「衝動買い体験をECサイトで実現した」話題のAI。SEOとCX施策を自動で動かす『awoo AI』に迫る。
欲しいモノを、必要な時、簡単に購入できるよう、ECサイトは進化を続ける。
しかし、消費者の「これが欲しい」という気持ちに対応できても、本人も気づかない心の奥底にあるニーズに応えることは簡単ではない。特にリアル店舗では、商品を見た瞬間の「あ、これいいな」に促される"衝動買い"がショッピングの楽しさとして存在する。
目的のモノが購入されることは当たり前。これからは、本人も意識していなかった衝動買いの喚起により、ECサイトの顧客体験はリアル店舗でショッピングを楽しむ感覚に近づく。
"衝動買いのDX化"とも呼べる革新さで、ECサイトの顧客体験を進化させたのが、台湾発AIベンチャー企業 awoo Japanが開発した『awoo AI(アウーエーアイ)』だ。その仕組みを、執行役員 日本事業開発責任者 吉澤 和之氏にを伺った。
今後のECサイト体験の進化には「フィルターバブル問題」と「サードパーティークッキー規制問題」の解決が必須。
これからのECビジネスには、ふたつの問題が発生すると吉澤氏はいう。
吉澤氏「ひとつはフィルターバブル問題です。今のECサイトは、商品レコメンドという顧客対応は当たり前になっています。しかし、その手法のほとんどは、その人が何を(どのページ)を見たか、何を買ったか、という情報でレコメンド商品を決定します。人の行動や購買履歴に基づく限り、そのフィルターを通じたバブル内でのレコメンドの実現しかありえないのです。
少々乱暴な言い方ですが、Tシャツを買ったユーザーに対し、デザイン違いのTシャツ"だけ"をレコメンドしているのです。
しかし、消費者は様々なニーズを持ちます。Tシャツを買う目的で店舗に行き、たまたま見つけたジーンズを購入することは当たり前にある消費行動です。
これは弊社が偶発消費、セレンディピティと呼んでいる消費行動で、いわゆる衝動買いです。このような偶発消費を積極的に喚起できれば、ECサイトの顧客体験は期待以上のものとなり、売上向上に繋がることは、誰の目にも明らかでしょう。
ふたつめの問題は、サードパーティークッキー規制です。今年(2022年)4月の改正個人情報保護法により、クッキー利用の実質的な制限が進み、リターゲティングや、レコメンドにも一部影響を及ぼします。
今後、ユーザーの購入履歴などをクッキーでトラッキングして、それをIDやメールアドレスなどに紐づけるためには、本人の同意ポップアップなどを用意することが想定されますが、どれだけ同意が得られるか未知数ですし、対策を重ねることも面倒ですよね。根本解決には、代替技術で補うことが必要です。」
"衝動買い"は、消費者にとっては楽しいショッピング体験である。喚起したいと考えるEC事業者は少なくないはずだ。しかし、フィルターバブル問題とクッキー規制問題が阻害要因として存在し、それを解消する代替技術が『awoo AI』となる。
『awoo AI』が商品の魅力を言語(ハッシュタグ)化。
『awoo AI』の特徴を、吉澤氏は次のように語る。
吉澤氏「『awoo AI』は従来のマーケティングツールによくみられる、ユーザー行動のトラッキングはしません。『awoo AI』が対象とするのは、商品そのものです。
商品の特徴、衣料品でいえば色やデザイン、素材をAIが解析・理解して、どんなハッシュタグを付与すると、ユーザーが興味を示すかを考えるのです。
「これが適している」とAIが抽出した、商品の特徴をハッシュタグとして商品ページに付与することで、ハッシュタグをきっかけにユーザーが商品を見つけるというフローを構築するのが『awoo AI』です。従来とはアプローチのスタンス、技術的側面がまったく異なります。
『awoo AI』はまずサイト内の商品に関するデータ、タイトルや商品説明文、さらに画像などの情報を収集し、商品に関連するキーワードを分類します。素材の特徴、カラーの特徴、カテゴリーなどです。もしサイト内にある商品の説明文が不足しているとAIが判断すれば、外部サイトのクローリングや、画像からの情報取得など、多様な方法でキーワード抽出を行います。
10個程度のキーワードをハッシュタグ化して運用し、その後のハッシュタグへの反応を機械学習し、タグの設置や取り外しを常にチューニングしていきます。
ハッシュタグが反応されたかだけでなく、キーワードのサーチボリュームなどもデータとして活用して、トレンド性、検索軸としての有効性、該当のハッシュタグでたどり着いた商品を閲覧後に、どんな商品が見られるかなど、多様な情報を複雑に計算して、常に最適化するのです。
このようにハッシュタグへの反応を軸にした運用により、前段で申し上げた"ユーザーの行動履歴"だけに依存せずに、最適な顧客体験を実現できるのです。」
最適化されたハッシュタグを起点に、サイト体験が向上。
