Amazonで売上を伸ばすならROASは追わない。GROOVEが示す“売上の壁”の突破法

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社GROOVE 代表取締役 田中謙伍氏

EC市場におけるプレイヤーが増える中、成功している事業者とそうでない事業者の差が鮮明になっている。EC業界に特化したモノづくりD2Cコンサルティングを手がける株式会社GROOVE 代表取締役 田中謙伍氏に、特に得意分野とするAmazonで結果を出し続けるための“売上の壁”の突破法を伝授してもらった。

GROOVEほど市場・競合分析をやりきっているチームはいないと断言できる

──ここからはもっと具体的にお聞きできるとうれしいです。早速ですが、Amazonで「月商1000万円」を超える為には、何から優先的に取り組めば良いでしょうか?

繰り返しになりますが、“戦わずして勝つ市場を見つけること”そして“無駄な仕事を限りなく排除すること”だと考えています。多くの会社は、自社商品をなんとなく他チャネルの売上順などで商品登録してしまいますが、私たちのチームでは、まずは徹底的に市場・競合調査をし、現状把握に努めます。どの商品に伸び代があるのか、競合はどれくらい強いのか、どのくらいの売上見込みがあるのかを算出することで、クライアント様の考えておられる事業計画がどれくらい実現可能なのかを吟味します。

「上司からオフラインで10億売れているから、Amazonでは2億売りたいと言われてまして」と悩むEC担当者様から相談を受けて調べてみたら、市場全体の規模が1億しかなかった、などということも多くあります。私たちから見ると、さすがに無茶な計画なんですよね。見切り発車はよくないです、誰も幸せにできません。

そういった場合は計画の修正案や新商品開発するなどの代替案を提示させていただくことでプロジェクト始動後も期待値調整や信頼関係構築に心がけています。また現状把握を徹底すると、自動的に"やらない商品を決める"ことができるので、無駄な仕事に時間や広告費をかけることなく、本当にやるべきことだけに集中して売上を伸ばしていく環境を作ることが大事だと考えています。

売れるキーワード選定正確な市場規模・売上データの計測

──計画って大事ですよね、EC担当者にとってGROOVEさんは強いミカタだと感じます。その計画を作る上での、キーワードの選定と市場規模を見定める工程を改めて教えてもらえますでしょうか?

はい、まず私たちGROOVEでは、Amazonの検索頻度ランクを下図のように分類しています。

例えば、2023年8月のAmazonのデータによると、「シャンプー(145位)」「プロテイン(15位)」といったことがわかります。この市場だと、ビッグキーワードすぎて、よほど知名度があるかマーケティング予算が潤沢にある会社でない限り、太刀打ちできません。

しかし、シャンプーの種類を分解していくと「クリームシャンプー(11,913位)」というここ2年で生まれた市場も見つかります。また、プロテインの市場も同様に、「プロテイン WPI(12,519位)」という、大きな市場の中でも細かい市場が見つかっていきます。ミドルキーワードから商品企画を考える、広告のキーワードを考える、といった具合に進めていくとCPC(クリック単価)は抑えられるようになり、最初から黒字、もしくは投資フェーズを早めることが可能になります。

また、キーワードの選定を行った後に、そのキーワードにおける売れている商品ごとの売上データを予測していきます。過去10年ほどのデータの蓄積があるので、どのカテゴリに置いてもある程度精度の高い売上の予測ができるので、自社他社に限らず商品ごとの売上を計測し、そこからブランドごとの売上、市場全体の売上規模を精度高く予測していきます。その結果、自社のシェア率や立ち位置が明確になり、目指すべき売上規模や、売上を伸ばすべき商品に優先順位をつけることができます。

だからこそ、「正しくキーワードを選定し、参入または集中する市場を見極める」ことが重要です。

広告の前にクリエイティブ。クリエイティブが悪いのに広告に力を入れても意味がない

──キーワードと市場と商品を正しく設定できたら、次は何をすれば良いですか?

