若年層の“インナービューティー”需要をつかむ! Qoo10が語る参入チャンスと成長戦略
美容・健康志向の高まりとともに、インナービューティー(内面美容)市場が若年層を中心に拡大している。従来の健康食品が“不足を補う”ものが主だったのに対し、インナービューティーは“理想に近づく”ことをサポートする商品として注目されている。
こうしたニーズと高い親和性を持つのがQoo10だ。メインユーザーである20〜30代女性は美容・健康意識が高く、まさにターゲット層と重なる。特集ページやライブショッピングなど出店ブランドを後押しする仕組みも整い、すでに「過去最高の売上」を記録した事例もある。
「今はブルーオーシャンだからこそ参入の好機」だと語るのは、eBay Japan合同会社でQoo10のインナービューティーのリーダー 岡﨑萌依氏。市場の現状と出店メリットについて聞いた。
“不足を補う”から“理想に近づく”へ。若年層に響く「インナービューティー」
──まず、Qoo10が考える「インナービューティー」の定義を教えてください。
基本的には健康食品のカテゴリーです。ただ、従来の健康食品が“不足を補う”ニュアンスが強いのに対して、インナービューティーは“理想に近づく”ことをサポートするところに特徴があります。
「肌をきれいにしたい」「理想の体型を目指したい」といったニーズに応えるサプリメントやプロテインなどがインナービューティー商材にあたります。食事にプラスして摂ることで、美容や健康を底上げするイメージですね。
──インナービューティーは、従来の健康食品とはターゲットが違うのでしょうか。
はい。従来の健康食品は高齢者向けが中心で、“身体の不調にアプローチする”イメージが強かったと思います。一方、インナービューティーは“理想の肌や体型に近づきたい”という若年層のニーズに応えるものです。
Qoo10のメインユーザーである20〜30代前半の女性は美容や健康意識が高く、まさにこのカテゴリーと親和性が高いんです。レビューやSNSを見ても「外見の美しさに加えて、内面からもきれいになりたい」という声が多く、Qoo10はそのニーズとぴったり重なっています。
──若年層のあいだでインナービューティーへの関心が高まっている背景は何でしょうか。
大きな要因のひとつはアイドルや女優、モデル、インフルエンサーの存在です。彼女たちが日常的にサプリメントを取り入れて“内側からきれいになる”ことを発信しており、それを見た若い世代が「自分も同じように理想を目指したい」と考えるようになっています。
さらにコロナ禍も追い風となりました。在宅時間が増え、宅トレやセルフケアが広がるなかで「外見を整えるだけでなく、内側からもきれいになりたい」と考える人が増えました。プロテインをきっかけにサプリメントへと関心を広げる方もいらっしゃいますね。
eBay Japan合同会社 Head of JP Health food 岡﨑萌依氏
国内外で注目が高まるインナービューティー。日本でも参入が加速
──Qoo10では最近、インナービューティーの販促支援を本格化させたそうですね。日本におけるインナービューティー市場の現状は?
「インナービューティー」という言葉自体は日本ではまだ定着しきっていません。ただ、健康食品市場は直近5年で数千億円規模を維持している安定市場です。今後私たちがブランド様と一緒に取り組んでいくことで、インナービューティー市場をさらに盛り上げていけると考えています。
──インナービューティー分野は海外が先行している印象があります。
欧米はサプリメント先進国で市場規模も大きく、韓国でもアイドルが紹介したことをきっかけに市場が広がりました。近年は韓国大手化粧品メーカーもインナービューティーに力を入れるようになっており、Qoo10でも新商品が続々とリリースされています。
──日本企業の動きはどうでしょう。
老舗の健康食品メーカーが若年層向けサプリを新発売したり、マーケティング会社がOEMでインナービューティー商品を展開したりと新しい動きが出ています。Qoo10内でもインナービューティー分野の商品数が増え続けており、来年はさらに商品数を20%増やす計画です。
“自分を好きになる”を満たす商品がヒット。Qoo10ユーザー層との高い親和性
──インナービューティーの人気商品にはどのような傾向がありますか?
