株式会社エイト・バイ・テン 代表取締役/Photographer 池畑 直樹氏

商品を実際に手に取れないECショップでは、写真のクオリティが売上を大きく左右する。サイトに使用するべきなのは「キレイ」な写真ではなく、商品の魅力が伝わる「売れる」写真だ。こうした写真はどんな環境で、どのように撮られているのか──。撮影スタジオ「8×10（エイト・バイ・テン）」を運営し、EC撮影に強みがある株式会社エイト・バイ・テン（所在地：東京都渋谷区）の池畑直樹社長に、通販サイトにおける写真の重要性や自社スタジオの特徴などについて話を聞いた。

サイトに掲載する写真撮影はプロに依頼

「売れる」写真はプロに依頼すべきという池畑氏

──撮影のプロフェッショナルの目から見て、ECにおける写真の重要性をどのように捉えていらっしゃいますか。

皆さんも経験があると思いますが、ECで商品を買う場合、必ず写真を参考にしますよね。商品を実際に手に取って確かめることができないECでは、ビジュアル面での訴求が重要です。特に写真は売上を左右したり、ブランドイメージに大きく関わったりする重要なファクターなので、可能な限りこだわった方がよいと思います。モールに出店しているショップでも自社ECでも、写真で損をしているサイトがあることは事実です。

──撮影機材の性能がよくなり、スマホでも“そこそこ”の写真が撮れるようになりましたよね。

確かに「キレイ」な写真は撮れるようになりましたが、「売れる」写真はプロに依頼するべきです。例えば化粧品と家具では、撮影方法やライティングの仕方が異なります。アパレルでも「売れる」商品の見せ方や撮り方が存在します。食品もシズル感をどう表現するかで、売れ行きが大きく変わったりします。スタートアップや小規模事業者の中には自分たちの手で商品撮影を行う会社もありますが、結局思うように売上が伸びず、当社に商品の撮り直しを依頼されるお客様も少なくありません。

──「売れる」写真とは、具体的にどのような写真なのでしょうか。

言い換えれば、ECショップの売上げを伸ばすための写真のことで、具体的には「商品の魅力が伝わる写真」です。食品であれば、味や香りが想像できるか。家具であれば、自宅で使っているシーンが想起できるか。ファッションであれば、購入した服を着た自分がリアルに想像できるか。

こういった写真を、限られた時間の中で撮りきれるのが、プロのノウハウでありテクニックです。もちろんカメラマンにもそれぞれ得意分野があるので、依頼する場合はECの撮影実績が豊富なスタジオにお願いするのがよいでしょう。

ライフスタイルスタジオ内には背景セット（壁＆床）を建て込むことも可能

モデル撮影も商品撮影もワンストップで

──御社の撮影スタジオの特徴について教えてください。

スタジオ「8×10」は、雰囲気がまったく異なる2つの空間を有する撮影スタジオです。今回ご紹介するのは、リビング・ダイニング・キッチンを備えたスタジオ「ライフスタイルスタジオ」です。実際に調理ができるIHコンロや水の出る洗面台はもちろん、テーブルやソファー、ベッド、トルソーなど撮影にアクセントを加える家具・小物類が充実しています。スタジオ内には背景セット（壁＆床）を建て込むことも可能で、スチール・ムービー問わずさまざまな撮影にご利用いただける点が特徴です。

ECの場合は商品撮影（物撮り）が中心になると思いますが、モデルやヘア＆メイク、スタイリスト、フードコーディネーターなどが必要な場合は全て当社で手配させていただきます。撮影はECの経験が豊富なカメラマンが行います。事業者様の目的や予算に合わせ、担当マネージャーが最適なプランを提案させていただきますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

また、もうひとつのスタジオは、2023年3月にリニューアルして生まれ変わります。「アンティークスタイルスタジオ」とはまったく表情の異なるスタジオになりますので、こちらもご期待ください。

──さまざまなシーンの撮影ができそうですが、費用に関してはいかがでしょうか。

費用に関しては、EC事業者様限定のお得なパック料金をご用意しています。「ECモデル撮影パック」は、撮影料・モデル料・スタジオ使用料が含まれた時間貸切プランで、3時間52800円、5時間76450円です。時間内であれば何枚お撮りいただいても構いません。

「EC商品撮影パック」は、撮影料・スタジオ使用料込みの物撮り専用プランで、価格は3時間41250円、5時間64680円です。こちらも時間内であれば撮り放題ですが、商品数が少ない場合は、単品商品撮影プランもご用意しています。

モデル撮影も物撮りもしたい場合は、「ECミックス撮影パック」をご利用ください。こちらは3時間57750円、5時間86680円となります（価格は全て税込）。

テーブルやソファーなど撮影にアクセントを加える家具・小物類が充実しているライフスタイルスタジオ

ビジュアル戦略を強化して価値向上を

──どのようなEC事業者に利用してもらいたいですか。

アパレルをはじめ生活雑貨、化粧品、ペット用品、家電、食品など、どのジャンルでも対応可能なので、LDKの雰囲気を活かした商品撮影・モデル撮影を行いたい事業者様には最適だと思います。一般的なハウススタジオを借りて、カメラマンやモデル、スタイリストを手配するとなると高額な費用がかかりますが、当社の各種撮影パックを使用すれば、かなりコストを抑えることができます。「ハウススタジオを借りるほどではないが、売上アップにつながるクオリティの高い写真を撮りたい」とお考えの事業者様にはおすすめです。

──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

自社商品の価値を最大限に引き出すため写真にこだわり、もっとサイトのビジュアル戦略を強化しましょう。例えば5着の洋服があり、そのうち1着をモデルが着ていたとすると、ECで圧倒的に売れるのはモデル着用品です。この事実を利用して、在庫過多の商品の写真をモデル着用の商品画像に差し替えれば、それだけで販売のテコ入れになりますよね。売れ筋をコントロールできると言ってもいいかもしれません。

ECの最大のデメリットは、商品を実際に手に取って確認することができない点です。だからこそ売上やブランドイメージに直結する写真にこだわることが大切なのです。ぜひ今一度、自社のECサイトに掲載された商品写真が、「売れる」写真かどうか確認してみてください。