いい質問ですね。次が意外とかなり大事です。多くの会社がここで、アクセスを集めるために広告に力を入れてしまうのですが、まだ我慢してください。次に重要な施策は、プロダクトデザイン、画像などのクリエイティブを徹底的に作り込むことです。世間でよく言う「バケツの穴をふさぐ」ということですね。去年1年間でGROOVEでは1000社ほどの無料面談をさせていただきましたが、98%のメーカー様がプロダクトデザイン、パッケージデザイン、メイン画像、サブ画像の作り込みができていませんでした。これらクリエイティブ全般の作り込みができていないと、CTR、CVRの数値が低い状態なので、広告をどれだけ頑張っても売上が上がりきらないのです。広告よりも、クリエイティブを先に変えてください。

お客様レビューは最低1000件。読み込みインサイトをつかむ

──確かに広告に行きがちな気がしますが先にクリエイティブだ、と。何から手を付けるといいでしょうか?

とにかくAmazonのお客様のレビューをひたすら読み込みましょう。100件じゃ少ないです、1000件は軽く読む気でいてください。ポイントは、自社の商品だけでなく、他社の商品も含めて、すべてのレビューを読み、できれば統計を取れると良いですね。最近はAIの発達のおかげで、ここの集計をするのがかなり楽になってきましたが、創業当初はほとんど手作業で集計し、読み込んでいました。でもそうすることで、お客様が本当は何に悩んでいるのか、その商品を買うことでどんな課題を解決したいのか、誰と共有したいのか、誰を喜ばせたいのか、が見えてくるんですよね。それがわかったら、あとは優先順位をつけて画像に盛り込んでいきます。その結果、CVRが向上するのですが、大事なのはやはり、お客様のことをお客様以上に深く理解することだと思います。

──なるほど、そこで得た、いわゆるインサイトを画像やデザインに落としこんでいくですね。それは確かに効果が出そうですね。

おっしゃる通りなんですよね。正直ほとんどのメーカー様がメイン画像を変えるだけでも効果が出ると思います。具体的な数値で言うと、CTRが0.1〜0.4%未満で推移している場合は、確実にメイン画像が悪いので、フォトショップなどで加工を入れてみてほしいです。レタッチをかけてシワを伸ばしたり、商品自体の形状を整えてみたり、陰影のバランスを調整すると立体感も生まれるので、こういった加工を行うことがやはり重要です。物撮りそのままで画像を挙げている場合はもってのほかだと思ってほしいです。本当にこれをやるだけでも成果が変わると思います。

──面白いですね。画像以外のプロダクトデザイン等はどういう取り組みをされていますか。

モノづくりにもWebマーケティングならではの手法で取り組んでいます。例えば商品パッケージに関しては、自社で商品を企画する場合も、クライアント様と商品を企画する場合でもまずはテストを行います。よく大手のメーカーでも、商品の棚に並べられた状態を社内で作り、実際にどう見えるのかをテストしていると思いますが、それをネット上で再現したかったんですよね。私たちは調査から生まれた仮説をもとに10パターン前後のパッケージデザインを作り、実際に広告をかけて、どのパッケージデザインがCTRが高いのかを計測します。その中でも高いCTRが出たデザインを採用した上で、商品を企画し販売するので、成功確率を上げられているのだと思います。また、仮に失敗したとしても、どの仮説が間違っていたのかを検証し、次はこう変えようといった動きにつなげています。

