W2はなぜ今、プロダクトをリブランディングしたのか? 4つのECプラットフォームで「コマースの未来」を革新する

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ECのミカタ編集部 [PR]

ECサイト構築を手掛けるW2株式会社は2025年8月末、自社プロダクトの大幅なリブランディングを行った。同社は2005年の設立以来、EC市場の拡大・多様化に合わせてさまざまなサービスやプランを提供してきたが、8月のリブランディングでは、軸となるプラットフォームを4つに再編し、そこにプラグイン機能や付帯サービスを整備。これにより、事業者は取扱商品やターゲットに応じて最適なプラットフォームを選びやすくなり、より効果的なEC運営が可能となった。今回はW2 執行役員 兼 セールス&マーケティング本部 本部長の鴨下文哉氏に、リブランディングの狙いと詳細、そしてW2が目指す「ECの新しい世界観」について聞いた。

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サービスの多様化がもたらした“わかりにくさ”

──まずはこれまでのプロダクトの概要や特徴について教えてください。

当社はECサイト構築のパイオニアとして、業種・業態に応じた多様なプラットフォームを展開しています。代表的なプロダクトには、オールインワン型の総合ECプラットフォーム「W2 Unified」、定期通販やサブスクリプションコマースに特化した「W2 Repeat」があり、さらに食品業界向けの「W2 Repeat Food」、医薬品販売の「W2 Repeat Medical」、パーソナライズ診断機能を搭載した「W2 Repeat Select」などをラインアップしていました。また、企業間取引に対応したBtoB向けのソリューションや、海外ECに特化したプラットフォームも提供しています。

これらは「SaaSモデル」と「カスタマイズ型PaaSモデル」の2形態で提供しています。SaaSモデルは初期導入が迅速で開発コストを抑えられ、継続的アップデートにより常に最新機能をご利用いただけます。一方、PaaSモデルは1000以上の標準機能を備えたパッケージを基盤に、不足分のみを機能開発で補完するため、最小限の開発で理想のサービスを実現できます。

──これらのプロダクトが8月に大きく再編されたわけですね。それにはどのような背景があったのでしょうか。

近年、プロダクトやプランの多様化がかえって選びづらさを生み出していたことが、リブランディングの大きな理由のひとつです。事業者様がどのプロダクトを選べばいいのか、シンプルでわかりやすい形に「見せ方」を変更しました。

プロダクト同士の機能の境界が不明瞭で、それぞれの「強み」が伝わりにくいという課題もありました。また、サービスが混在してマーケティング効果が分散してしまう点も問題でした。こうした課題を解決するためには、プロダクト編成を抜本的に見直す必要があったため、今回大幅なリブランディングを実施する運びとなりました。

目的別にカテゴリ再編、プラグイン/付帯サービスも強化

リブランディング後のプロダクト構成 (画像提供:W2株式会社)

──今回のリブランディングでは、何がどのように変更されたのでしょうか。

既存プロダクトを、総合ECプラットフォームの「W2 Unified」、サブスク/定期通販特化型ECプラットフォーム「W2 Repeat」、法人取引対応のECプラットフォーム「W2 BtoB」、海外進出ソリューションの「W2 Asia」の4つに再編しました。

従来、業界特化型であった食品販売向け「W2 Repeat Food」、医薬品販売向け「W2 Repeat Medical」、パーソナライズ販売向け「W2 Repeat Select」といったプロダクト群は、業種別訴求の必要性は維持しつつも、より汎用性の高い「W2 Unified」に統合しました。これにより、「W2 Unified」に商材・業界特有の販売に対応する機能が多数搭載されたため、ワンプラットフォームであらゆる商品の販売に対応できるようになりました。

一方、定期通販市場での高い評価を得ている「W2 Repeat」は、独立したプロダクトとして継続します。「W2 BtoB」「W2 Asia」はニーズの高まりを受けてプロダクトとして独立させました。

