【中国最新EC事情】ライブコマースによるダウンジャケットを販売!12日間のイベントで300万着を売り切ることに成功!

株式会社YouzanJapan

ライブコマースに参入することにより、商品情報を配信するだけでなく、さまざまなマーケティングを通じてコンバージョン率を2倍にした中国ECの最新事情

20年来「繊維の街」として知られる中国、紹興市柯橋(かきょう)で、アパレルブランド百思寒(Baisihan)はゼロから上場を果たしました。百思寒(Baisihan)の歴史は、Eコマースと共に歩んできた歴史

ダウンジャケットブランド「百思寒(Baisihan)」は、この1、2年で中国国内のアパレル業界が、変化してきたと感じています。

「以前は、誰もがオフラインでの販売と、プラットフォームでのEコマースに注力していました。現在、EC市場はますます広がりを見せ、WeChatミニプログラムによるオンラインでの販売が効果的です。個々のブランドでの販売は安定し、クローズドループシステムの構造を実現しています。

オフラインでの新規店舗、ライブコマース、1配信でのダウンジャケット300万着販売等、「百思寒(Baisihan)」は、良いニュースを積み上げ続け、いつしか「業界のトップ」に君臨しています。

1.「普通のオンラインストア」から「ベストストア」へ

1.「普通のオンラインストア」から「ベストストア」へ百思寒(Baisihan)取締役会長である孫健剛氏

百思寒(Baisihan)は1998年に中国国内で創業したアパレル老舗ブランドです。百思寒(Baisihan)は創業から8年間、ダウンジャケットの買い取りと販売を中心に活動していましたが、2006年にオリジナルブランドを立ち上げ、市場に参入しました。

百思寒(Baisihan)の取締役会長である孫健剛は、2007年10月にオンラインでの販売に活動のベースを移行。当初は、年間売上高がわずか40万元程度の小規模なオンラインストアでしたが、 Eコマース隆盛の波に乗り、いつしかダウン製品のベストストアへと成長を遂げました。


ダウン製品業界では有名になったものの、Eコマース市場全体においては、まだまだスタート地点に立ったばかりのルーキー。

ここ数年、百思寒(Baisihan)の課題は、

中国国内におけるグースダウンキルトの認知度、普及率が不十分であること。

この認知度を高めるために百思寒(Baisihan)は奮闘しています。
その一方、eコマースに参入している企業間での価格競争が激化。
プラットフォーム内のランキングを上げるために、より多くの広告を出稿するなどプロモーションコストを費やす必要がありました。

百思寒(Baisihan)は、ECプラットフォーム内で売上上位になったとしても、それは一時的な人気でしかないことに気が付きました。効果的なブランディングやマーケティングには、顧客との信頼を高め、新しい価値を生み出し続ける必要があります。

今年の初め、百思寒(Baisihan)はソーシャルコマースに活路を見出し、「百思寒(Baisihan)ライフストア」を正式に立ち上げました。


◆WeChatモール導入で大成功!オンライン&オフラインで躍進する百思寒(Baisihan):

◆WeChatモール導入で大成功!オンライン&オフラインで躍進する百思寒(Baisihan):百思寒(Baisihan)の体験サービスや見学ができる工場

成功要因の第一は、製品を軸としたマトリックスを確立し、ホームテキスタイルから周辺製品にまで展開したこと。

第二は、新しい店舗をモールにてオープンしたこと。

現在、百思寒(Baisihan)のオフライン店舗は、ダウンジャケット専門店が2軒、見学や各種体験サービスが受けられる工場が1軒あります。一方、オンラインではターゲット顧客に商品を紹介し、WeChatモールを通じて受注から自宅までの配送サービスをメインに行っています。

ブランドのファンを増やすため、百思寒(Baisihan)は、ライブ配信アプリ、爱逛(アイグワァン)を通じてライブコマースを開始しました。
もともと、ダウンジャケットの着心地の良さは広く知られていましたが、なぜ着心地が良いのか、他社のダウンジャケットと、百思寒(Baisihan)のダウンジャケットとの本質的な違いは何か?、まで周知されていませんでした。
ライブコマースに参入することにより、単なる商品紹介を配信するのではなく、様々なマーケティング戦略をおこなうことでコンバージョン率を2倍まで高めることに成功しました。

2.ライブコマース:お客さんはどこから来ているのか?

2.ライブコマース:お客さんはどこから来ているのか?

百思寒(Baisihan)は現在まで、爱逛(アイグワァン)でプロモーションライブ2回、通常ライブ5回の合計7回配信をおこないました。まだ新参者ですが、視聴者維持率は17%に達しています。

「520プロモーション」では、5月8日から予約販売を開始し、5月20日にライブ配信が行われました。この12日間のイベントでダウンジャケット300万着の販売を達成しました。

ユーザーはどこから来ているのか?どうやって高いコンバージョン率を達成したのか?

2-1.20,000人以上のファン

百思寒(Baisihan)で、ダウンジャケットを購入した顧客は、10年間保証付きの特別サービスを受けています。

これまで、カスタマーサービスはアフターセールス、品質保証サービス、新製品発表イベント開催などを通じて、顧客とWeChatで繋がってきました。現在、百思寒(Baisihan)のWeChatアカウントには20,000人以上のファンがいます。

しかし、以前は、毎日のルーティーンしか行われず、百思寒(Baisihan)のWeChatアカウントはそこまで活発ではありませんでした。

WeChatアカウントが活性化され始めたのは、百思寒(Baisihan)がライブコマース事業に参入することを決定してからです。そして、フォローしていた20,000人以上のファンが徐々にライブ配信に気付き始めたのです。以前からのファンがライブコマース最大の「決め手」になりました。

もちろんのことですが、ライブコマース開始直後にはファンに注目してもらえませんでした。百思寒(Baisihan)は、どうやってライブ配信にファンを呼び込んだのでしょうか?


