サブスクECでは「集客」よりもまずは「解約率」が大事!解約率改善方法とは?~ライフスタイル編~

安藤 祐輔

サブスクECでの売上向上には集客も当然だが解約率を改善した方が良いことはご存知でしょうか?

今回は解約率を改善するとどんな効果があるか、原因から探る解約率改善方法を4回にわたってご紹介します。第一回のテーマは「ライフスタイルに合わせたサブスク設計」についてです。

そもそもサブスクECにおける解約率とは

サブスクECを運営する上で最も売上に直結する重要な指標は「LTV(生涯顧客価値)」です。

「LTV」とは「ライフタイムバリュー」の略称で、顧客が自社と取引を開始してから終了するまでにどれだけの利益をもたらすかを表す指標です。
LTVを向上させることは利益率が向上し、より販促や広告に予算を投入することができるため、集客を行うよりも重要なマーケティング施策となります。

そんなLTVを上げる上で大事な指標となるのが「解約率」の改善です。
特にサブスクでは一度契約した場合、解約しない限り継続的に商品を購入してもらえるため、非常に売上に直結します。

なぜ解約率が課題になるか

対策することが難しい
解約率の改善は難しいとされることが多く、課題として感じている事業者も多いのではないでしょうか?

解約率の改善は商品、サイト、顧客の3要素をしっかりと紐解いて分析する必要があり、それぞれの相関があるかどうかを見極める必要があります。

また、商品設計によっても解約率の相場が大きく異なるため、他社との比較をするのが難しいことも要因です。

施策の影響がわかりにくい
施策を行う上で解約率改善につながったかどうかを計測することが難しいことも要因の一つです。例えば商品を変更したとしてそれが解約率改善につながったかどうかは判断しきれないことも多いです。

解約率を下げることが重要な理由

解約率が低ければ低いほど利益率が上がる
冒頭でもご紹介しましたが、サブスクECでは一度契約を行えば解約しない限り購入し続けてくれるビジネスモデルのため、積み上げ式に利益を確保することができます。

解約するまではその分の集客コストがゼロ
解約を行わない限り、その顧客への集客コストはゼロになるため、新規集客へとさらに投資をすることができるため、結果的に売上全体への影響にも大きく関わるということになります。

一般的に解約率が20%を切ると安定したサブスクECとしても安定した運営ができるといえます。逆に、解約率が高い状態で集客をすると新規ユーザーの割合が多くなり、集客コストが高くなってしまうため利益率も伸び悩んでしまいます。その結果、売上向上に力を割くことができなくなってしまいます。このことから解約率は売上の要になっていることがわかるでしょう。

解約原因の1つ「ライフスタイルに合わせづらい」

今回は1つの解約原因にフォーカスしてご紹介します。

解約の原因に挙げられやすい例としては「ライフスタイル」に合わせづらいというお客様の声があります。一つの商品、サブスクサービスにおいても、顧客のライフスタイルは様々なため、この声が上がることは当然のことではあります。

ライフスタイルに合わせづらいとはつまり、「商品が余る/少ない」のどちらかになります。これが起きると解約の原因になります。しかし、実際の解約が行われた際にそれらを事業者側が指標で判断するのは難しく、インタビューやアンケートを使用しないと気づくことすらできません。

具体的には下記の3点がサブスクECを解約する原因としては多くなりやすいです。これらの原因を改善してあげることが結果的に解約率改善につながるでしょう。

- 商品の量が多い/少ない
- 配達頻度が多い/少ない
- 月ごとに商品を変更したい

顧客のライフスタイルに合わせたサブスク設計をするには?