すべての領域をカバーする全網羅的な構成とすることで、顧客ニーズをより正確に捉えるのが狙いです。

画像提供:W2株式会社

──それぞれのプラットフォームを補完する仕組みとして、プラグインや付帯サービスの強化があるとうかがっています。

はい。今回のリブランディングに合わせ、各プロダクトを横断して利用できるプラグイン/付帯サービスを新たにリリースしました。例えばコマースのメディア化を実現する「Co-media」は、記事コンテンツ、スタッフ投稿、ショート動画、ライブ配信などをECサイトにシームレスに連携することでファンをつくるECサイトへ進化させるプラグイン/付帯サービスです。

また、オリジナルのAI機能開発に対応した「AI Buddy」、当社が開発済みのAI機能を利用するノンカスタマイズ拡張プラグイン「AI plugin」など、AI技術を活用した機能拡張も可能になりました。「AI Buddy」は顧客体験を向上させることを目指し、「AI plugin」は業務効率化やコスト削減などで生産性を高めることを目指しています。

これらはすべて上であげたプラットフォームに接続でき、事業者様は自社の課題や成長フェーズに応じて追加できるため、よりリッチなEC体験の実現が可能となります。

──プラグイン/付帯サービスは今後も拡充されていくのでしょうか。

もちろんです。今後は記事制作代行やデータソリューションなどの新しいプラグインを順次追加し、横展開を強化していく計画です。世の中のトレンドや顧客のニーズを見極め、リテールに関することであれば柔軟にサービスを増やしていこうと考えています。

画像提供:W2株式会社

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EC業界の停滞感を打破し、コマースの未来を切り拓く

──リブランディングには、御社の設立20周年という節目も関係しているのでしょうか。

20周年というタイミングはもちろん意識していますが、むしろその背景には国内EC業界全体に対する強い危機感がありました。

私は一時期EC業界を離れており、2024年にこの業界に戻ってみると、あまりに昔と変わっていないことに驚きました。世界ではAI活用やパーソナライゼーション、ユニファイドコマース/オムニチャネル化が加速し、「探して、買う」だけを追求するECの時代はすでに終わりつつあります。これからは、一人ひとりに最適な提案を行い、関係を育ててファン化することが競争力の中心になりますが、日本のEC業界は正直まだその域には達していません。

さらに重要なのは、消費者だけでなく、従業員や小売担当者の体験(EX)です。使いづらい管理画面や煩雑なワークフローは施策の速度と品質を落とし、最終的には顧客体験(CX)を損ねます。

今回のリブランディングでは4つサービスに横断プラグインを組み合わせ、CXと同じ熱量でEXを再設計しました。私たちは業界の停滞感をプロダクトで打破し、未来のコマースをリードしていきたいという強い思いが、今回のリブランディングにもつながりました。

──今後御社が目指す世界観について教えてください。

W2が目指すのは、「買う」だけのECではなく、「知る」から「買う」までをシームレスにつなぐ新しいECの形です。ECのテクノロジーをリアル店舗にも展開し、店員の業務効率化や顧客体験の向上にも寄与していきます。

ECをビジネスの中心に据える時代だからこそ、ECそのものの存在価値をもっと高める必要があります。コマースのパッケージベンダーで終わることなく、業界の未来を切り拓く存在になりたいと考えています。

W2株式会社 執行役員 兼 セールス&マーケティング本部 本部長 鴨下文哉氏

──「シームレスにつなぐ」新しい形のひとつの例として、海外で実店舗を展開する構想もあるとか。

まだまだ構想の段階ですが、越境ECに取り組む日本企業の支援拠点として海外に実店舗を構え、橋渡しの役割を果たしたいと考えています。リアルでもパーソナライズされた体験を提供する“実験の場”としてうまく活用できれば、ECと実店舗の垣根を越えた新しいリテールの形が見えてくるはずです。また、これとは別にW2が自社モールを立ち上げ、事業者様の販売を支援するのも面白いかもしれません。

いずれにしてもリブランディングを機に、こうした青写真を描けるようになったことは、当社にとって大きな前進だと思いますし、コマースを前に進める一歩になると信じています。

──リブランディングもこれが完成形ではなく、まだまだ進化の途中だということですね。

そうですね。今回のリブランディングは、あくまで通過点にすぎません。変化し続けるコマースの世界において、W2はその変化をリードする存在であり続けたいと考えています。

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