GfK Japan調べ:コンパクトカメラの販売動向

ジーエフケーマーケティングサービスジャパン株式会社は、家電量販店・カメラ専門店・インターネットにおけるコンパクトカメラの販売動向を発表した。

【概要】
・コンパクトカメラの総販売台数が減少する中、大型センサーや高倍率光学ズームを搭載したモデルが伸長。
・Wi-Fi内蔵モデルが数量ベースで市場の3割強へ拡大。

【撮影機能は、スマートフォンとの差別化が目立つ】
スマートフォンのカメラ使用が増える中、コンパクトカメラの販売台数は2011年以降、減少が続く。このような状況下、スマートフォンのカメラと差別化を図ったモデルの販売が伸長している。一眼レフのような画質の写真を撮影できる大型センサー(センサーサイズ1/1.7型以上)を搭載したモデルの販売台数は、2011年1-3月期と比べ2013年7-9月期は2.2倍に増加した。

コンパクトカメラ販売に占める同モデルの数量構成比は2年間で5%ポイント拡大し2013年7-9月期では8%となった。特にカメラ専門店における同モデルの構成比は高く、16%に達した。また、光学20倍ズームなど、高倍率ズームを搭載したモデルの販売も拡大した。コンパクトカメラ販売における平均光学ズーム倍率は2011年1-3月期では6.9倍であったが、2013年7-9月期は10.6倍となった。

このような高単価モデルの販売増を受け、下落が続いていたコンパクトカメラの平均価格は2013年に入り上昇に転じ、2013年7-9月期は前年同期を1割上回った。デジタルカメラの普及率が8割近くに達し、今後販売数量の大幅な回復は見込みづらい中でこうした動きは金額規模の回復に向けた追い風となるだろう。

【画像コンテンツの共有は、スマートフォンとの連携加速】
撮影面ではスマートフォンのカメラとの差別化が進む一方、画像コンテンツの共有という観点ではスマートフォンとの連携を図る動きが加速した。Wi-Fiを内蔵するモデルの数量構成比は、2012年までは10%台と伸び悩んでいたが、2013年7-9月期には32%に上昇した(図2)。2013年に入り、各社が主要モデルへWi-Fi搭載を進め、モデル数が倍増したことがこの伸長の一因であるが、今後、その利便性が消費者に広く認知されることで、鈍化する買い替えを喚起する重要な機能となると見込まれる。

10月末には、カメラ自体は液晶モニターを持たず、Wi-FiやNFC通信によりスマートフォンの液晶をモニター代わりとするレンズスタイルカメラが発売された。今後も様々な形でスマートフォンとデジタルカメラの連携が進むとみられる。

≪GfKJapanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集している。