吉澤氏「さらに、『awoo AI』が導き出した関連ハッシュタグの商品情報を束ねた一覧ページを生成可能です。こうして生成されたページは、反応を呼ぶ最適化されたハッシュタグがキーワードとして埋め込まれているという形です。
ハッシュタグは2単語以上のキーワードで作られるので、ロングテイルのキーワードが含まれるページがサイト内に大量に生成されることになります。ロングテイルキーワードを含んだページが、検索エンジンに大量にインデックスされ、閲覧回数が多くなることでページの価値も向上し、検索順位に影響を与えるというSEO対策上の好循環を実現します。
こうして新規顧客の流入も上がり、サイト流入後も最適化されたハッシュタグ間の遷移によってユーザーは回遊を促されることで、"偶発消費(衝動買い)"が発生します。」
このように『awoo AI』では、商品情報を軸にユーザーに反応されるキーワードがハッシュタグとして最適化され、商品ページに埋め込まれる。
そのページが検索エンジンからの顧客流入を生み出し、ハッシュタグで結ばれた商品同士が回遊へ繋げ、サイト内での顧客体験を向上させる。ここまでを自動で実現するということに驚きを隠せない。
awoo Japanが提供する資料によると、導入したEC事業者の成果レベルも驚異的だ。自然検索流入数はサイト全体で2.5倍にも達し、新規顧客の開拓に成功しているEC事業者、サイト内の回遊率が5.6倍となり、顧客体験(CX)が向上したEC事業者、CVRが9.8倍に上昇したEC事業者もある。
ここで、導入企業の声も紹介する。
"今後、最も期待したいテクノロジーのひとつです"
エース株式会社では、「ビジネスバックの場合、画像レコメンドだと真っ黒なバッグが延々と並ぶことになり、どのような違いがあるのかが、ぱっと見でユーザーに分かりにくい」状況を、ハッシュタグで商品ごとの明確な違いを打ちだすことで解消し、顧客と商品の出会いをサポートしている。
"他のツールとの違いとして「潜在ニーズの掘り起こしによるアプローチ」による商品レコメンドができることが大きいポイントでした"
ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社は、「ご購入に至らなかったお客様に対して、提案が不足していた部分」をcvr向上の課題とし、『awoo AI』を導入。「運用に手間がかからないことと自然流入増加の期待ができる点にも魅力」を感じ、自動運用の後押しでcvr向上施策を進めている。
"自動運用のため社内リソース負荷が少ないところも導入の決め手となりました"
株式会社スタージョイナスは、「あらかじめ決まっている欲しい商品を狙って来訪されるお客様が多く、様々な商品に目を留めていただけないという課題」を抱えていたが、工数をかけずに「実店舗のように思わぬ商品との出会いが創出できる」ことから導入を決定した。
※""内、および「」内が、実際の導入企業からのコメントである。
魅力的な商品に自信を持つ店舗にとっては、"自然と顧客に発見してもらえる"というリアル店舗では当たり前の状況を、ECサイトでは再現できないことにもどかしさを感じていたことが伺える。
驚異的な実績を誇る『awoo AI』。新しい顧客体験の先駆者としてEC市場の発展を目指す。
コロナ禍の影響もあり、拡大成長を狙うEC事業者からの引き合いも多く、昨年(2021年)末頃から契約数も急増していると吉澤氏はいう。
吉澤氏「おかげさまで、昨年末ぐらいから契約数が伸びています。長引くコロナ禍の影響もあるでしょうし、クッキー規制に対する対応策としての側面もあります。
その中でも、導入を決めていただいたEC事業者様の多くが、“偶発消費(衝動買い)”を喚起できる革新さに強い関心を寄せていただいています。
最適化が進み、売上構成の36%が『awoo AI』経由という企業様もいらっしゃいます。こうした実績を上げることが可能であり、運用工数はほぼゼロです。担当者様の手間をかけずに、成果を狙えます。
商品数が200を超えるようなECサイトを例にすると、導入後1か月程度で成果を実感していだけますし、3か月程度の追加学習を経れば、さらに成果が向上します。すでにさまざまなEC構築プラットフォームに対応していますので、ストレスなくスピーディーな導入も可能です。大手から中小企業まで、幅広くご利用いただけます。」
『awoo AI』は、今後も進化を続けるという。将来的な機能の多様化により、さらに成果を生んでくれることだろう。
「衝動買い体験を顧客に提供したい」
「SEOやCX施策を工数"ほぼゼロ"でスピーディに回したい」
「今後の規制で発生する影響を回避したい」
そんなECサイトは『awoo AI』で実現が可能だ。
導入したEC事業者は、ハッシュタグを活用した革新的なマーケティングテクノロジーに驚愕することだろう。