若い女性に“美容・コスメ”と聞けばQoo10！ 新たな購買行動「キープ消費」にマッチする「メガ割」 【後編】

Qoo10ではこう売れ!!メガ割軸にワクワクを提供

「Qoo10で販売開始前と後では、いい意味でギャップがあった。今では販売先の中核になっている」と日本ロレアルの古畑eビジネスマネージャー。いいギャップとは①Z世代はじめ若い女性の購買力が想定以上に高い②グローバルブランドでも勝てるプラットフォーム③ヘアケアのニーズが強くチャンス、の3つだ。Qoo10で実施したライブショッピングには数十万人の視聴があり、ブランド認知にも効果があった。日本ロレアルではデジタルメディアに力を入れるという戦略もあり、Qoo10はSNSやインフルエンサーマーケティングと非常に相性が良いことも発見だった。Qoo10と言えば韓国コスメ、と思っていたが、すでに国内・グローバルブランドが化粧品分野の取り引きで50～60％を占めているという。今ではやり方によって十分戦えるプラットフォームだと認識している。また客層のニーズはメイクアップが中心だと思っていたが、他のECモールに比べてヘアケア商品の品揃えが少なく、逆にニーズがしっかりあって、チャンスととらえている。

今後も「メガ割フォーカス、Qoo10で買う理由付けの2点で売り上げを伸ばす」という。メガ割時の販売転換率は通常の4～5倍、上手くいけば10倍以上のこともある。ただし、売れないものは全くと言っていいほど売れない。お客様に「Qoo10のメガ割で買うべき商品」と思ってもらえるように準備し、メガ割の前に吟味ができるようにSNSなどで情報提供し、メガ割時には「今、買うべき」を醸成するという。古畑氏はさらに、「便利で安いからECで買うというのは退屈な理由。もっと楽しく、わくわくする体験からECを使って欲しい。そういうことを一緒に取り組めるのがQoo10だ」とした。

拡大する「キープ消費」。Qoo10での販売のポイントにも

「SNSの保存、ブックマーク、まとめ投稿、文字入れなどの機能が充実して、一旦キープし、実際の購入時に呼び出し、比較検討し、購買する。この流れがキープ消費を後押ししている」とトレンダーズの佐藤エグゼクティブマネージャー。Qoo10をはじめとする大型ECモールが定期的に大規模なセールスイベントの実施するようになり、キープ消費に拍車がかかっていると分析する。特にメガ割では20％オフのクーポンが3枚、3回に分けて配布されるため、多くのメガ割対象商品から9つに選ばれなければ購入されない。佐藤氏は買われやすい商材として、トレンドのプチプラコスメ、お気に入りの愛用品・リピート品、安心できる公式ショップでの購入を挙げた。メガ割期間中、開始早々と、終了前に大きな購買の山があることから、前半はトレンド商品や愛用品など予めSNSなどの情報からキープしていた商品の購入。終盤はランキングや購入のレビューなどを見てクーポンを使い切る形で商品を購入していることがわかる。セラーにとっては事前にキープされるようにインフルエンサーマーケティングなどで、お得さや、このタイミングで購入するべき理由を拡散することが重要になる。また限定品などでランキングに入ることも重要だ。佐藤氏は5つのポイントとして、第1にセール期間外にSNS投稿を保存させる、第2に気になる存在＝ショップになる、第3にオリジナル性や限定品などでランキング上位を狙う、第4にクチコミ検索時に購入の後押しになる評判を貯める、第5はストック（愛用品）のポジションを狙うといった攻略法を公開した。