Amazonで商品が埋もれない方法!出品商品の露出を高め、商品詳細ページへと誘導するセラー広告
多くの販売事業者が出品者として商品を販売しているAmazonマーケットプレイス。可能性の大きいEC市場だが、販売事業者が増えるにつれて商品が検索結果になかなか表示されない「埋もれてしまう」課題を抱える事業者も増えている。
それを解決するためのソリューションとなり得るのが大口出品者向けのAmazonのセラー広告だ。セルフサービスなので、Amazonに出品している商品を、Amazon.co.jp上の広告枠で、出品者自らが宣伝することが可能になる。アマゾンジャパン合同会社 検索広告事業部長 古屋輝周氏に、その活用法について伺った。
販売事業者の課題を解決するセラー広告
Amazon.co.jpには、非常に多くの販売事業者(セラー)が様々な商品を出品している。そんな販売事業者の悩みとして多いのが「商品が埋もれがちなこと」だ。たとえば、「イヤホン」で検索をかけてみると、約5万件以上の商品がヒットする。しかし、PC上の検索結果1ページ目には24商品までしか表示されない。
「Feedvisorによる2018年のアメリカ市場における調べでは、Amazonで買い物をする消費者のうち75%がAmazonの検索窓から商品を探し始めるとの結果があります」と古屋氏。出品商品の認知を伸ばすためにはまず、商品が検索結果で目立つ場所に表示される必要がある。
しかし、約5万件あるかもしれない商品の中から、検索結果の1ページ目に表示される24の商品に入るのは簡単なことではない。そこで活用されるのが、大口出品者向けの「セラー広告」だ。
セラー広告には、スポンサープロダクト広告とヘッドライン検索広告がある。商品の露出度を上げたい場合、まず、スポンサープロダクト広告が利用される場合が多い。スポンサープロダクト広告は、検索連動型の広告で、検索結果ページと商品詳細ページに表示される。
広告を利用するメリットについて、古屋氏は次のように説明する。「広告を使わなくても、施策を重ね売上が伸びれば、いつかは自然に検索順位も上がるかもしれません。しかし、そこに至るまでには時間も、マーケティングコストもかかります。広告は、その時間を短縮し、効率化してくれる可能性があります」。
「商品が埋もれがち」という課題を解決する方法として、ジャンルを問わず、広告を利用する販売事業者は増加しているそうだ。販売事業者の管理画面である「セラーセントラル」から簡単に設定でき、クリック課金で、1日100円から予算設定できるので低リスクで始められる。
Amazonならではの特長と成功のポイント
Amazonセラー広告の特長として、検索結果ページの目立つ場所、つまり消費者の導線上にある広告枠で商品を宣伝できることが挙げられる。また、商品詳細ページ上にある広告枠においても、閲覧中の商品との関連性が考慮されて広告枠に商品が表示される仕組みとなっているので、クリック後も消費者にとって満足度の高い広告となっている。
「セラー広告の表示箇所は、実店舗でたとえると、レジ横や入口近くなどの良い場所にあたります。広告を使うことで一気に良い場所で試せるというイメージです」と古屋氏。
販売事業者にとって、広告というと単価が高い商品でないと元が取れないと考えることが多いかもしれない。しかし、Amazonのセラー広告の場合、単価の安い商品でも効率よく効果を上げている例も少なくないという。
そういった効率の良さは、一つには、Amazonで検索を行う消費者が、もともと「買う」ことを前提にしているであろうことが背景にある。つまり、Amazonを訪れる購入者に向けて広告を通して商品を直接訴求できるので、購入の可能性が高い潜在顧客層へ効果的にリーチできるわけだ。
効果の出やすい仕組みが整っているAmazonのセラー広告だが、その仕組みを活かすために、「広告の掲載期間を長く設定する」ことと「人気の商品を広告の宣伝商品に含める」ことが重要だという。
