【新連載ニュースのヨミカタ】これで全部わかる!「新薬機法」丸の内ソレイユ法律事務所監修WP公開

濱田祥太郎

ホワイトペーパーの無料ダウンロードはこちらから
https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

EC業界の専門メディア視点で注目ニュースを解説する「ニュースのヨミカタ」。9月30日発刊のECのミカタ通信vol.22から連載を始めました。
初回のテーマは「薬機法」。8月に改正があった課徴金制度は要チェック。多くの事業者にかかわります。
その連動企画としてECのミカタ通信WEBでは、弁護士監修のもと、広告表現のOK・NG例をまとめたホワイトペーパー「やさしく解説 これで全部わかる!『新薬機法』」を同時無料公開。全58ページのなかから、今回は一部を解説します。
https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

化粧品、健康食品、マスク・・・。薬機法の対象範囲は広く要注意

化粧品、健康食品、マスク・・・。薬機法の対象範囲は広く要注意ホワイトペーパーより(https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

そもそも薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のこと。医薬品や医療機器など(以下「医薬品等」)の製造や表示、販売、流通、広告等について定められています。

「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「高度管理医療機器」「再生医療等製品」「生物由来製品」「特定生物由来製品」などが対象で、マッサージ機や健康食品、マスクまでもカバーされます。範囲が非常に広いので、一見対象にみえなくても注意が必要です。

薬機法の広告規制と対象者

事業者にとって特にかかわるのは、66~68条の広告規制です。具体的には以下の3点です。
・誇大広告の禁止
・特定疾病用の医薬品及び再生医療製品の広告の制限
・承認前の医薬品、医療機器及び再生、医療等製品の広告の禁止

ただ法律の条文を見ても、具体的に「こういう表現はしないでください」などと例をあげてくれているわけではありません。具体的にどのような表現に注意が必要かは、個別で判断する必要があります。

また、これらの対象者は「何人も」とされています。「誰でも」と言い換えることもできるでしょう。製造業者や販売業者だけではなく、広告を掲載するメディアも対象となります。

8月に改正法が施行「誇大広告には課徴金」

8月に改正法が施行「誇大広告には課徴金」ホワイトペーパーより(https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

今回、NEWSのヨミカタに「薬機法」を取り上げた理由は、8月の改正法の施行です。

あらたに「課徴金制度」が導入されました。66条に定められた「誇大広告」の規制に違反し、不当な売上を得た企業等に対して、その収益を取り上げる制度です。違反者は、違反対象商品の売上の4.5%相当額が徴収されます。

利益に対してではなく売上全体にかかってくるため、大きな重荷になる可能性があります。

気をつけるべき広告表現の例~化粧品、健康食品など~

化粧品や健康食品をあつかう事業者にとっては、「医薬品的な効能効果」はうたってはいけないという点に注意が必要です。

たとえば、
・病気の治療又は予防を目的とする表現(「ガンに効く」、「高血圧の改善」、「生活習慣病の予防」など)
・体の機能の一般的増強、増進を目的とする表現(「疲労回復」、「体力増強」、「精力回復」など)

これらの表現は、病気の治療や予防に役立つことを説明したりほのめかしたりする表示や広告表現にあたり不適切と判断される可能性があります。

このほかにも「栄養補給」という表現にも注意です。医薬的な効能・効果に該当しませんが、前後関係によっては不適切と判断されるケースがあります。

広告表現にはこれまで以上に注意が必要

事業が拡大するごとにEC事業者が取り扱う広告も多くなりますが、魅力的な広告を作ることに集中するあまり、不適切な表現で法にふれるのは避けるべきところ。自社商品のブランドイメージが傷つくのはもちろん、ペナルティも重くのしかかります。

もしチェックに追われてしまう状況であれば、広告運用を他社にまかせたりチェックツールなどを導入したり、手をうつ必要がありそうです。これを機にぜひ見直してみましょう。

