EC物流の委託先を変えるときに起こりやすいトラブルと対策
EC事業を運営する中で、物流は顧客体験を左右する重要な要素です。しかし、コストやサービス改善を目的に物流の委託先を変更する際、思わぬトラブルが発生することがあります。今回は、委託先変更で起こりやすいトラブルとその対策を詳しく解説します。
EC物流の委託先を変えるときに起こりやすいトラブルと対策
1. 在庫移動による販売機会損失
物流拠点を切り替える際、既存倉庫から新倉庫への在庫移動が必要です。この期間、在庫が一時的に「宙に浮く」状態になり、注文を受けても出荷できないケースがあります。特に繁忙期やセール直前に移行を行うと、売上に大きな影響を与えかねません。
対策
移行スケジュールを繁忙期を避け、比較的に注文が落ち着く時期に移行を行うことや、一度の在庫移動はせず、旧倉庫と新倉庫を並行稼働させることで販売停止期間を最小にするなど、分割して段階的に移動をかける方法があります。
2. システム連携の不具合
新しい物流パートナーのWMS(倉庫管理システム)と自社のECシステムを連携する際、APIの仕様違いやデータ形式の不一致が原因で、在庫数や出荷ステータスが正しく反映されないことがあります。これにより、在庫切れ商品が販売される、出荷遅延が発生するといったトラブルが起こります。
対策
事前にテスト環境で十分な検証を実施し、在庫同期、注文連携、返品処理などのフローをテストしたり、連携の問題が発生した際に迅速に対応できる体制を整える必要があります。
3. 梱包仕様の変更によるクレーム
物流パートナーが変わると、梱包材やパッケージング仕様が変わることがあります。ブランドイメージを重視するEC事業者にとって、「以前より簡素になった」「破損が増えた」といった顧客クレームは大きなリスクです。
対策
梱包資材のサンプルの確認やテスト出荷を行い梱包品質の確認をし、問題があれば改善を行うことで対策ができます。
4. 配送リードタイムの悪化
倉庫の立地や配送キャリアの変更により、配送スピードが遅くなるケースがあります。特に「翌日配送」を売りにしているECでは、顧客満足度に直結する重大な問題です。
対策
主要都市への配送日数の確認や東西で拠点を分散し、全国配送のリードタイムを短縮するなどが可能です。
まとめ
物流委託先の変更は、コスト削減やサービス改善のチャンスである一方、在庫移動・システム連携・梱包品質・配送リードタイム・契約条件といった多くのリスクを伴います。
成功の鍵は、事前準備とリスク対策です。移行スケジュールの最適化、システムテスト、品質管理を徹底し、スムーズな切り替えを実現しましょう。
物流に関するお問い合わせ
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=ninc-mdtgnf-ca1f6a56682b0c556e69467b687363e4