人気が高いのは美肌系・ダイエット系のサプリメントです。美肌サプリは「ビタミンC」「グルタチオン」「レチノール」といった成分から検索されるケースが多いのが特徴です。ユーザーが“成分ベース”で商品を探しているのはスキンケアと同じ傾向ですね。
一方で、インナービューティーは即効性があるものではありません。そのため「おいしい」「飲みやすい」「パッケージがおしゃれ」など、続けやすい工夫がされていることが重要です。昔のプロテインのように“我慢して飲むもの”ではなく、楽しみながら継続できる商品が好まれています。
インナービューティーのユーザー心理として注目すべきが、「頑張っている自分が好き」という感覚です。飲んでいる自分を肯定できたり、頑張っている自分を愛せたりする――そんなモチベーションアップの役割が、今の時代においては非常に重要になっています。「飲んでいる自分」をSNSで発信する人が多いのも、インナービューティーの特徴ですね。
──インナービューティー関連商材を扱う事業者がQoo10に出店するメリットは?
最大の強みは、Qoo10のユーザー層とインナービューティー関心層が一致していることです。Qoo10のメインユーザーは美容や健康意識の高い20〜30代女性で、まさにターゲットと重なります。ブランドと自然に出会える環境が整っているんです。
──ターゲット層に直接リーチできるわけですね。
そうです。さらにQoo10独自の施策もあります。ライブショッピングでは「粉が残らず溶けやすい」「フルーツ味でおいしい」といった具体的な使用感を出演者がリアルに伝えられます。視聴者がコメントで質問し、その場で回答できる双方向性も強みです。
また、インフルエンサーとの連動施策「MEGA KIT(メガキット)」、新たなブランドを支援する「Mega Debut(メガデビュー)」などもご用意しています。インナービューティー専用の広告枠もあり、ターゲット層へのアプローチを強力に後押しできます。
すでに「過去最高の売上」も! 常設特集ページが販売を後押し
──2025年8月にオープンした、インナービューティー特集ページについて教えてください。
狙いは、美容や健康への関心が高いお客様に“こうした商品がQoo10でも購入できる”と知っていただくことです。この特集ページが、新しい商品やブランドとの出会いのきっかけになればと考えています。毎週木曜日に更新しており、1週間でおよそ50商品を入れ替えながら、新ブランドや新商品をご紹介しています。
──特集ページへの反響はいかがですか?
数値は非公開ですが、健康食品カテゴリーとしては前年比で大幅成長しています。ランキング上位に入る商品も増え、ブランド様からは「過去最高の売上になった」という声もいただいています。社内の期待を上回るスタートですね。
Qoo10の「インナービューティー」特集ページは常設で、毎週木曜日と金曜日には48時間限定タイムセールが開催される
売れるポイントは価格設計と見せ方。従来の健康食品も“化ける”
──Qoo10でインナービューティー商品を販売するうえで重要となるポイントをお聞かせください。
Qoo10最大のイベントである「メガ割」でまとめ買いされるお客様が多いため、価格帯の設計や商品構成が重要です。また商品ページのLPやサムネイルは若年層を意識したビジュアルに仕上げる必要があります。SNSとの相性が良いので、SNSからQoo10へ導線を引く工夫も欠かせません。
Qoo10のターゲットに合わせた訴求をすることで、従来型の健康食品をインナービューティー商品に“化けさせる”ことも可能です。Qoo10向けに、他チャンネルとは違うLPを制作し、若年層の開拓に成功しているケースもあります。
──市場の拡大に伴い、商品数が増えてくると差別化が難しくならないでしょうか。
Qoo10限定の商品を用意するのが有効です。限定フレーバーや特別な構成を投入すると差別化につながり、ブランドの存在感を高められます。特に大型セールのタイミングに合わせて限定商品を展開すると注目度が一気に高まり、売上アップにも直結します。
「インナービューティー」特集ページは、健康飲料、美容サプリ、ダイエット食品、栄養補助、デンタルケア、衛生グッズの6つのジャンルに分けて商品を取りそろえる
ブルーオーシャンの今こそ参入の好機
──改めて、Qoo10というプラットフォームはどのような事業者に向いていると言えるのでしょうか。
若年層へのアプローチが課題の企業様には特におすすめです。自社サイトや既存チャネルでは届かない層にアプローチできますし、私たちも営業サポートや「見せ方」の提案を通じて後押しできます。
──インナービューティー分野における、今後の展望を教えてください。
「Qoo10といえばビューティー」というイメージは強いですが、これからは「インナービューティーといえばQoo10」と言っていただける存在を目指していきます。
今後は特に、大手の健康食品メーカー様や食品メーカー様、製薬会社様にもぜひご参画いただきたいです。公式ブランドには“公式マーク”を付与できるので、安心感の提供にもつながり、実際にレビューでも「公式だから安心して買えた」という声を多くいただいています。
今はまだブルーオーシャンだからこそ、参入のチャンスは大きいです。多くのブランド様とともに、インナービューティーの可能性を広げていきたいですね。