【前編】日本には多くの資源が眠っている!海外ネット販売の第一歩、「越境EC」スタート・アップセミナーレポート
「日本では売れないものが売れる」「国内より高く売れる」といった理由で、越境ECに関心を持たれる方も多くいますが、一方で、多言語対応や配送面などの不安から、越境ECに対しハードルが高いのではないかという、疑問を持たれる方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
こんな疑問に対し専門家が解説するセミナーが、昨年、日本からの越境ECを支援するイーベイ・ジャパンと、買取比較サイト運営などを手がけるウリドキネットが参加して開催されました。(前編)
世界中でニーズが高い日本商品!欧米では高額商品が人気
開催に先立ち、セミナーを主催した「通販通信」の山本編集長が、越境ECの市場の現況について解説した。
「越境ECにおいては中国に次ぐ2位の市場である欧米に注目している」といい、「市場は世界のEC市場の3割に当たる90兆円規模で成長率も日本の倍以上だ。日本商品のニーズは世界中で高いが中国は日用品、化粧品、衣料などが人気なのに対し、欧米はもっと高額な商品や文化的なものが人気で、日本からの越境ECと相性がいい」と説明。また「今年6月に発表された経産省のレポートには、欧米や中国への越境ECを推奨する記載があった」という。もはや「越境ECは日本のEC市場の活性化という意味でも無視できなくなってきている。」という。
世界で信頼される日本セラー「出したら売れる」商品とは?
続いてイーベイ・ジャパンから岡田氏が、日本の越境ECをサポートして今年で10年となるデータの分析から、どんなものが海外で売れるか?や売上を伸ばすポイントを紹介した。
イーベイ・ジャパンが公開した、日本からの売れ筋商品トレンド(2019年の7~9月期)では、3か月間で最も売れた商品は、2019年3月に埼玉県飯能市にオープンしたテーマパーク「ムーミンバレーパーク」の限定マグカップだった。2位以下はトレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」の日本版商品、ポータブルゲーム機のPS Vita、セイコーの腕時計、ポケモンのキャラクター「カビゴン」のぬいぐるみが続いた。また、前年同期比で売上が伸びたカテゴリーの1位は「おもちゃ」、2位「カメラ」3位「ビデオゲーム」となった。岡田氏によると「日本でしか買えないもの、日本のカルチャーに基づいた商品が人気だ」という。
またハイブランドの中古商材も安定しており、カテゴリー別取引総額は「レディースバッグ・ハンドバッグ」が1位、「時計・アクセサリ」が2位だった。岡田氏は「ルイ・ヴィトンのハンドバックはeBay全体の売上の3~4割が日本からの出品。
日本は世界の中でも中古市場が成熟しており、日本のセラーも「偽物が少ない」「状態がいい」「何かトラブルがあっても丁寧に対応してくれる」という高い評価を受けている。実際に日本からの売上の6割は中古品で非常にeBayと相性がいい」という。
ほか、世界に知られている日本の有名メーカーの商品で、かつ趣味嗜好にもとづいた商品、たとえばカメラ、釣り具、ゴルフクラブなどは新品中古を問わず取引が多いそうだ。
越境ECの魅力は「日本より高く売れる」「日本では動かないものが動く」こと!
さらに岡田氏は、日本のカルチャーに基づいたものから具体的なカテゴリーを挙げ、eBayではどんな商品がどんなふうに売れているのか説明してくれた。
「フィギュア」
欧米発のブランド(タイトル)で、日本で製品化されているもの。たとえば「スターウォーズ」だけでも日本からの相当な売上がある。日本のキャラクターは現在日本のテレビで放映してない番組のキャラクターもeBayでは人気で、「ウルトラマン」のフィギュアを日本の1セラーが数百個売った例もあるとのこと。アメリカでテレビ放映されたことがあるアニメ、番組の商品の需要が高いそうだ。
「ビデオゲーム」
最近の傾向では、ゲームソフトは90年代に流通したハード「NEOGEO」のものが一番平均単価は高く、82万円で取引されたタイトルもある。ただし年間では、取引数の多いゲームボーイやファミコンのソフトの売上規模が大きいそうだ。
ゲームハードではPS Vitaやゲームボーイなど日本では第一線を退いたコンソールも大きな売り上げがある。日本では買い取り額は決して高くないハードでもeBayでは比較的高値で取引されている。
これらのトレンドを踏まえても越境ECの魅力は「日本より高く売れる」「日本では動かないものが動く」という点は間違いない。ただし岡田氏は売り上げを増やすには決して短期的ではない戦略が必要だという。
「海外のバイヤーの信用を勝ち取って固定客を増やすのに国内よりは時間がかかる。また、国内と越境の違いを理解して販売プランを立てることが求められる。センス、サイズ、季節なども異なるし、海外は返品に抵抗がないのでそのような文化の違いも知っておく必要がある。海外配送費も高いため返品にかかるコストのリスクや対応、為替のレートなども考慮しないと利益を最大化できない。」とし、それらのポイントも踏まえて「どの国に、何を、どういう形態で売るのか」を考えることが重要だと説明した。
【開催予定:2/25(火)東京・渋谷】「eBay・海外EC販売スタートセミナー」 日本の商品を世界へ!(法人様限定)
越境ECを新規に始めたいとお考えの法人様対象。
海外からのインバウンドが増加する今年は越境ECを始めるチャンス!
日時:2020年2月25日(火)15:00~18:30(受付開始:14:30)
会場:渋谷駅周辺
セミナー詳細、申込みリンク
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