「楽天ラクマ」の成長戦略。事業者出店、安心安全の強化、「楽天市場」との連携促進により、ユーザーにベネフィットを

ECのミカタ編集部 [PR]

楽天グループ株式会社(以下、楽天)が運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」が2022年4月にリブランディングをはじめ、同年10月から「楽天市場」との連携を強化する「サーキュレーション・ストラテジー」を開始するなど、さらなる成長に向けた施策を打ち出してきた。一連の施策によりどのように変わったのか、その狙いは何か、楽天グループ株式会社 コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャーの長谷川健一朗氏に聞いた。

■目次
1.「楽天ラクマ」のリブランディング
2.鑑定、越境など新規サービスを展開
3.「楽天市場」との連携促進

1.「楽天ラクマ」のリブランディング

リユースに価値を感じるお客様が、よりアプローチしやすいチャネルにしたい

国内のリユース市場は10年以上にわたって拡大傾向にあり、2022年の市場規模は2兆8976億円。2030年には4兆円規模になると見込まれている(※1)。
※1:出典:リサイクル通信 第568号(2023/09/25発行)

市場拡大の理由としては、物価の上昇や可処分所得の減少など、経済的な理由も大きいが、「それ以外にもいくつかの理由が絡み合っていると思います」と楽天グループ株式会社 コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャーの長谷川健一朗氏は指摘する。

「要因の一例として、一次流通の供給側が二次流通にも積極的に関与し始めているという点が挙げられます。例えば、海外ではトップクラスのラグジュアリーブランドが、二次流通を、経済力がまだ低い若年層にブランドのファンになってもらうための入口としてとらえ、自ら二次流通業者との連携を取っている例も存在します。

また、リユース商品への抵抗が少ない消費者が増えていたり、人とかぶらないアイテムをリユースに求める消費者も増えているなど、人々の価値観の変化もあると思います」
(長谷川氏)

そこで楽天グループの「楽天ラクマ」だ。同アプリは2012年にスタートした日本初のフリマアプリ「フリル」と、2014年に楽天が作ったフリマアプリ「ラクマ」が、2018年にサービス統合することで誕生した。

「ラクマはリユースに価値を感じるお客様に支えられていますので、事業者様がそれらのお客様にアプローチして頂けることで、リユース市場の更なる拡大に貢献できるとともに、ご利用いただくお客様の利便性向上にも寄与できると考え、2022年に『楽天ラクマ』をリブランディングしました」(長谷川氏)

これにより「楽天ラクマ」はCtoCだけではなく、事業者の出品商品も含めて、リユース商品を幅広く比較できる、ECモールとフリマを兼ね備えたプラットフォームに進化していると言う。

事業者様の参入は、1点ものしかない事業者様にも購入されるお客様にもメリットが大きい

前述の通り、「楽天ラクマ」は2022年4月に行ったリブランディングにより、事業者が本格参入できるようになった。2022年4月時点で約130社が参入し、現在では日本全国の有数のリユース事業者が参入しているという。

長谷川氏は、在庫を縦積みできない1点ものを扱う事業者に、一般的なECモールではなく、ラクマに出店してもらうベネフィットが存在すると言う。

「1アイテムに対して在庫が1つしかないというような事業者様にとって、在庫縦積み商品が多く、人気商品が売れやすいECモールで戦うのは構造的に不利。そんな中、戦いやすいチャネルとして、『楽天ラクマ』をご活用いただけたらというのが『楽天ラクマ』が事業者様誘致を開始した理由のひとつです」(長谷川氏)

もちろん購入者のメリットも大きい。

「一般的に”価格”で強みのあるCtoCの商品と、”安心感”に強みのある事業者様の商品を、幅広い選択肢から、1つの場所で選べる環境を作りたいと思います」(長谷川氏)

2.鑑定、越境など新規サービスを展開

AIが24時間365日体制でチェック! 鑑定の分野ではKOMEHYOと提携

さらにCtoCの取引における“リユース品に対する不安”を払拭するため、「楽天ラクマ」ではAIを使った検知システムを開発。新たに出品された商品を24時間365日体制のパトロールでチェックをしている。偽造品を販売する業者の行動パターンの情報を蓄積し、AIが学習することで検知させ、削除して整理する狙いがある。

また2023年9月には、年間査定件数30万件(※2)の実績を持つ株式会社コメ兵(以下「KOMEHYO」)との提携を発表。KOMEHYOと連携した「ラクマ鑑定サービス」を2023年9月下旬から試験提供を開始している。本サービスにより「基準を満たさない」と判断した場合、その注文はキャンセル扱いとなり、代金は購入者に返金されるという。