目的はあくまでベストセラー。ROASを追い過ぎると伸びきらない

──プロダクトデザインや画像クリエイティブが改善されたら、いよいよ広告だと思います。どういうことに気をつけていますか。

広告を運用する時は、特にROASを追い過ぎないことですね。Amazonの場合、アルゴリズムの性質上、販売個数がSEOやシェア率に影響します。あくまで、Amazon上での広告の目的は、SEOの維持・上位表示、シェア率の増加・維持、そしてベストセラーを獲得することです。これが自社ECとは決定的に違うところです。ROASを重視し過ぎると、競合他社がROAS度外視で投資してきた時に、販売個数が下がり、ベストセラーでなくなり、SEOも下がり、結果的にシェア率も下がり、中長期的に売上も下げることにつながります。他社や環境を見ながら、投資すべき時には投資する必要があるので、時にはROASをあえて下げるということも重要です。

──広告の目的や追うべき数値がAmazonと自社ECでは違うということですね。その結果、ベストセラーを獲得することで具体的には何が変わるのでしょう。

結論から言えば、ベストセラーを獲るだけで売上が1.5〜2.5倍になります。なぜかと言えば、ベストセラーバッジでCTRが向上、ベストセラーの権威性、信頼性でCVR向上、そしてAmazonの様々なおすすめに載るからです。「おすすめに載る」とは、例えば、アフィリエイターサイトの売れ筋商品リスト、Amazonからのマーケティングメール、商品ページ内のこの商品も買われています、などです。GROOVEでは、事業計画におけるEC戦略を考えていくので、今現在のROASにこだわらず、1年後、2年後、3年後にどういったブランドでありたいのかという、ブランド戦略のところから逆算して、Amazonの戦術を考えていきます。そのために、EC担当者と伴走し、決裁者のGOサインを得やすいような資料作成や投資根拠を何度も何度も議論していますね。

GROOVEはベストセラーをなぜ量産できるのか?

──貴社の場合、さまざまなカテゴリーでベストセラーを量産しています。純粋になぜでしょうか。

そうですね。これまで話してきた①市場調査 ②自社のシェア率・立ち位置の把握 ③商品の価格設定 ④商品の機能設定 ⑤商品デザイン・クリエイティブ改善 ⑥ROASではなくSEOやシェア率を意識した広告運用、の6つの施策・考え方はもちろん重要だと思います。ただ、一番は正直”泥臭さ”だと思っています。ベストセラーを獲るために、これまでお話しした内容を、クライアント様と一緒にやりきり、仮に一度目の施策がダメだったとしても企画や根本からやり直しをしていけば、必ず達成できると信じています。既存商品の企画上、どうしても市場と合わずに難しい場合もありますが、それでも新しく商品の企画ができる場合は、共に考え、共に悩み、一緒に走ることを意識しています。ありがたいことに、3年、4年、5年と泥臭く一緒に走らせていただいているクライアント様ほど、結果として月商3000万、5000万、1億といった数字につながっているなと思います。本当にうれしい限りです。

綿密なデータ分析に加えてアナログな体験から生まれるクライアントとの“一体感”

──緻密なデータ分析があればこそAmazonでの成功を目指せるんですね。

私たちは、データを駆使した綿密な市場調査や競合調査をする一方で、「本当に重要な情報はデジタルには落ちていない」とも考えています。パソコンの画面だけ見ていても気付けないこともあるので、時には思い切って外に出ることも大事にしています。

例えば、実際に工場へ足を運んだり、店舗で商品を見ながらスタッフに話を聞いたりと、アナログなユーザー体験から消費者インサイトをつかむことを実践しています。Amazonで販売されているプロテインで、弊社のメンバーが飲んだことがない商品はほぼないくらい!店舗のあるクライアント様には、店長に3時間聞き込みさせていただいたり、実際に購入し、日常的に実際に使用することは会社全体として大切にしています。これは「いいマーケターになるためにはいい消費者体験が不可欠」だと考えているからでもあります。創業当初から続いている、会社の良い文化だと感じています。

実際に体験することを通して、社名のGROOVEが表しているように、クライアント様との「一体感」を持って、事業成長に取り組むことを私たちは大切にしています。特に、変化が激しいEC業界において、現状維持は衰退でもあるので、売上だけでなく一緒に「アップデート」することを意識し、貢献していきたいですね。



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