ、バックヤードを気にせず、売りたいだけ売れる、そんな物流機能を提供することが、当社の使命だと考えています。また、在庫が積み上がっていくような局面では、売主様に迅速に報告を上げて、不良在庫化を防ぎます。」と阿部氏は“攻め”の管理体制を強調する。
実際、三協からのアドバイスで、不良在庫化しそうな商品を、セールの目玉商品として展開し、売上向上につなげるクライアントもあったという。
三協のスタンスは、単に物流機能を請け負っているという「受け」の姿勢ではなく、クライアントの重要な物流機能を“担っている”というスタンスであり、その意識の高さこそが、三協の最大の強みといえるかもしれない。
「物流健康診断」で物流の課題を洗い出し、四位一体の「ロジ4メーション」で最適な物流システムを提案物流健康診断
三協では、「物流健康診断」という呼称で、企業の物流状況を診断するサービスを展開している。プロの目で現状の問題点を洗い出し、高度な専門性を武器に改善の「コンサルティング」を実施する。そして必要があれば、三協の総合力を生かした「インサイド3PL」として物流機能を担っていくというという物流のトータルソリューションである。
「実際に、お客様とお話をしていると、自社の物流コストがどうなっているのか、どこに問題点や課題があるのか、ということを明確に把握していることは少ないのです。しかし、“なんとなく”うまくいっていない、という認識はお持ちであることが多く、この“なんとなく”を明確な問題点・課題として見える化することが「物流健康診断」です。しっかりと問題点を捉えることが物流を改善するためのファースト・ステップであり、「物流健康診断」は大変ご好評をいただいています。」と阿部氏は、問題点発見の重要性を示唆する。
そして、ひとたび問題点が明確になったら、三協では、現場責任者・営業担当・物流技術管理士・物流専門SEの4人でひとつのチームを構成して問題解決にあたるという独自の体制「SANKYOロジ4メーション」で、取り組んでくれるのだという。
「それぞれの分野の専門家が4人で1チームとなり、クライアント様に最適な物流の仕組みを提供しています。現状の問題点を解決するのはもちろんですが、企業様の成長に合わせて、次の提案や、さらなる改善などにも、同じチームで継続的に取り組みます。当然にお付き合いは長くなりますので、そういう意味では、私たちは単なるアウトソーサーでなく、パートナーとしてお客様のお役に立ちたいと思っています。」(阿部氏)
また三協では、小規模のEC事業者に向けて、小ロットの物流業務に対応するサービスを始める予定だという。
「“ひと棚から始められる、プロの物流サービス”というコンセプトで、小規模のEC事業者様などを対象に新サービスを展開します。個人でECを始めて、例えば自宅拠点でやっていたが物量も増えて、個人では対応しきれなくなったが、本格的にアウトソーシングするほどでもない、という事業者に、手軽に使っていただけるサービスを目指しています。」と阿部氏は、新しい取組みについても言及する。
誤出荷ゼロ・在庫誤差ゼロを大看板として、高い物流品質を提供し続ける三協の強みとは、システムをはじめとする個々の仕組みにある強みもさることながら、それらが融合して生み出される総合力こそが真価であることは間違いない。
現状の物流に何らかの課題を感じているなら、一度、三協に相談してみることをお勧めする。きっと、最適解を提供してくれることだろう。