世界がオムニチャネルをどのように受け取るか

SmartOSC Japan

活発なEコマース世界では、オムニチャネルが一番人気がある流行語で、お店やオンラインショッピングでの体験向上を促進する要素になります。最新の統計と傾向によると、オムニチャネル戦略を使用するブランドは、平均して顧客の89%を維持することに成功しています。これに対して、オムニチャネルの顧客エンゲージメントが弱い顧客の顧客維持率は33%です。オムニチャネルの実装では、コンバージョン率が約20%向上します。それは世界中の小売業者がオムニチャネル小売にシフトしている理由かもしれません。

オムニチャネルとは何?

簡単に言うと、オムニチャネル小売のコンセプトは、すべてのチャネルにわたってシームレスで中断することのないショッピング体験を構築するために、オンラインとオフラインの両方の店舗からのすべてのタッチポイントを統合することです。顧客はチャネル間で同じ価格やプロモーションを体験できるだけでなく、あるチャネルから別のチャネルに切り替えたときに途切れずに買い物をすることもできます。

以下の例を使って、典型的な現代の顧客(木村さんという名前)がオムニチャネルを体験し、いろいろな違ったタッチポイントを使用してストアと対話する方法を見てみましょう。

ユーザーがフェイスブックでネットを回遊し、広告を見て、その広告のストアウェブサイトに遷移します。
ウェブサイトを訪問した後、ユーザーが買いたいTシャツを見つけます。ユーザーは一つのアカウントを作成し、自分のオンラインショッピングカートにアイテムを追加します。
お店にTシャツを買いに行く道すがらユーザーはモバイルアプリケーションを開き、(ウィッシュリストのアイテムをモバイルカートに同期)最寄りの店を探します。
地元の店舗の営業担当者は、ユーザーの訪問の通知を受け取り、ユーザーが到着したら歓迎します。
営業担当者のサポートでユーザーが買いたいTシャツを見つけて着てみます。しかし、ユーザーのサイズが売り切れてしまいました。ユーザーは店に正しいサイズのTシャツを玄関に発送するように依頼します。
翌日、ユーザーが発注したものを受け取りました。
ユーザーは自分のオンラインショッピングカートをチェックし、発注が正常に完了したという通知を受け取りました。ユーザーは購買した分でポイントを受けました。
結果はどうでしょうか。ユーザーは自分のショッピング体験をとても気に入っており、友達と共有することに喜びました。店舗に関しては、新しいロイヤルティ顧客を獲得しています。これは、オムニチャネルエクスペリエンスが売り上げの増加と顧客満足度の確保にどのように役立つかを示す数百の使用例のうちの1つにすぎません。

オムニチャネルとマルチチャンネル

オムニチャネルとマルチチャンネル

オムニチャネルについていうと、大切なことはマルチチャンネルと区別することです。どちらの方法にも、オンライン、小売店、市場、ソーシャルメディア、カタログなどのさまざまなチャネルでの販売が含まれますが、下記の図のコアで違いが分かるようになります。
マルチチャンネルの中心は商品です。さまざまなチャネルにリストされているのでそこから取得できます。それぞれのチャネルは別の購入場所として扱われ、チャネルごとには独自の在庫があり、独自の顧客行動を追跡し、独自のマーケティング戦略を使用して購入アクションを作成します。

一方、オムニチャネルの革新は商品をベースにすることではなく、お客様に中心にすることです。

顧客はどこにいても買い物を続けたいのですが、チャネルを切り替えると、もう一度最初から買い物の手続きを始めなければならない状態だとあまり満足しません。そんな時に、オムニチャネルが登場し、販売チャネル間の境界を取り除き、チャネル全体でシームレスなショッピングの旅と体験を生み出しました。「商品、在庫、発注などから客さんに関するデータまで、全ての情報は一つのエコシステムに統合されています。」

マーケティングに関しては、マルチチャネリングマーケティングは、ウェブサイトのSEO、メール、リターゲティング広告、ソーシャルメディアマーケティング、物理的な場所でのPOSMなど、各チャネルに適した戦術に焦点を当てています。しかし、オムニチャネルマーケティングは全てのチャネルに統合された顧客のデータにより、上記のすべての戦術の世界を統合し、パーソナライズされたオファー、メッセージ、及びショッピングエクスペリエンスの作成に焦点を移します。

オムニチャネルでリードしているトップブランド
西洋諸国で成熟した小売市場では、オムニチャネルアプローチがすでに人気があり、セフォラやイケアなどの主要ブランドはオムニチャネル戦略のメリットをすでに享受しています。このブランドがオムニチャネルを使用して顧客のショッピング体験を改善した良い例です。