セルフサービスのセラー広告の運用において、販売事業者はいつでも広告の管理画面から、広告の設定のほか、広告の表示数・クリック数・広告費用・広告からの商品売上・売上高広告費比率などの結果を確認することができる。「広告をうまく活用される販売事業者様は、きちんと検証をして、より幅広い検索にも対応できるように細かく調整をされています」と古屋氏は言う。
検証を重ねることで、広告が表示されるパターンができる。そういったパターンを作るには、スポットで広告を出すのではなく、「広告の掲載期間を長く設定する」前提で、施策と検証を重ね、さらに、「人気の商品を広告の宣伝商品に含める」方が良いそうだ。魅力的な商品が、いつも見る場所に常にあることで、広告の効率は高まる。
「広告の一番の成功パターンとしては、新しい買い物をする人が検索をする度に、人気の品がよく見える場所に広告として表示され、それが継続していくというものです。これをベースにして、ピンポイントで季節商品やセール商品、ギフト商品の広告を足していくという形で広告を運用すると、効率よく効果が上がります」。
この成功のパターンができると、当然ながら出品商品の商品詳細ページの閲覧数も伸びる。すると、最終的に検索ランキングも自然に上がるという、好循環を生み出すことができるのだ。
初めての方でも利用できる-Amazonが無料※で広告設定サポートサービスも提供
Amazonセラー広告は、販売事業者向けの出品管理画面である「セラーセントラル」から簡単に設定できる。より迅速かつ効果的に、セラー広告の運用を開始したい販売事業者を対象に、Amazonが広告開始までの設定をサポートするサービスを無料で提供している。(※Amazonが広告設定のサポートを無料で行うが、広告費用はクリック毎に発生する。)商品選定やキーワード設定も、Amazonのデータに基づく成功パターンに則って行われる。申し込みはこちら
広告出稿後は、出品者で自由に広告プランの変更や調整が可能なので、まずはこのサービスを始めてみるのも良いだろう。広告を利用したいが、知識が足りない、時間や人手が足りないと感じている販売事業者にとって、利用しない手はないと言えるだろう。
もちろん、販売事業者自ら「セラーセントラル」からセラー広告の設定を開始することも可能だ。スポンサープロダクト広告では、広告を表示させる検索キーワードの設定として「オートターゲティング」を選ぶと簡単に開始できる。この「オートターゲティング」では、Amazon.co.jp上のデータを考慮し、宣伝商品に適した検索キーワードを、システムが自動的に広告として設定するものだ。
ブランディングはヘッドライン検索広告で
セラー広告には、スポンサープロダクト広告の他に、検索結果の一番上に、任意の宣伝文と共にバナー状の表示がされる「ヘッドライン検索広告」というものがある。
ヘッドライン検索広告の使い方として、古屋氏は、「スポンサープロダクト広告と同じく良い表示位置を確保するという目的の他に、ブランドの訴求も可能です」と説明する。
ヘッドライン検索広告では、クリックして遷移した先のページに、複数の出品商品を掲載することができる。一個の商品だけでなく、たとえば化粧品のラインナップを全て掲載するなど、ブランドの認知度を高めるために活用できるのだ。
「実店舗でたとえると、良い場所の棚に商品が置かれているだけでなく、そこにブランドのコーナーができるような感じです」と古屋氏。
基本的には、スポンサープロダクト広告から始めて、Amazonブランド登録に自社ブランドを登録済みであれば、さらなる露出強化や顧客獲得のために、ヘッドライン検索広告を追加で利用するパターンが多いそうだ。
セラー広告はAmazonで成功を目指すためのアイテム
「今後も、セラー広告の活用により、販売事業者の皆様に、効果的に好循環のサイクルを生み出していただけるよう取り組んでまいります」と古屋氏は言う。「セラー広告は、販売事業者様がAmazonでの成功を目指すうえでの『重要なアイテム』となることを目指しています」。
Amazonの中で「埋もれてしまう」課題を感じている販売事業者は、ぜひ、今回ポイントとしてあがった点を押さえながら、セラー広告の活用を検討してみてほしい。
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