ECのミカタは、丸の内ソレイユ法律事務所の中山明智弁護士監修のもと、どのような表現に注意が必要かをまとめたホワイトペーパーを作成しました。目次は以下の通りです。

注意するべき具体的な広告表現が商品ごとにわかるホワイトペーパーを無料公開

注意するべき具体的な広告表現が商品ごとにわかるホワイトペーパーを無料公開ホワイトペーパーより(https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

【目次】
第1章:薬機法とは
第2章:薬機法の直近の改正内容まとめ
第3章:薬機法広告基準の各ポイント:全般
第4章:化粧品・医薬部外品の広告
第5章:雑貨等の広告(広告できない事項)
第6章:医療機器
第7章:健康食品
第8章:摘発事例

薬機法の基礎から、広告で注意するべき具体的な表現を、「全般」「化粧品」「医薬部外品」「雑貨等」「医療機器」「健康食品」に分けて紹介しています。

対象となる商品ごとに、注意するべき広告表現は異なります。事業者のみなさんには、自身が取り扱う商品のページは特にチェックしていただくことをおすすめします。

NG・OK例を具体的に紹介

NG・OK例を具体的に紹介ホワイトペーパーより(https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

丸の内ソレイユ法律事務所監修のもと、商品ごとに「OK・NG例」を具体的に紹介しています。

たとえば「承認を要しない化粧品の効能効果の表現」では、化粧品の効果効能としてうたえる56項目を超えては、広告で表現してはならないとされています。一方、この項目以外では、メーキャップ効果や使用感を 事実に反しない限りで使用することはOKとされています。

NG例:
「目じりや口元の小じわがなくなります」
「10年前のお肌に!!(アンチエイジング)」
「シワ、たるみの改善」

OK例:
「化粧くずれを防ぐ」
「小じわを目立たなく見せる」
「みずみずしい肌に見せる」

よくきく表現でも注意が必要〜安全性の保証表現〜

日常会話で使われるような表現も、薬機法の観点では注意が必要です。
副作用や刺激性等については、安全性を確実なものとする表現はできません。

NG例:
「副作用がない」
「比較的安心してお使いいただけます」
「刺激が少ない」

OK例:
科学的根拠があり、安全性の保証につながらない範囲で「低刺激性」「眠くなりにくい」と表現すること

マスク販売でも要注意!

マスク販売でも要注意!ホワイトペーパーより(https://ecnomikata.com/knowhow/31675/

日常で使用するマスクにも広告表現のしばりがあります。販売の際は注意しましょう。

NG例:
特定の細菌やウイルスに対する効果を表現するもの
例)「新型インフルエンザの予防」

殺菌・不活化・感染症予防を表現するもの
例)「ウイルスを殺菌・不活化して、感染を予防」

OK例:
不織布等でできており、物理的な除去を目的とするもの

EC事業者の実務から業界の勉強用にも活用できる

薬機法の基礎から、広告で注意するべき具体的な表現をまとめた今ホワイトペーパーは、いままさにECに携わってるみなさんはもちろん、これからECをはじめようとする方、業界を勉強したい方にも最適です。

ぜひ無料でダウンロードいただき、さまざまなシーンで活用していただきたいです。

ニュースのヨミカタは次号も掲載予定

ニュースのヨミカタは次号も掲載予定ECのミカタ通信vol.22より

EC業界の専門メディア視点で注目ニュースを解説する「ニュースのヨミカタ」は、来春発刊予定のECのミカタ通信vol.23でも掲載予定です。

今後も読者のみなさんにとってためになるニュースを配信してまいります。


著者

濱田祥太郎

千葉県我孫子市出身。新卒で全国紙の新聞記者に4年半従事。奈良県、佐賀県で事件や事故、行政やスポーツと幅広く取材。東京本社では宇宙探査や宇宙ビジネスを担当。その後出版社やITベンチャーを経てMIKATA株式会社に入社。ECのミカタでは行政、規制系・老舗企業のEC事例に興味があります。