eBay JapanグループがLGBTQ+セミナーを自社内で開催!誰もが自分色で輝ける社会、会社に

イーベイ・マーケティングチーム

セミナーを終えて、ブルボンヌさんを囲んで記念撮影

オンライン・マーケットプレイス「eBay」への出店を通じ、日本の販売者の越境ECを支援するイーベイ・ジャパン株式会社と、国内インターネット総合ショッピングモール「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社のeBayグループ2社は、米国eBay創業者の「誰であろうと、その背景やアイデンティティに関係なく、成功できるマーケットプレイスを構築できる」という信念のもと、多様性、公平性、包括性を重視した取り組みをグローバルで行っている。

日本でも最大級のLGBTQ+関連イベントである「東京レインボープライド」に2年連続でブース出展するなど活動を続けているが、今回その一環として社内向けにLGBTQ+セミナーを開催した。講師には女装パフォーマーとして活躍し、イーベイ・ジャパンが協賛するラジオ番組「Find Your Colors with TOKYO RAINBOW PRIDE」(毎週土曜日11:00~12:00InterFM放送)でパーソナリティを務めるブルボンヌさんを迎えた。セミナーにはオンラインを含めて40人を超えるスタッフが参加し、LGBTQ+に対する理解を深めた。

一人ずつ違うカラー。プライドを持ち、他者を認めて成長へ

一人ずつ違うカラー。プライドを持ち、他者を認めて成長へオンラインで気軽に参加も(セミナー当日の様子)

ブルボンヌさんの講演は、軽快でユーモラスでありながらもLGBTQ+を取り巻く現状や様々な課題をわかりやすく説明。参加者たちが熱心に聞き入っている姿が印象的だった。

多様性についての話では、例えば “オネエ”といっても、性染色体、肉体的特徴、装い、振る舞い、戸籍、性的指向などベクトルで表すといろんなカラーがあり、一言では説明しきれないという。日本において、こうした性的少数者は2020年の電通ダイバーシティラボの調査で8.9%、約1,120万人いるとされ、約10%とされる左利きの人と同じ程度と、参加者はその多さに驚いていた。

海外では女性の活躍や性的少数者の潜在マーケット、志向を取り込むことで、成長する国が多く、アップルCEOのティム・クックや台湾の政治家オードリー・タンのように、世界を舞台に活躍する人がカミングアウトするケースも増えている。しかし日本では女性蔑視の発言をしたり、性的少数者の存在を否定してしまうことが現在も起きており、性的少数者の人たちの多くが、仲間以外にはカミングアウトできず、不自由さを感じながら生活しているという。

こうした状況の背景には、日本人の自己肯定感の低さがあるのではとブルボンヌさんは指摘する。

「東京レインボープライド」をブルボンヌさんが紹介

自己肯定感を高く持つと自分の強みに意識がいき、他者の良いところにも目がいく。6月はプライド月間と呼ばれ、世界中でLGBTQ+のイベントが開催されるが、シンボルとなる「レインボーフラッグ」は6色で構成されており、それぞれの色で輝けばいい、一つの色に染まる必要はないことを表しているそうだ。性的少数者が必要としてきた、自己肯定感、プライドを持つこと、他者を認め一緒に行動する事などは、これからの将来を築いていく日本の若い世代こそ、必要としているのではないか、とブルボンヌさんは言う。否定し合うのではなく、「私の色はこんな色」、「あなたの色も素敵ね」と互いに言いあえて、それに見合った社会のシステムやサービス、アイデアを活かした取り組みができていくことで社会も経済も豊かになる。「まずは自分自身を愛することが重要で、溢れた愛を周りの人たちに分け与える。そうすることで世の中が好循環になっていく」と締めくくった。

思い込みをしてないかを問う。広く想像することでチャンスも

多くの刺激をもらったスタッフたちからは、セミナー後のQ&Aでも積極的に質問が飛び、LGBTQ+について前向きに取り組もうとする姿勢が表れた。

 「10%近い性的少数者がいると知り、今までも周りにいたんだなと思う。知らないうちに傷つけないようにするためにはどういうことを意識すればいいのか」という質問にブルボンヌさんは、「よく聞かれる質問」とし「怖いから触れないようにしようという“腫れ物”とは違う。男性だからこうだ、女性はこうでなければならないといった思い込みをしていないか。想像力を働かせて、物事を考える時、想定の設定が広がれば、誰かを排除する言葉は自然に出なくなる。それで素敵な人になるし、マーケットの認識も鋭く広がる。色々な人を取りこぼさない、総括的な言葉やアイデアが生まれて、仕事もチャンスが広がる」と指摘した。

 「自己表現できる方が良いということでは、性的指向を積極的にオープンにするのが良いのでしょうか?そのメリットを教えてください」という問いに対しては「性自認は公共のスペースをどう使うかを表明しなければならない場合があるし、性的指向はパートナーの話にもかかわり、特に職場ではプライバシーもあるので、個人の自由でいいと思う。ただ異性愛が常識であることが強すぎて、同性愛が想定されていない場合も多い。性的指向性を話さなくても、気持ちよくコミュニケーションが取れるようにすることが需要だ」とした。加えて「メリットとしてオープンにすることで、自己肯定感が上がり、より人とコミュニケーションが取れることにつながるなら前向きに伝えればいい」と率直な気持ちを話してくれた。

女性や若者のパワーで、新しいシステム作り

女性や若者のパワーで、新しいシステム作り参加者と意見を交わすブルボンヌさん

将来に対する質問も多く出た。「ジェンダー格差のランキングで、日本の順位が低いのはなぜか?上位になる時は来るのか?」(注:日本は146ヵ国中、116位:「ジェンダー・ギャップ指数2022」より)という質問に対し、「日本は世界トップクラスの高齢者社会で、システムや制度を作る人は、ほぼ高齢男性。女性や若者のパワーとともに、広い意識を持った制度やシステムを作り、アイデアを取りこぼさない、新しい変化に気づく人たちが増えるといい」とした。

多様性を認め誰もが輝ける世界、社会、会社をめざして

多様性を認め誰もが輝ける世界、社会、会社をめざしてQ&Aでは「新宿2丁目のお薦めのお店は?」といった質問にも答えてくれた

イーベイ・ジャパンの岡田雅之代表は今回のセミナーに「eBayのロゴの色はカラフルで多様性を表している。シリコンバレーの会社だが、こうしたムーブメントを日本の他の会社にも根付かせていくことが必要だ。従業員たちには会社内にとどまらず、外に出ていって、こうした思想、活動を広げて、こういう会社、こういうカルチャーが成長していくことを実感してほしい」と感想を語った。


著者

イーベイ・マーケティングチーム

世界200か国・地域から年間1億6,700万人の購入者に利用されるグローバルなオンライン・マーケットプレイス「eBay」(イーベイ)。
この世界最大級の越境ECプラットフォームを通じて海外への販売を行う日本企業を、イーベイ・ジャパンがサポートします。