Sephora

Sephora(セフォラ)の店舗では、複数のタブレットが店舗に置かれ、オンラインアプリやウェブサイトと統合されていました。個々の顧客への提案は、購入履歴とすべてのチャネルにわたる検索に基づいてパーソナライズされています。更に、セフォラ は、化粧品を購入するときに顧客が大きな困難に直面していることをすぐに理解しました。たとえば、迅速に「基礎」検索を行うときなど、色やブランドのバリエーションが豊富な何百ものアイテムから選択する必要があったためです。セフォラは、それを認識して、拡張現実フィッティングルームと美容セクションを構築し、顧客が実際に製品を試着して、特定のアイテムがどのように見えるかを想像できるようにしました。

IKEA

IKEAは、モバイル、ウェブサイト、および実店舗全体でオムニチャネルショッピング体験を向上させるためにテクノロジーを活用している主要ブランドの一つです。モバイルと店を統合するため、IKEAはユーザーが観察し、選択してから、オンラインショッピングリストに商品を追加するモバイルアプリを作成しました。アプリは顧客にリストにある商品の正確な知らせ、IKEAのストアで買い物することをより安く、早くします。特に、IKEAはVRテクノロジーに「お部屋に配置」と呼ばれる機能を組み込んでいます。これにより、ユーザーは自分の家にほぼ300個のIKEA商品を仮想的に配置して表示できるため、買い物客は家や他の家具に対してアイテムがどのように収まるかを360度見渡せます。

COURTS Singapore

東南アジアの地域では、まだオムニチャネルの概念は初期の段階ですが、シンガポールのCOURTSというブランドなどが使用しています。COURTSはオムニチャネルアプローチを構築することを目的としており、いつでもどこでもショッピングができるようにWebストアを組み込むことを決定しました。主なハイライトには、従来の小売体験とeコマースを結び付けながら、買い物の選択肢を広げるクリックアンドコレクトシステムの実装が含まれています。追加されたロイヤルティ機能には、デジタルクーポン、ギフトカード、送料が無料になる値段の設定、製品のバンドルが含まれ、すべてが顧客体験の向上とスケーラビリティの向上に貢献しています。オムニチャネルアプローチが実装されると、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの最も刺激的な販売シーズンのオンライン販売は、前年比でほぼ100%増加しました。

各ブランドのオムニチャネルへの移行で最も明白なのは、シームレスなカスタマーエクスペリエンスが可能になったことです。これにより、顧客の忠誠心を維持し、収益を生み出すことに成功したのです。

『「オムニチャネル」に移行することはクライエントが 求めていることであり、現在、各ブランドは顧客を中心にしている。』
(「Ogilvy Asia 」の最高執行責任者:Jerry Smith)

オムニチャネル戦略を実装するためのロードマップ

現在、オムニチャネルが何か、それが収益を向上させ、ブランドに対する顧客の忠誠心を促進するのにどのように役立つかを理解したところで、ロードマップを使用してそれを実装する方法を見てみましょう。

ステップ1:チャネル定義

まず、「チャネル」の側面から始め、小売ビジネスの性質に合ったチャネルを定義する。全ての投資を考慮すると、Eコマースとモバイルチャネルが出発点として適しています。

ステップ2:オムニチャネル作成

今から、「Omni(オムニ)」パートで続けましょう。このステップはこのステップは、CRM、ERP、OMS、倉庫、ロジスティクス、または支払いのバックエンドデータをすべてのチャネルにわたってリアルタイムで同期して、すべてのチャネルを1つのシステムに統合することで構成されます。

ステップ3:オムニチャネル体験の最適化

オムニチャネルを最大限に開拓するため、重要なポイントは建築や開拓することだけではなく、最適化にすることです。この時点で、顧客を360度見渡して、顧客をよりよく理解でき、より魅力的でパーソナライズされたオムニチャネルエクスペリエンスを作成するために「Customer Data Platform (CDP)(カスタムデータプラットフォーム)を更に詳しく調べたほうがいいです。上記のことはただどのようにオムニチャネルに移行できるかの粗筋な紹介だけです。次のブログ投稿で、オムニチャネルの全体像をさらに詳しく理解するために、ぜひサブスクライブしてください。


著者

SmartOSC Japan

SmartOSC社は、ベトナム、オーストラリア、日本、シンガポール、アメリカ、イギリスに各事務所があり、わずか3人のチームメンバーから始まり、現在は500人以上の技術専門家の企業に成長させてきました。Eコマースに関する深い理解と技術の革新性を融合させ、プロ ジェクトを1000件超え、時間どおり、予算内、大規模な実装で実証 されたブランドとのエンゲージメントにおいて最高のパフォーマンスを 発揮します。

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