「LINE」と国内トップ級の店舗スタッフ向けサービス「STAFF START」の融合が遂に実現!!

ECのミカタ編集部

株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役 CEO 小野里 寧晃氏

2016年のサービス開始以来、その革新的なコンセプトと秀逸な機能性によって、導入ブランド数や実際に利用する店舗スタッフ数、そして取扱い流通額を着実に伸ばし続けてきた「STAFF START(スタッフスタート)」。店舗スタッフのプラットフォームとしては国内最大級といっても過言ではないほどに急成長を遂げている。その「STAFF START」を開発し、市場展開している株式会社バニッシュ・スタンダード(以下、バニッシュ・スタンダード)が、国内月間約8,800万人(2021年3月時点)が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」をはじめ、企業や店舗がLINE上にアカウントを作り、「友だち」となっているユーザーに対してメッセージ配信を行うことができる個人・法人向けアカウントサービス「LINE公式アカウント」を提供しているLINE社と業務提携し、新たなサービスとしての『LINE STAFF START』を共同開発することが、このほど発表された。

この新サービスがスタートするのは2021年秋頃とのことだが、共同開発に至る経緯やどのようなことが可能になるのかなどについて、バニッシュ・スタンダードの代表取締役 CEO 小野里 寧晃氏にお話を伺った。

「スタッフ・顧客のエンゲージメントを向上させ、スタッフのDX化を推進する「STAFF START」」

「スタッフ・顧客のエンゲージメントを向上させ、スタッフのDX化を推進する「STAFF START」」

実店舗・ECサイトでは集客・販売促進にSNSを活用する事業者が増加し続けています。「STAFF START」は、店舗スタッフがECサイト上で顧客にアイテムのコーディネートを提案したり、商品をおすすめすることで、顧客の購入を促すツールです。

単なる発信ではなく、どの店舗スタッフの発信情報によって商品が売れたのかを把握できるので、店舗スタッフのがんばりが適正に評価されることも大きなポイントです。販売インセンティブをつける企業も多く、企業とスタッフのエンゲージメント向上にも寄与します。

しかも、店舗スタッフから丁寧な情報を受け取ることができれば、顧客のスタッフに対するエンゲージメントは着実に向上し、LTV向上にもつながるのです。

こうしたメリットが高く評価され、また昨今のコロナ禍での“おうち消費”も後押しとなり、2020年の流通総額は約1100億円にも上りました。対前年比で2.75倍。導入ブランド数も1200を超えるほどになっており、何より「STAFF START」を使っていただいている店舗スタッフさんの数が昨年時点で7万人を超え、現在は9万人にも迫る勢いで増加傾向にあることがうれしいですね。

SNSでスタッフと顧客が繋がるシーンも増え、2020年はデジタル上でのコミュニケーションは一気に加速した1年だったのではないでしょうか。

店舗スタッフによるオンライン接客を、LINE公式アカウントでオフィシャルに展開しながら、オムニチャネル化を促進する『LINE STAFF START』

店舗スタッフによるオンライン接客を、LINE公式アカウントでオフィシャルに展開しながら、オムニチャネル化を促進する『LINE STAFF START』

しかし、顧客と店舗スタッフなどがSNSでつながることに、まったく問題がなかったわけではありません。

店舗スタッフと顧客がSNSでコミュニケーションをとること自体は悪いことではないとしても、その内容などを企業が把握しづらいという問題がありました。個々の店舗スタッフが独自に情報発信するとなると、全体としてのコントロールも難しくなります。ガバナンス上の問題ですね。

またSNSツール自体、ツイッターやインスタグラムなどいろいろありますが、それぞれに一長一短があり、どれを使うかの判断は難しいのではないでしょうか。

そこで、そうした課題を解決して、「STAFF START」をより効果的に利活用するためには、LINE公式アカウントをベースとした、新しいサービスをLINEと一緒に開発させていただくことがベストだと考えました。LINEとは以前からLINEショッピングに関連してお付き合いさせていただいており、2020年4月にこの構想をご提案させていただきました。以降、何度となく関係の部署、ご担当者とすり合わせをさせていただき、2021年に入ってから正式に『LINE STAFF START』を共同開発していこうということが決定したのです。

まず、企業が店舗スタッフ個人ごとのLINE公式アカウントを開設することは難しいですが、『LINE STAFF START』なら、それが可能になります。対象顧客とのコミュニケーションも、チャット機能やメッセージ配信はもちろん、ビデオ通話、LIVE配信などが利用できるようになります。スタッフが発信する情報は、事業者側が承認しないと公開されないようにするとか、個々のスタッフごとにやれることを制限したりすることも予定しておりますので、ガバナンスも飛躍的に強くなります。

また、店舗スタッフがLINE上で、顧客に対して商品情報やコーディネート情報を発信することの操作性も、簡単・スムーズになります。さらに、ある商品、たとえば特定のスカートなどを選ぶと、その商品を使ったコーディネート例が紐づけられていて、他のスタッフが作ったコーディネート例なども一緒に掲載できます。もちろん、元々の「STAFF START」がそうであったように、実際の購買に結びつけば、どの店舗スタッフの情報によって購買に至ったのかがわかりますから、スタッフごとの売上も把握できます。

さらには『LINE STAFF START』で発信された情報をLINE上で確認し、“この商品が欲しい”となれば、ECサイト側でログイン手続きをしなくても済むように、シームレスなエントリーを可能にする仕組みも想定しています。

『LINE STAFF START』のサービス開始を契機として、“LINEで買い物をする”という文化を作り上げたいと思っています。LINEはコミュニケーションツールとして急成長しました。ですから、多くの方はLINEを“買い物をする場”とは思っていないと思います。『LINE STAFF START』によって、その概念を変えていきたいですね。

目に見える商材だけでなく、サービス商材をも対象に領域の拡大を目指す『LINE STAFF START』の未来

目に見える商材だけでなく、サービス商材をも対象に領域の拡大を目指す『LINE STAFF START』の未来

いま現在のところ「STAFF START」は、アパレルを中心に利用が拡大していますが、この仕組み自体はアパレル以外の分野でも幅広く活用してもらえるものです。実際、アパレル以外のコスメや食品などを扱うショップでの利用も進んでいます。

さらに今後は、形ある商品を扱うお店だけでなく、スポーツジムやエステサロンなどサービス分野のお店にも積極的に利用してもらえるようにしていきたいと考えています。サービス商材の場合は、ECサイトに誘導して購入促進する、という流れにはなりませんが、たとえば、エステサロンのスタッフが『LINE STAFF START』で顧客とコミュニケーションをとり、その結果、来店に至ったのなら、それはそのスタッフの成果です。来店検知という仕組みがあることによって、どのスタッフが誘客したのかを可視化できるわけです。旅行業界、ホテルなんかにも活用可能です。

もっといえば、渋谷とか。新宿とか、“街”というフィールド自体を、『LINE STAFF START』を活用して、もっと豊かにしていけるのではないかと思います。私たちは、ECはリアルを守るためにある、と考えています。今のようなコロナ禍でお店に行けないなら、店舗スタッフが「STAFF START」を使ってECで接客をし、お客さんはECを活用して買い物をすればいい。それはお店を助けています。

しかし、この先ずっとECだけで良いということではなく、いずれはリアルのお店に人が戻ってくる。リアルにはリアルの楽しさや豊かさがあるからです。「STAFF START」は、デジタルでリアルを豊かにするためのひとつの手段であり、その視点を大切にして、さらに“常識を覆す”革新に挑戦していきたいと思っています。


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