マイページのカスタマイズ充実がポイント
「ライフスタイルに合わせづらい」という課題を解決する、寄り添うサブスクECにするには「マイページのカスタマイズ」を充実させてあげることが重要です。

サブスクECには会員用にマイページを設けていることが大半ですが、そこを改善することがポイントです。具体的には下記の様な機能があるかどうかです。

- ラインナップの充実
- 定期商品のレコメンド
- 配達スケジュール
  - お届け日
  - 周期変更
  - スキップ
- 柔軟な商品変更
  - on/offで商品切り替え
  - 追加商品/過去商品のレコメンド

これらは前述で述べたライフスタイルに合わせるための柔軟な機能が主になっています。具体的な活用事例を交えてご紹介します。

【ZENB】マイページフルカスタマイズ機能の利用事例

【ZENB】マイページフルカスタマイズ機能の利用事例

マイページを訪れた人とのコミュニケーションの場を、より普段使いするLINEと連携させた好事例です。

- LINE連携
- お届け日・周期、お届け商品の変更
- 商品の追加注文
- お届け先・クレジットカードの設定
- 定期便の解約

などの機能をマイページカスタマイズに入れております。
また、定期便の確認・変更だけでなく以下をLINEでできるようにカスタマイズしています。

- 商品・レシピの紹介
- FAQへの導線
- タイムセールのお知らせやアンケートの実施

さらには、継続したお客様にロイヤリティを感じさせるポイント制度や、そのポイントを定期購入時に使うためのクーポンとの交換ページも取り入れられております。

結果、定期便の解約率改善だけでなく、コールセンターの工数削減にも寄与し、売上も業務の効率化も実現しました。

機能利用する方法は開発 or アプリを使用する

機能利用する方法は開発 or アプリを使用する

参照

普段利用しているECカートにもよりますが、今回ご紹介したマイページのカスタマイズを実装するには大きく2つの方法があります。

1つは新たに開発を行うこと2つ目はアプリやプラグイン等を利用する事です。shopifyのようなオープンソースに近いものであればアプリやプラグインを公開している場合があるためそれらを利用することで実現することができます。

開発は時間とお金がかかるがアプリなら入れて設定するのみ!

開発を行う場合は、社内で開発をおこなうか、外注して依頼する場合があるかと思います。いずれにしても一つの機能を実装するためにお金と時間が多く必要になってしまうことがあります。開発と比較するとアプリの導入は比較的に手軽に機能を実装することができるため、おすすめです。
今回ご紹介したアプリでは株式会社ハックルベリーが運営する「定期購買」アプリを利用した事例です。

いかがでしたか?顧客起点の解約率改善には様々な方法がありますが、今回はマイページのカスタマイズを行う事で改善する方法をご紹介しました。

詳しく気になる方はセミナーも開催予定ですので、ぜひご参加ください。

ハックルベリーセミナー開催告知1/30(火)

ハックルベリーセミナー開催告知1/30(火)

株式会社ハックルベリー(東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤 祐輔、以下「ハックルベリー」)は、株式会社 ZENB JAPAN(愛知県半田市、以下「ZENB」)と、「ユーザーフレンドリーな定期は解約率を下げてLTVを最大化する!」をテーマにオンラインイベントを開催することをお知らせします。

【ウェビナー内容】
- サブスクビジネスをするうえでの課題や市場理解
- パネルディスカッション/ お客さま目線に立ち反映してきた事例・着眼点
- 「定期購買アプリ」におけるやさしいサブスク機能とは
- 質疑応答

【ウェビナー 情報】
日時:2024年 1月30日(火)
時間:14:00 - 15:00
会場:オンライン開催
参加費:無料(事前のお申込みが必要となります)
主催:株式会社ハックルベリー
備考:事前質問を募集いたします

詳細はこちら


著者

安藤 祐輔 (Ando Yusuke)

東京消防庁に入庁後、筑波大学体育専門学群へ進学。スポーツ経験のある学生の採用に特化した採用支援事業を学生時に起業し、ケンコーコム(現Rakuten Direct)へ。その後、海外向けEC事業などに携わり、Socketを創業して「Flipdesk」をリリース。代表を退いた後、「Shopify」向けアプリの企業であるハックルベリーを立ち上げた。計4度の起業。
ハックルベリーでは、「Shopify」向けの集客アプリの開発を行っている。

https://huckleberry-inc.com/