【第一回】中国政府公認越境販売について

宮内 秀和

【連載コラム】
中国政府公認越境ビジネスとは?
株式会社グローバル 代表取締役 宮内秀和

当コラムでは、本当の「中国越境ビジネス」とは何なのか、まだまだ知られていない本当の「中国越境ビジネス」をご説明致します。
中国ビジネスにおいて、これから中国進出を考えている、既に失敗した経験がある、そんな方々のためにどのようにしたら中国で物が売れるのか、成功できるのか、その辺りを詳しくご説明したいと思います。

『中国政府公認越境』とは?

まず初めに、『中国政府公認越境』とは?
『中国越境』に関して、まずは『キーフレーズ』から考える必要性があります。

『中国越境とは』
=中国政府が管理し且つ中国税関が越境販売の為に格安税率を定めた販売方法!

『中国代行販売とは』
=中国税関に納税せず、EMS等や闇ルートで販売する方法!


現在、中国政府公認越境が出来る都市は【上海・重慶・杭州・寧波・鄭州・広州・深圳・天津・福州・平潭】の10都市と現在準備中の2都市の計12都市となります。

皆さん中国越境について誤解されている大きな問題点は、『中国税関が管理しているか?していないか?』です。

中国政府公認越境は、中国政府が認めた越境販売で、税率が一般貿易と比べ、かなり格安に設定されています。商品によっては税率が無料の商品も存在します。全てHSコード別に税率が異なります。越境HSコード別税率表をお求めの方はご連絡ください。(宮内:info@h-global.net)

政府が管理するシステムに接続について

政府が管理するシステムに接続について

全てのシステム『税関システム・物流システム・倉庫管理システム・販売サイトシステム・決済システム』が政府が管理するシステムに接続されて初めて中国政府公認越境販売と言えます。

日本では「WeChat pay」「alipay」がどんどん導入されており、一部の業者がオンライン上でも決済が出来る!これで御社のECサイト上で越境が出来ると謳い文句で営業している企業がありますが、これも正式な中国政府公認越境決済ではありませんので十分ご注意下さい。

「WeChat pay」「alipay」も越境販売用に税関のシステムと接続した専門決済ページが存在します。
上記画像が各専門サイトの決済ページです。

公認・非公認を見極めろ!

日本国内では有名な中国販売サイトでも、そのほとんどが中国政府公認越境では無く、ただの『代行販売サイト』です。代行販売サイトは一見、越境販売サイトに見えますが、中国税関に納税せず、EMSで発送する方法や闇ルート(手荷物ブローカーや密輸)などで販売するサイトが殆どです。羽田空港付近に倉庫を持つ販売企業はほとんどが闇ルートと言えます。

では、『中国政府公認越境販売』と『中国代行販売』とどうやって見分ければ良いのか?説明いたします。

『中国政府公認越境販売』は元々、中国人のエンドユーザーへ対し、消費金額に上限を設け、購入者がその消費金額内であれば免税もしくは減税で海外から商品を購入できるシステムです。
1回あたりの購入金額は海外直送の場合1000元まで、保税区販売の場合2000元まで、年2万元までの範囲内で免税もしくは減税で商品が買えます。
では何処で税関は購入金額を管理しているかと言うと、『購入時に身分証明書番号を必ず記載』することが義務付けられており、それによって限度額を管理しています。

それに対して、『中国代行販売』の販売サイトには購入時に身分証明書番号の記載をする記入欄がありません。
一番早く見分ける方法は販売サイトを見て、身分証明書番号の記載欄がない販売サイトは全てが『代行販売サイト』であり、中国政府公認の越境販売サイトではないことが一目瞭然でわかります。

今後悪質な業者も出てきて『身分証明書番号の記載欄』をわざと作る可能性もありますが、その場合は弊社へお問い合わせしていただければ、代行会社か政府に確認することも可能です。

現在の正式な中国政府公認越境を行なっているパターン

現在の正式な中国政府公認越境を行なっているパターン

現在中国で正式な中国政府公認越境を行なっているパターンは以下の通りです。

≪1≫
『ショッピングモール型越境=天猫Tモールや京東など』
出店費用はTモールで25000USドル:京東で15000USドルとなっています。

≪2≫
『政府管理ショッピングモール型越境』
出店料は各都市によって異なりますが、一番安い出店方法です。

≪3≫
『独自販売サイト型越境』
システム構築費はかかりますが、天猫Tモールなどモール出店型と比べ、価格競争も無く、自社販売サイトへ効率的に呼び込める環境の場合は、独自サイトをお勧めします。

※ポイント
ショッピングモール型の場合のメリットは、天猫Tモールなどは集客力が高いこと!
ただし、出店店舗数も日本と桁違いに多い為『トップページ広告』など別途費用を注ぎ込まなければ集客率は非常に悪い。また『他者との価格競争』もデメリットの一つと言えます。

独自サイト型越境の場合のメリットは、他社との価格競争がないこと!
マーケティング・ブランディング販売に適していることです。
また、現状ある日本の御社のECサイト上に中国税関のシステムを接続することで、販売も可能となります。
決済もalipay越境・wechat pay越境にも対応しており、御社の口座へダイレクトで入金も可能です。
効率的に集客できるコンテンツを持つ企業様にはこの販売方法が一番適しています。
デメリットは、集客コンテンツを持たずに販売サイトを構築した場合は、残念ながら中々売れません!


最後に
来年2017年1月1日から、今まで各越境都市の各都市の接続システムから、国が管理するシステムへ移行します。
内容は、今まで都市によって様々な独自の管理体制で統一感が無かった為に発生した問題点を国が管理することで、今後の手続きを一本化し管理体制を強化することが目的です。

越境HSコード別税率表をお求めの方、中国保税区越境視察、その他中国政府公認越境販売についてはご連絡ください。(宮内:info@h-global.net)


著者

宮内 秀和 (Hidekazu Miyauchi)

株式会社グローバル 代表取締役

1981年3月23日、群馬県生まれ。大学卒業後サラリーマンを経験し、26歳で独立。主にweb制作、運営、システム管理、広告管理の事業を行う。その後事業の柱を増やすべく国内卸事業を手掛けるも、タイミングよく中国バブルと言われる波が来ており、徐々に国際卸業へとシフトしていく。現在、主に中国を中心に越境ビジネスを行い、またそのノウハウを生かし正規の手順に沿った正真正銘の中国越境ビジネスのコンサルティング事業を行っている。

株式会社グローバル:http://h-global.net/