① ライブ配信前に友だちやコミュニティで配信予告をする。爱逛(アイグワァン)の定期購読機能を利用して、事前にプレビューを作成したり、オフラインストアとオンラインの友だち、コミュニティサークルをリンクしたり、ライブ配信ルームのリンクを共有して、ライブ配信に呼び込みます。

② 公式アカウントのバナー画像をライブ配信の予告画像に変更、ライブ配信までのカウントダウンを表示させる。
③ VIPユーザーへダイレクトメッセージを送る。
④ ライブ配信後のコミュニティやモーメントで報告。

2-2.視聴者の70%近くが爱逛(アイグワァン)のアカウントから来ています

2-2.視聴者の70%近くが爱逛(アイグワァン)のアカウントから来ています

百思寒(Baisihan)のもう一つの切り札は、爱逛(アイグワァン)からの顧客です。それにはホームページの広告や、広告からのトラフィックを含んでいます。爱逛(アイグワァン)のスライドページは、プラットフォームを介してユーザーが、ストアと相互に行き来する役目を果たしています。

爱逛(アイグワァン)アカウントの認知度を上げるための最も簡単な方法は、ライブ配信の「タイトル」と「バナー」を研究することだと、百思寒(Baisihan)は考えています。

トップのバナー画像には、多くのストアが使用している「工場の写真」など地味な画像は使いません。明るく目立つ赤系統の配色を選び、盛大なプロモーションを演出します。 タイトルには、お得感を表すために、「割引」、「くじ」、「クーポン」などのキーワードを織り込みます。

3.完璧なライブコマースとは?

百思寒(Baisihan)は、7月から上海の上新日会で同時ライブ配信を開始しました。どのように実行しているのか見てみましょう!

3-1.テーマデザイン

新製品のテーマと連動させる。プロモーションのテーマ(例:520オフシーズンプロモーション、618アンチシーズンプロモーションなど)、毎週新テーマに更新しすることで、飽きを緩和します。

3-2.ツールを準備する

1. スライド:ライバーが説明しやすいように、分かりやすくセールスポイントを記載。
2. 背景ボード:大型プロモーションの時は特に大切! 盛り上がっている雰囲気を演出します。
3. 小型フリップボード:イベントのスローガンや商品の特徴が記載されている。

3-3.商品の選別

新製品、クラシックモデル、売れ筋モデルなど、確実に売れる商品を選別することが大切です。「大人気商品X%オフ」など、セールを開催しファンを引き付けます。
ライブ配信では40点ほどの製品を紹介しますが、メイン商品は5点以内にとどめておきます。
その理由は消費者の多様化したニーズを完全に満たし、トランザクション率をアップさせるだけでなく、あまりにも多くの製品を紹介しすぎると、顧客の注意は散漫になり飽きてしまうからです。

3-4.盛大な雰囲気の演出

主にライバーのパフォーマンスと視聴者を引き付けるテンポの良さが重要です:

① 数量限定。完売になると、売れ筋を守るために追加の申請をします。
② クーポンを配布しても、その効果が芳しくない場合、視聴者の購買意欲を煽るため、より刺激するクーポンを配布する。
③ タイムセールやくじ引きは、絶え間なく開催されており、ある一定の人気が集まったら、抽選が行われます。ライブ配信上で「いいね!」をした視聴者が優先されるルールなどがある。
④ 視聴者数が少ない場合は、よく利用する人のIDを覚えておき、直接IDを呼ぶと親密感が生まれ、顧客との交流が深まりやすい。
⑤ 絶え間ないプロモーション:「期間限定!ライブ配信の特別クーポン!」を強調し、購買を促す。
⑥高単価製品の場合は、価格を強調しない。一番重要なのは、製品の特長を明確に説明し、顧客の不安や疑問を払拭することである。

3-5.ライブ配信スタジオの分割とファンの維持

3-5.ライブ配信スタジオの分割とファンの維持

1. くじを配布したり、タイムセールスを開催したりすることで、ライブ配信に呼び込む。
2. WeChat追加を促進させるために、専用クーポンを配布する。


百思寒(Baisihan)はライブコマースに参入した後に、4つの段階を経験したといいます。

ステップ1:氷山の初期
ステップ2:トラフィック急増期
ステップ3:トラフィック分割後のフラット期
ステップ4:プライベートドメイン集中後の上昇期

です。

「ステップ4までくれば、プライベートドメインを使用して、ある程度の優れたコンテンツとツールのサポートを用意してライブ配信すれば、人気獲得と高いコンバージョン率が期待できるでしょう!」

最近では、百思寒(Baisihan)も工場からのライブ配信を検討し始めました。顧客が製品全体をより理解できるように、工場を訪問しながら商品を紹介する予定です。ライブコマースに遅れて来たルーキーは、日々更新されていくライブコマースのルールに適応しながら、さらなる成長を目指しています。


著者

株式会社YouzanJapan

株式会社Youzan Japanは、CHINA YOUZAN と株式会社InfoDeliverの合弁会社として、日本で設立しました。CHINA YOUZAN は中国における店舗システム最大手の会社です。CHINA YOUZAN は、2012年11月に杭州に設立され、現在、香港証券取引場で上場しています。店舗サービスで最も信頼されるリーディングカンパニーを目指しています。
現在、4億人以上の消費者にサービスを提供する手助けをしており、1日あたり数百万件の注文と数億件のメッセージを処理します。 Youzan Japanは、Youzanシステムの日本版を作成し、日本国内で展開しています。

https://www.youzanjapan.com/