Shopifyでモール型ECを実現 「一休.comお取り寄せ」の“最高の商品を最高の状態で届ける”仕組み

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社飛躍 代表取締役 明石健夫氏(左)、株式会社一休 新規事業本部 お取り寄せ事業部 事業責任者 尾﨑亮太氏(右)

加盟店と消費者をダイレクトにつなぐモール型(産直型)ECモール。こういったプラットフォーム形式のビジネスで数々の成功を収めてきた株式会社一休が、満を持して2023年5月にリリースしたのが「一休.comお取り寄せ」だ。サイトはShopifyで構築し、株式会社飛躍が支援した。両社はどのように協業し、ビジネスを展開してきたのか。「お取り寄せ」事業の責任者を務める一休の尾﨑亮太氏と、飛躍の代表取締役で本プロジェクトのPMを担当した明石健夫氏に、その立ち上げ方や運用方法、プラットフォームビジネスを成功させるためのポイントなどについて話を聞いた。

Shopifyでモール型のECを構築することに特化したアプリケーション

──「一休.comお取り寄せ」とは、どのようなサイトなのですか。

株式会社一休 お取り寄せ事業部 尾﨑亮太氏(以下、尾﨑) 「一休.comお取り寄せ」は、厳選した全国のプレミアムグルメのお取り寄せサイトです。数カ月先まで予約の取れないレストランや行列の絶えない人気店の味を、ご自宅で気軽にお楽しみいただけます。2022年5月にテストリリースし、約1年間の運用を経て、2023年5月に正式リリースしました。

株式会社飛躍 代表取締役 明石健夫氏(以下、明石) 一休様は高級ホテル・旅館予約やレストラン予約、スパ予約など、さまざまなプラットフォームビジネスで成功を収めてこられました。今回の「一休.comお取り寄せ」は、グルメを扱うお取り寄せサービスで、サイトの形式としてはオンラインで商品を販売したい飲食店と、自宅でも気軽においしいものを食べたいという消費者ニーズをマッチングしたいわゆるモール型のECサイトとなります。

「一休.comお取り寄せ」ページイメージ

──サイトの立ち上げにあたり、なぜ飛躍様をパートナーに選ばれたのでしょう。

尾﨑 当初からやりたいことは明確で、それを実現するためにはShopifyの機能拡張性やカスタマイズ性が必要でした。最上位プランである「Shopify Plus」でのサイト構築について豊富な知見とノウハウがあるのは必須で、そして最も重要なモール型のEC運用を可能にするためのアプリケーションを国内で唯一お持ちだったこと、また既に実績もあったことが、飛躍様にお声がけした最大の理由です。

もちろん当社にも優秀なエンジニアがたくさんいますが、新規事業に割けるリソースは限られています。クイックに高品質なサイトを立ち上げるためには、飛躍様と協力して開発していくのが最も合理的と考えました。

──モール型(産直型)ECを可能にする「マルチサプライヤーアプリ」にはどのような特長があるのですか。

明石 「マルチサプライヤーアプリ」は当社が自社開発した国内唯一のカスタムアプリで、Shopifyにインストールして利用でき、モール型EC運用に必要な約120の機能が標準搭載されています。例えば、加盟店ごとに個別アカウントと管理画面が割り当てられ、加盟店担当者はそこから商品の登録や在庫・注文管理、配送指示などができる仕組みです。それ以外にも補助的な機能として売上の管理や店舗紹介ページの編集機能などがあり、現在もクライアントから運用上必要と声の上がった機能は順次追加しています。

このサービスを活用していただくことで、ゼロから立ち上げるのに比べて圧倒的低価格・短納期での構築が可能ですし、同時にシステム要件やビジネス規模に合わせて柔軟にカスタマイズができる点も長期的な成功を支援するという意味で強みになるかなと思います。

マルチサプライヤーに関する領域イメージ(緑:Shopifyの環境、赤:飛躍側のサーバー領域。Sp=サプライヤーの略)

エンドユーザーだけでなく、運用側のUXにもこだわる

──サイト構築で特にこだわった点はありますか。

尾﨑 厳選されたプレミアムグルメだからこそ、最高の状態で商品をお届けしたいと思い、購入時に消費者が商品到着日を選択できることにはこだわりました。また、加盟店様が管理画面を見ながら消費期限などに合わせて細やかな在庫管理ができることも重要な要件でした。Shopifyは機能が豊富で大体のことは標準、またはちょっとしたカスタマイズで実現できたのですが、これらの機能をフロントとバックエンドでうまく機能させることに特にこだわって開発を進めていただきましたね。

