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EC事業だけでなく、社内コミュニケーションでも活用したい“すごい傾聴”

年に300回の企業研修に登壇し、毎年1万名を超えるビジネスパーソンに対して「コミュニケーション研修」を提供する著者、小倉広氏。傾聴に関する悩みの要因として「傾聴=簡単という誤解とともに、定型化したスキルを駆使すれば傾聴はできるという勘違いが広がってしまったように思う」と記す。

そもそも傾聴の目的、効果、意味とは「話し手が自分で自分を傾聴できるようになり、自己否定をやめ、防衛的な仮面を外し、素のままの自分でいられるようになること。また能力・活力・魅力があふれるようになること」(本著P84)

この目的や効果を達成するためには「いい人ぶらない」「言葉を聴かない」「思考を追わない」の3鉄則が必要なんだそう。自身が傾聴する時も見事にこの鉄則を守らない「スベる傾聴」をしていたかも……と反省。ただ、この傾聴に対して私のように誤解して傾聴した気になっている人は多いと述べる著者。

できているつもりで“スベっている傾聴”と相手と短時間で心を通わせる“すごい傾聴”。本書では、初めに同じシチュエーションで相手の反応がどう違うかを漫画で解説。その後“すごい傾聴”へ近づくために必要な鉄則から、脱却する23のポイントを紹介。そして実践するためのプロスキルを4ステップで解説。実践例やバリエーションを増やす語彙も紹介しているため、ひとつずつ段階を追って理解できる。とはいえ、「すごい傾聴で100点満点を目指さないでください」と著者。皆さんの仕事は「傾聴」だけではないので30〜40点取れれば充分、できるステップからやってみて欲しいと著者の優しさがうかがえる。

顧客からニーズを引き出す“傾聴”はもちろん、社内で上司/部下と会話するためのコミュニケーション術として、読み応えのある一冊だ。

書名 すごい傾聴

金額 1760円(税込)

著者 小倉広

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