※2:2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間の実績

誰でも簡単に越境ECに挑戦できる世界を作りたい

越境ECの拡大も、「楽天ラクマ」が注力している施策のひとつだ。現在、アメリカ、中国、香港、イギリス、オーストラリア、カナダなど、海外の複数の購入代行サービスと提携している。

「海外に販路を広げたいという願いがありつつも、通関業務の煩雑さや言葉の壁、返品作業をどうするかなど、ハードルの高さにためらっている事業者様が多くいらっしゃいます。そんな中、『楽天ラクマ』に出店いただければ、提携している数多くの購入代行業者様の存在により、そのような自らハードルを越えることなく、越境販売ができます。今後も越境事業者様との連携を強化することで、国やお客様のカバレッジをさらに拡大していきたいと考えています。」(長谷川氏)

「売ることを前提にして買う」新たな消費カルチャーが根付き始めている

「二次流通の中で、ラグジュアリーブランドが売れている理由のひとつに、リセールバリューが高く、使わなくなった際に高い価格で売れるということもあるのではないでしょうか。一般消費者の意識調査の中でも『売る前提で買う』という人が、若い年代ほど多くなっています。ひとつのアイテムを繰り返し再利用するシステムは、環境保護にもつながります。売る前提で買うカルチャー、消費行動はもう根付き始めていると思いますし、それがしやすい環境を作ることによって、さらに加速していくのではないかと期待しています」(長谷川氏)。

3.「楽天市場」との連携促進

「楽天市場」との連携も強化。新品とリユース商品を同時に表示し、買いまわり効果を高めた

リブランディングを経て、さらなる成長戦略として「楽天市場」との連携強化(サーキュレーション・ストラテジー)があるという。

EC事業者としては、「楽天ラクマ」と「楽天市場」のクロスユースによる、集客効果が気になるところだろう。

この点は2022年10月から「楽天市場」と「楽天ラクマ」で様々な連携が進められている。中でも「楽天市場」での商品検索時に、特定の検索ワードに該当する商品は、検索結果として「楽天ラクマ」での出品商品情報も表示されるようになったことが大きい。これにより、新品の情報を求めて検索した「楽天市場」利用者が、新品とリユース商品を比較検討できるようになった。

「商品を購入する際、価格とコンディションのトレードオフはありますし、そのバランスは人によって異なります。このため、お客様ごとに適切なバランスの商品を、より広い選択肢から選べるようにしたいと考えました」(長谷川氏)

当初は、新品より安い中古価格の商品が同時に表示されることにより、価格の高い「楽天市場」での売上が下がるのではないかと懸念されたが、結果はその逆。「楽天ラクマ」の新規利用顧客は、「楽天ラクマ」未利用の顧客と比較し、「楽天市場」での年間購入金額が8%高いことがわかったという。

「購買する人たちのニーズが『より広い選択肢から比較して買いたい』ということであれば、それを実現することによって、より多くのお客様に選んでいただける。それが結果的に出店事業者様のメリットになると考えています」(長谷川氏)

もちろん、「楽天ラクマ」での売上を「楽天キャッシュ」にチャージし、それを使って「楽天市場」で商品を購入できることも大きいだろう。

また、「楽天市場」で不定期に開催されている「お買い物マラソン」や「楽天スーパーSALE」など大型セールイベントにおいて、「楽天ラクマ」で1000円以上お買い物すると期間中の「楽天市場」と「楽天ラクマ」でのお買い物時の「楽天ポイント」の進呈倍率がアップするという施策も開始した。「楽天ポイント」に対するユーザーの関心は高く、今年9月の「楽天スーパーSALE」開催中には、「楽天ラクマ」の1日の新規登録数が通常時の2.5倍にもなったという。

こうした「楽天市場」と「楽天ラクマ」の連携強化(「サーキュレーション・ストラテジー)により、「楽天エコシステム(経済圏)」内での顧客の利便性が向上し、「買う」と「売る」が循環する。70にも及ぶサービスを「楽天ポイント」で楽天会員に結び付ける「楽天エコシステム」の強みを生かし、グループ・サービスとの相互送客およびクロスユース(併用利用)を促進している。

今後も「楽天ラクマ」は、事業者の出店「ラクマ公式ショップ」や、鑑定サービスなど、サービスを拡張・強化していく。さらに「楽天市場」との連携促進により、お客様にとって一層利便性の高い、お得なアプリへと進化していくに違いない。

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