【書評】自社ECサイト運営者向け「超・専門店で繫盛店を目指せ!」

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ECのミカタ編集部

 ネット通販を運営している中で、売上が伸びないと悩まれる方は多いのではないでしょうか。「集客をどのようにしよう?」「どのように広告を運用しよう」「リピート顧客にするにはどうすればいい」など様々な切り口での悩みがあり、売上が問題なのは分かっているけど何から手をつけていいのかわからない!という方も。「売らずに買われるネット通販では約5万社のネット通販企業を支援した実績があるEストアーのノウハウが詰まっています。

売上を上げるために必要なこと

 ネット通販で、売上をあげることが重要なことなのは言うまでもありません。そのために、各店舗で様々な施策を実施していますが、思うように伸びずに悩まれているネット通販がいるのもまた事実です。売上を上げるためにはどのようなことに注目すればいいのでしょうか。

 石村氏は本書籍の中で、
 「ネット通販を作業面からとらえると、お店を作り、集客し、売上を高め、リピートを促すことです。具体的には、ページ制作と広告宣伝、リピート施策などです。しかしやみくもにこれらを実施しても儲かるわけではありません。まずはネット通販独自の商売の構造とポイントを理解することが大切です。そのほうが早く上手に商売を回すことができるのです。」と指摘しています。

 売上を上げるためには、ネット通販の独自の構造を把握する必要があります。本書籍のchapter1では、その点についてEC業界を取り巻く環境を踏まえながら、解説しています。

ネット通販の専門店化

 ネット通販独自の構造を把握した上で、どのようにしてネット通販を運営すればいいのでしょうか?

 石村氏は「ネット通販では、専門化は勝つための基本戦略になります。」(p3)と指摘しています。専門店とはどういう意味でしょうか?一般的に、Amazonや楽天などのモールでは、消費者の多くが求めていることは、「近さ・早さ・安さ」です。購入したい商品を他よりも安く、そして早く手元に届くことを望んでいます。

 モールと違い、「専門店」は個々の消費者が持っているこだわりや価値観を満足させることにお金を使ってもらいます。この、個々のこだわりや価値観をどのようにして満たしていくのかがネット通販では重要な点であり「専門店」になることで売上を伸ばしていけるようになります。本書籍では、さらに、買われるようになるためには、「超・専門店化」をする必要があるとしています。

 「超・専門店」とは何でしょうか。それは、自社ECサイトの専門性をより高めた専門店です。そのためには、ネット通販本店基礎を抑えることが重要です。詳しくは本書籍chapter05に記載されていますが、大きなポイントは4点あります。

1、専門性をより高める
2、唯一化してブルーオーシャンを作る
3、消費周辺の情報コンテンツを整備する
4、ファン化という要素を加えてリピートやクチコミを作る。

 これらを公式にすると【(専門×唯一×情報)×ファン化】となります。
この4つのポイントを、それぞれ高めることによって、超・専門店になり安定して売上を維持できるようになります。

 本書籍の構成は以下の通りです。
chapter1 :近年のネット通販を取り巻く環境の変化について、特にデジタル環境の変化について
chapter2 :良品・良店とは?
chapter3 :自社ECサイトにどのようにして集客をしたらいいのか
chapter4,5:店舗に魂を込め、「超・専門店」をつくるには?
chapter6,7:マーケティング・コストをどのように扱うのか
巻末付録 :事業の成果がわかる月商ステージ別損益計算書


 本書は、1テーマに対し、見開き1ページの構成です。さらに片面がテキスト、もう半分が図版と分かれているため見やすく頭に入りやすいのが特徴です。ネット通販での悩みに応じて、該当ページを参照する辞書のように活用できます。

 なにより参考にしたいのは、巻末付録「月商ステージ別損益計算書」です。自社のステージに応じて、例えば、「広告をどのくらい投下したらいいのか」「次のステージにいくためにはどうすればいいのか」などが記載されており、自社ECサイト運営の指標となります。


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