2万人来場のQoo10「MEGA COSME LAND 2025」 カンファレンスで語られた“Z世代をつかむ戦略”とは
「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社は2025年10月4日、5日の2日間にわたり、有明GYM-EXでビューティーに特化したイベント「MEGA COSME LAND 2025」を開催した。会場にはメガ割ランキングで人気の42ブランドとメガデビューの12ブランドが集結。抽選で招待された2万人に、各社工夫をこらしたブースでブランドをアピールした。また10月4日には同会場内で「2025 Qoo10 Beauty Conference」も開催。Z世代のユーザーをひきつける戦略や、最新のマーケティング施策など、Qoo10でビジネスを成長させるノウハウが語られた。
2万人のコスメファンが来場 熱量の高いビッグイベントに
2024年の30ブランドから、42ブランド(+メガデビューの12ブランド)に拡大して開催された「MEGA COSME LAND 2025」。ビューティーに特化したQoo10史上最大規模のオフラインイベントには抽選による2万人が無料招待され、その期待値の高さは開場前の長蛇の列からも感じられた。
フォトスポットを兼ねた大きなアーチ形のランドマークを中央に、会場には各ブランドの世界観で作り込まれたカラフルなブースがずらり。各ブースは参加型のゲームやコスメ診断、プレゼント、フォトスポットなど、訪れた人に楽しんでもらう工夫がこらされ、中には1時間待ちのブランドも。ステージではおすすめのコスメを紹介するトークショーなども行われ、集まった来場者は熱心に耳を傾けていた。
それぞれのブランドの世界観で作り込まれたブース
会場にはリレー形式で新しいブランドを毎週紹介する「メガデビュー」商品を集めた特別ブースも設置
会場のステージではトークショーなどが行われた
Qoo10が分析する“Z世代の3つのニーズ”
同会場内で10月4日に開催された「2025 Qoo10 Beauty Conference」は、ビューティーおよびインナービューティー業界の事業者に向けたビジネスカンファレンス。こちらも抽選による招待制で集まった参加者に向けて、Z世代のユーザーをひきつける戦略、Qoo10のマーケティング施策、セラーへのサポート体制の3テーマでセッションが行われた。
eBay Japan合同会社 グ・ジャヒョン代表取締役の挨拶に続いて登壇した、営業本部 本部長 川鍋優子氏によるセッションテーマは「Z世代攻略の最前線 ―Qoo10 と共に拓くブランドの未来」。川鍋氏はQoo10全体の成長をビューティーカテゴリーが牽引している現状を紹介しつつ、ビューティー市場におけるQoo10の“伸びしろ”を解説した。
「Qoo10は韓国コスメの成長とともにマーケットを新しく作り売上を伸ばしてきたわけですが、国内の化粧品EC市場の大部分は日本のコスメです。ですのでQoo10の今後の成長は皆さま(日本コスメのブランド)とともにあると思っています。
カスタマーに目を移すと、現在Qoo10の会員数は約2650万人で、実際購買している方の男女比は9割が女性。その中でもZ世代を中心とした若年層が5年間で2倍に拡大しています。ミレニアル世代と呼ばれる30代・40代の層も増えていますが、それはQoo10が日本に上陸した頃にZ世代だった方々が離脱することなく客層になってくださっているということです。
Qoo10ではZ世代のユーザーが急速に拡大・定着しており、さらに、より購買単価の高い30代・40代の方がQoo10を支える第2の顧客層です。つまり、Qoo10の成長を可能にするのも将来的な消費の担い手であるZ世代を取り込み続けてこそ、と言えます」
eBay Japan合同会社 営業本部 本部長 川鍋優子氏
川鍋氏は、Z世代のニーズを「品ぞろえの豊富さ(色々な商品を見たい)」「トレンドを重視し、新商品を試したい」「お得感(コスパよく買い物したい)」の3つに分け、それぞれのニーズに対応するための取り組みを紹介。ユーザーへのサンプリングを支援する「サンプルマーケット」、新規ブランドの認知を拡大する「メガデビュー」のほか、SNSやライブコマース、オフラインでのイベント、「メガ割」「メガポ」のセールといった“若年層の顧客をひきつける仕組み”とその狙いを語った。
「Qoo10が、これから(出店者の)皆さまと取り込みたいことが3つあります。1つ目は、皆さまと一緒にビューティーで圧倒的なナンバーワンになっていきたい。単に市場のシェアを取り合うのではなく、若年層の女性に好まれる提案、商品開発を一緒にやっていきたいと思っています。2つ目は、若年層の顧客ニーズを満たすこと。カスタマーのニーズやインサイトの深い理解をもとに、顧客に喜ばれる商品作りをサポートさせていただきたい。
そして3つ目はブランドとカスタマーをつなぐこと。私たちの存在意義は、皆さまのブランドと、Qoo10のカスタマー基盤をつなぐことに他なりません。ユーザーは欲しい商品をワクワクしながら探せる、皆さまにとっては新しいカスタマーと出会える。その架け橋になりたいと思っています」
グ・ジャヒョン代表取締役は、ビューティー企業のブランド育成を支援するプログラムと、インナービューティーへの注力を2つの柱として、事業者とともに市場をさらに広げていきたいと語った
フルファネルのマーケティングと、改善を続けるセラーサポート体制
続いて同社 戦略マーケティング室部長 モラーノ絢香氏が登壇し、フルファネルで展開するQoo10のバイヤー(購入者)に向けたマーケティングに関する取り組みを解説。2025年新強化軸として「Fandom Marketingの多様化」をあげ、オンラインや各種メディアでのプロモーションはもちろん、音楽フェスへの協賛をはじめとしてオフラインでのタッチポイントの創出を図っていることを紹介した。
モラーノ絢香氏のセミナーテーマは「Qoo10 のバイヤー向けマーケティングの新潮流について」
最後のセッションは同社 Seller Growth 部長 寺村宏氏による、Qoo10のセラーサポート体制について。Qoo10では、オンライン学習サービス「Qoo10大学」によるノウハウ提供のほかにも、広告提案、個別のコンサルティングなど、さまざまな形のサポートを行っており、今後もセラーからの要望を反映してシステムやサービスを改善していくという。
さらに寺村氏は、公式ブランド・正規流通販売店が安心してQoo10で売れる仕組みの強化(公式ショップの明確化など)、販売支援サービス・パートナーの拡張にも取り組んでいると語った。
「皆さまから『Qoo10で販売するためには、こういう機能やサービスが必要』といった生の声を聞かせていただいて、それを担当の部署と一緒に解決していきたいと思っています」(寺村氏)
寺村氏は「挑戦を支える仕組み ― Qoo10 セラーサポート体制の現在とこれから」をテーマに登壇
2万人のコスメファンを集めた「MEGA COSME LAND 2025」は、オフラインならではのメリットを活かし、ブランドとユーザーとのリアルなコミュニケーションの場となった。日本初開催となったビジネスカンファレンスとともに、Qoo10ユーザーの熱量の高さとビューティー市場のさらなる可能性を示す2日間だったと言えるだろう。