顧客理解と柔軟なシステム構築~「お仏壇のはせがわ」Shopify事例~

ECのミカタ編集部 [PR]

顧客理解と柔軟なシステム構築~「お仏壇のはせがわ」Shopify事例~ (写真中央左)
図書印刷株式会社
マーケティングソリューション本部
デジタルマーケティング部
プロデュースグループ マネジャー
木下 剛
Tsuyoshi Kinoshita

(写真中央右)
図書印刷株式会社
マーケティングソリューション本部
ECビジネスグループ
グループリーダー
鈴木 暁雄
Akio Suzuki

常に変化するEC業界でトレンドをキャッチアップし続けるために、使用するシステムにも柔軟性が求められている。豊富な知見とリソースを活かしてEC事業者をトータルに支援する図書印刷では、どのような手法でサイト構築・運営を行っているのだろうか。同社の顧客である株式会社はせがわの事例を交えながら解説していく。

事業者の変化が求められる 今のEC事業

―近頃の消費者の購買行動の特徴を教えて下さい。

鈴木 人々の手元には常にデバイスがあり、消費者の購買行動を妨げる障壁はほとんどなくなってきています。マーケティングツールが毎年のようにリリースされ、ショップからの情報提供も、ユーザーの情報収集もサイクルが早くなっています。この潮流を受け、事業者には根本に立ち返り、小手先ではないプッシュ型・プル型の情報を適切に使い分けて発信していくことが求められています。多くのファンを抱えているブランドの場合、クーポンのような施策をリリースしただけで良い反応を得られることが多いです。これは消費者が欲しい情報を自分で取りに行くようになっていることを表す事象といえるでしょう。

木下 定性的な側面でいえば、モノが売りづらくなってきている印象はあります。特商法に関わる表記や誇大広告の規制強化、Cookieレスによる広告運用への影響などによって、消費者に情報を伝えるための表現がしにくくなっていることが一因です。これまで培われたノウハウが通用しなくなった今、ブランディングや情緒的な視点から情報を伝えていくことの重要性を感じています。今うまくいっている事業者には、商品の開発から最終消費者へ届けるところまでの全工程に、自分たちのコンセプトを一貫して表現できている点が共通しています。

「お仏壇のはせがわ」が 実現した可変型EC

―御社が手掛けた具体的な事例はありますか。

鈴木 このような市場変化に対応した事例として、「お仏壇のはせがわ」でおなじみの株式会社はせがわ様を挙げさせていただきます。既に認知度が高くブランド力もあるはせがわ様は、元々膨大なコンテンツ数のあるマーケティングサイトを持ち、Amazonや楽天市場などのモールにも出店されていました。そんな中、今回はマーケティングサイトをリプレイスし、同時にShopify Plusで新設する自社ECサイトへと統合を行うというプロジェクトに、はせがわ様のプロジェクトメンバーの皆様とご一緒させていただきました。単純なECとしての機能だけでなく、コラムやコンテンツが充実した、ブランドのメッセージを伝えるサイトを構築。プル型の情報発信をさらに強化した結果、リニューアル前と比較してUX数値が全体的に向上しました。Shopifyを採用した理由は、変化の激しい市場環境に対して、Shopifyのマイクロサービスであるアプリを組み合わせることで柔軟にフィットできる点です。

木下 はせがわ様は顧客とのタッチポイントが多く、運用の工数が非常にかかっていました。そこで今回は一つの情報を更新すると、お仏壇仏具やお墓ページなどに連動して反映される仕組みを実装しました。情報発信が複数のチャネルにわたっても、ブランドの表現に一貫性を持たせることをシステム面でもサポートしています。

顧客接点の幅を広げるShopify

顧客接点の幅を広げるShopify

―支援にあたってどのようなポイントがありますか。

木下 当社では集客や接客といった消費者とつながる部分については、なるべく事業者様側でやった方が良い、ということをお伝えしています。直接的に顧客と接することで得られる反応はとても貴重です。自走が難しい場合には当社の伴走型支援サービスをご利用いただいています。SNSの立ち上げ支援や、広告運用のオペレーションなども当社で請け負うことが可能です。必要に応じてアウトソースを活用しながら、事業者様には顧客との接点を増やしていただきたいです。

鈴木 ECだけで生み出せる体験は限られています。例えば実店舗のキャンペーンとECを連動させるなどの優れたブランド体験を提供するためには、マイクロサービスを組み合わせて“今”の運用に合った体制を構築することが望ましいです。はせがわ様の事例のようにShopifyを利用すれば、アプリで機能を強化するだけでなく、それを外すことも容易なので、施策をすぐに始められます。これは事前にしっかりと要件を固めるスクラッチのシステムではできないことです。一時的なキャンペーンのためにShopifyアプリを実装して、足りない部分は当社が運用サポートする、といったケースもあります。当社でもShopifyのアプリをいくつか開発中なので、今後は当社でアプリと運用をセットでサポートすることも可能です。そういったサードパーティーの支援を加えれば、その拡張性はもっと広がり、Shopifyで実現できることはさらに増えるでしょう。

引き出しを増やして、 PDCAより早く動く

―これからのECに必要な要素について、どのようにお考えですか。

木下 モノが売りにくい現状の中で重要なのが「スピード感」と「顧客の理解」です。個人的には従来のPDCAを回すのでは遅いと感じています。綿密に計画を立てるよりも、まずはやってみる。そして、得られた気付きを次の施策につなげる。この方が今のスピード感には合っています。ただ、アクションの確度はできるだけ高い方が望ましいでしょう。経営的な視座から課題を抽出する力、仮説を立てる力、そして実行する際のコミュニケーションの引き出しの多さが、これからのEC支援サービスには求められます。

鈴木 EC市場の変化は止まりません。当社では市場環境に柔軟に対応できるEC運営体制をご提供するだけでなく、オフラインのキャンペーン事務局を設けたり、システムでカバーしきれない運用を人的リソースで充当するなど、印刷会社ならではの強みを活かしたソリューションを提供します。また、当社のBPO部門では物流業務やコンタクトセンターも運営しています。上流工程から実務面まで、事業者様の課題に合わせたワンストップなご支援が可能です。モールも運営されている事業者様に対しては、一元管理ツールやクラウド物流、RPAなどを使った、効率的なフルフィルメント体制もご提案します。まずはミニマムな形からスタートして、将来必要になる機能やリソースは当社がアドオンしていくことで、事業者様と一緒に成長していけるようサポートいたします。

ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~

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