明石 最高の商品を最高の状態で届けるということを実現するためには、商品の販売から発送までのオペレーションフローにあまり遊びがないので、システムに求められる要件もかなり厳密で複雑でした。商品に紐づく販売開始日、締切日、発送開始日、発送日、到着日、などShopifyで標準的に用意されていない設定項目を作って、注文や商品・在庫の管理をできるようにする仕組みの開発はそれなりに苦労しました。また、私自身にたまたま厨房経験があったので、実体験から想像して商品を作るための素材の発注漏れが起きないようにするための機能を提案するなど、とにかく加盟店様のUXには結構こだわったと思います。尾﨑さんとは本当に密なコミュニケーションをとり、ロジック漏れなどがないように慎重に作業を進めました。

尾﨑 予算や納期など厳しい条件がある中で、飛躍様には当社が希望する要件+αで開発していただきました。海外製の類似アプリも試しはしましたが、なかなかこういったことは実現できませんでしたので。

──管理画面のUIについては具体的にどのような工夫をされましたか。

明石 マルチサプライヤーの管理画面は基本的にShopifyに寄せたUIになっているのですが、「一休.comお取り寄せ」の加盟店の多くは「一休.comレストラン」に登録がある飲食店様でもあるため、なるべく直感的に使えるようにUIは「一休.comレストラン」に寄せました。

尾﨑 見た目だけでなく、管理画面の機能はなるべくシンプルにして、誰でも使いやすいよう工夫しました。アプリには豊富な機能が標準搭載されていました。それらには残しておいても良いものや、後々使うかもしれない機能などもあったんですが、取り急ぎ不要なものは混乱を避けるため思い切って削除してもらいました。

明石 尾﨑さんは機能の取捨選択に関する意思決定が明確でしたよね。単純に多機能を良しとするのではなく、無駄をそぎ落として本当に必要な機能だけに絞り込むことで、ユーザーの利便性を高める――。プラットフォームビジネスにおけるサプライヤーの重要性を熟知されているからこそ、こうした判断ができるのだと感じました。

飛躍はShopifyの日本参入の初期からパートナーシップを結び、現在はShopify Plus Partnerとなっている

事業成功のポイントは商品力とサプライヤーの質

──プラットフォームビジネスに関心がある読者も多いと思います。事業を成功させるためのポイントはどこにあるとお考えですか。

尾﨑 我々が考える成功のポイントは、サプライヤーの質や商品力が鍵であると考えています。国内にはAmazonや楽天市場など、多くのECモールが既にありますよね。プラットフォームビジネスで大手と差別化を図ろうとする場合、成功の鍵は「価格」か「商品力」のいずれかですが、前者は大手との競争で疲弊してしまう可能性が高いです。もちろん、商品の質がただ良いだけでは不十分で、ある程度の独自性というか、とがった部分が必要で、まだ世の中にはないというコンセプトも大事かなと。

明石 ニッチで高付加価値なビジネスはインターネットに向いている、というのがあると思いますが、それらを満たせるとしても実際のシステムは人が触りますので、その部分のUXが悪ければ継続性が損なわれてしまいます。なので、加盟店様のポテンシャルを発揮していただき、継続的に成功していただくためにも、合理的なシステム投資は必要なポイントになると考えています。

尾﨑 飛躍様のアプリを使えば、低予算でもクイックにマルチサプライヤー型のECが構築できます。今回当社と共同で開発した機能や仕組みも間接的に享受いただけると思いますし、飛躍様はShopifyに関する高度な知見もお持ちなので、興味があれば一度相談してみてもいいかもしれませんね。

──最後に、今後の目標や将来の展望などがあればお聞かせください。

尾﨑 まずはご登録いただくレストラン様の数やアイテム数を増やしていくのが当面の目標です。正式リリースして半年ですが、おかげさまでリピーターも増えてきました。とがった商品、個性的な商品を扱うサイトなので、商品の価値や魅力をしっかり伝えながら、熱狂的なファンをもっと増やしていきたいですね。

明石 当社はEC事業者様の挑戦を支援する存在であり続けたいと考えています。サービスを普通に売るだけでなく、今回の一休様のプロジェクトもまさにそうでしたが、世の中にないものやできなかったことを可能にして、フロンティアを切り開いていく――。そして顧客の成功が自社の成長につながる形で、新しいビジネスを共創していけたらうれしいですね。

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