越境ＥＣ支援のイーベイ・ジャパン 2021年の越境ＥＣ市場を総括！日本事業の成長率＋40％以上。

越境ＥＣを支援するイーベイ・ジャパンは2月24日、21年の年間越境ＥＣトレンドと、日本の優秀セラーを発表する「eBay Japan Awards2021」の記者会見を行った。冒頭、eBay.comのジェイミー・イアンノーネＣＥＯ（最高経営責任者）からビデオメッセージが届き「日本はeBay事業を前年比40％以上伸ばし、世界で一番の成長率となった。世界中のバイヤーが日本からの商品に感謝し、刺激をもらっている」と語った。イーベイ・ジャパン岡田 雅之社長は日本でビジネスを開始して以来、初めてのイアンノーネＣＥＯからのビデオメッセージに「日本に対する期待の表れだ」とした。

世界中の熱狂的なバイヤーが注目

21年の年間越境ＥＣトレンドについてイーベイ・ジャパンの中里 力カテゴリーマネジメント部部長は「コロナ禍もあるが、エンスージアスト（熱狂的な支持者・ファン）カテゴリーの市場が拡大し、日本からの出品も増えたことで、大幅な成長につながった」とした。人気カテゴリーは取引高の大きい順にレディースアパレル＆バッグ・ブランド小物(
前年比11％増)、腕時計・パーツ＆アクセサリー(同58％増)、トレーディングカード（トレカ）となり、トレカは前年比218％増でトップの成長率だった。ほかフィルムカメラが33％増、アニメアート＆キャラクターグッズが47％増と昨年に売上を伸ばしたカテゴリーとなった。レディースアパレル＆バッグ・ブランド小物では特に中古ブランドバッグが人気で日本からの商品供給が安定した事や、サイト内のプロモーションが奏功した。トレカはポケモン25周年関連商品のリリースや高額レアカードの取引が増加。その他、新たに成長しているのがカーパーツ＆アクセサリー、デジタルカメラ、ジュエリー、アクションフィギュアなどだ。特に米国では日本仕様のカーパーツが映画「ワイルド・スピード」の影響などから若者に人気となっている。またコロナ禍によるサプライチェーンの停滞により納車期間が伸び、車の価格が上がる中で、カーパーツの需要が高まった。また、日本からの商材としてはメンズスニーカーも注目で21年は取引額が2倍になった。

高額商品の取引増加

商品以外で、市場規模拡大の要因は決済方法の変更、真贋保証サービスの拡大の二つがある。昨年下期から「マネージドペイメンツ」を導入し、eBay内で販売、入出金の決済すべてを一元管理できるようになった。これで出品価格の上限100万円が無制限になり、より高額で希少性の高いビンテージやアンティーク商品、コレクターアイテムの販売が可能になった。取引の平均単価も20％高まっている。また、一昨年から始まった2000㌦を超える腕時計の真贋保証サービスにより、「ロレックス」を中心に日本からの高級時計の取引が増えた。eBayでは真贋保証サービスを拡大中で、昨年は世界最大のスニーカー展示会を主催するスニーカー・コン・デジタルからスニーカー認証事業を買収し、中古スニーカーの真贋保証サービスを本格化した。さらにブランドのハンドバッグも米国でスタートさせ、一部の日本セラーではトライアルが始まった。トレカについても同サービスの準備が進んでいる。
　このほかeBayサイト内のプロモーション機能も充実し、日本が得意なエンスージアストカテゴリーでの日本バイヤー・商材の露出を増やす方法の情報提供などを強めている。

安心して取引できる環境を目指す

セラー向けの情報発信の中心となる「セラーポータル」の機能も強化する。毎月、主要カテゴリーのトレンドをレポートする他、検索キーワードのランキングも開示され始めた。セミナーやキャンペーンも充実させ、公認コンサルティングとのマッチングセミナーなども開催する。また日本セラーが苦手とするトラブルが発生した際の英語の問合せも、日本語で提供する仕組みを作る。

今後の越境ＥＣ市場

イーベイ・ジャパンでは非常に前向きにとらえている。日本のリユース市場自体が拡大基調にあり、越境ＥＣを伸ばすチャンスでもあるからだ。この1、2年でプレイヤーは企業、ビジネス目的の個人に加え、個人（コンシューマー＜消費者＞セラー）にも拡大すると予想する。同社ではセラー、バイヤーの両方の越境ＥＣビジネスをサポートするマーケットプレイスとして№1の「ベストグローバルマーケットプライス」を目指す。