自動梱包ラインで実現 梱包作業の効率化と顧客満足度向上
出荷件数の増加に伴い、梱包現場では業務効率化や省人化が求められている。こうした課題解決に最も大きな効果を発揮するのが梱包作業の自動化で、株式会社ダイワハイテックスが提供する「CARGOWELL(カーゴウェル)」には多くの問い合わせが寄せられている。通販支援部の白井祐介氏に、梱包ライン自動化のメリットや重要性について話を伺った。
梱包現場の課題と自動化の必要性
―EC市場が拡大する中、物流倉庫における梱包現場ではどのような問題・課題が生じているのでしょうか。
どの倉庫でも共通しているのは、増え続ける出荷量に対して梱包や出荷が追い付いていないことです。特に梱包作業や出荷業務を人手に頼っている倉庫では、従業員の習熟度によって作業品質にバラツキが出たり、セール・キャンペーンなどに応じたタイムリーな出荷量の増加に対応ができないといった課題を抱えています。
また、物量が増えれば増えるほど梱包作業にかかる時間も増えますし、ミスが生じやすくなることも問題です。ヒューマンエラーが発生すると顧客に迷惑がかかるだけではなく、自社の作業量が増えたり人件費が余計にかかったりすることもあるので、さまざまな点で悪循環に陥ってしまいます。
―人力での作業には限界がありそうですね。商品を正確かつスピーディーに届けることは顧客満足度に直結することなので大きな課題ですね。
そうですね。こうした課題を解決するために、梱包作業を自動化したいというニーズは非常に高まっています。当社が展開する通販物流効率化支援サービス「CARGOWELL」は、自動梱包機を導入して梱包作業の最適化を図り、現場の省人化・作業効率化を実現いたします。ありがたいことにここ数年CARGOWELLへの引き合いは右肩上がりです。
「自動化」と言うと人が0になり、これまでの業務フローを一新しなければならないというイメージを持つ方もいらっしゃいますが、CARGOWELLは手作業で行っていた煩雑な作業をお客様の要望に合わせて機械化します。お客様ごとに最適なラインを設計しているので、お客様の「こうしたい!」を実現できる点も評価いただける要因の一つかもしれません。
CARGOWELLはEC事業者にも消費者にも大きなメリットが
―CARGOWELLの概要やその特長について教えてください。
CARGOWELLは、「急激な発送量の増加に対応できない」「梱包に時間がかかり過ぎる」「梱包サイズを最適化し、資材費や運送費を削減したい」といった梱包現場のお悩みを解決するため、メール便自動梱包システム「PAS-Line」、ダンボール梱包を最適化する箱シュリンク梱包システム「BOS-Line」の二つの自動梱包ラインをご提案しております。
PAS-Line は1時間に1,000件の自動梱包ができるコンパクトな梱包ラインです。梱包も送り状貼り付けも全て自動で行い、「ネコポス」や「ゆうパケット」に代表されるポスト投函サイズの商品に適しています。
BOS-Lineは毎時最大900個のシュリンク梱包ができるラインで、シュリンク梱包をはじめダンボールの製函、封緘、送り状自動貼り付けなどが可能です。さらに商品のサイズに最適なダンボールが自動で供給されるので、人の手で箱のサイズを選択する必要がなく、資材や運送費のコスト削減と効率化が同時に行えます。その他にも小型のシュリンク包装機など、梱包〜出荷業務をサポートするツールも取り揃えています。
―CARGOWELLの導入で、事業者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
最大のメリットは梱包作業を効率化、省人化できることです。商品の梱包から送り状貼り付けまで、手作業では時間がかかる業務をCARGOWELLなら圧倒的なスピードで完了するので、作業時間の短縮や人件費削減、業務の効率化などに大きく貢献します。
また、処理能力が明確なため、管理者にとっては梱包の作業計画が立てやすいという利点もあります。人手だと作業レベルに個人差があり出来高にバラツキが生じますが、機械の場合は作業のスピードもクオリティも常に一定なので、人員の配置や作業の完了時間が読みやすく出荷量を制限しなくて済むという面でも大きなアドバンテージがあると思います。
―自動梱包ラインはエンドユーザーにとってもメリットがあるのですか。
もちろんあります。例えばBOS-Lineでは、熱収縮する透明のシュリンクフィルムで商品を段ボールに固定することで、無駄な梱包材を使用しなくて済みます。PAS-Lineでも商品の大きさに合わせて資材の使用量を変えるので、最小限の資材による梱包が可能です。
こうした梱包の最適化は、過剰包装を抑制してごみの削減になるだけでなく、商品の破損防止にもつながります。
早めの設備投資で成長するための物流改善を
―導入した企業にはどのような成果・効果が出ているのでしょうか。
一般的にメール便の梱包を手作業で行う場合、1時間あたりの作業量は約100個といわれていますが、これをPAS-Lineに置き換えると毎時1,000個の梱包ができるので、作業効率は10倍ということになります。これまでPAS-Line BOS-Line合わせて150ライン以上導入していただいておりますが、最初に1台導入し効果を実感して複数台増設いただくお客様も多いです。
CARGOWELLの導入を機に棚搬送ロボットやピッキングの自動化を進める事業者様もおり、“自動化の最初の一台”としてのニーズもあるようです。
―自社で包装機を製造されていますが、メーカーだからこその強みはありますか?
先を見越した生産計画を立て、一定数在庫を持っているので他社よりも早く納品ができること、そして要望に合わせて細かいカスタマイズができることがメーカーとしての強みだと思います。他社様で「納期が1年以上かかる」と言われたというお客様が時々いらっしゃいますが、弊社では受注状況にもよりますが、最短2カ月半程度で納品が可能です。梱包現場の大変さを理解していますので、出来るだけ早く納品ができるように心掛けています。
また通販の梱包現場では、梱包ラインが停止すると出荷が滞り大きな損害が発生してしまうので、梱包ラインを安定稼働させるために自社の機械を熟知したエンジニアが素早く、保守・メンテナンスに対応出来る点も強みになっていると思います。
―最後に、梱包作業の効率化を検討されている事業者様にアドバイスをお願いします。
EC市場は今後も継続的な成長が見込まれます。そうなると今より出荷量が増えていくことは明らかで、人手に依存した梱包作業はいずれ限界を迎えるでしょう。早い段階で危機感を持った事業者様はすでにCARGOWELLを導入いただいており、確実に結果を残しています。
業績が伸びている今だからこそ社内体制や業務フローを見直すこと、そして中長期的視点で早めに設備投資を行い、環境を整備していくことが大切だと思います。