Shopifyの公式サブスクアプリ「shopify subscriptions」が公開!機能や既存アプリとの違いは?

安藤 祐輔

Shopifyが「Shopify Subscriptions」アプリを公開しました。このアプリはShopifyストアと連動するもので、管理画面から離れずにサブスクリプションの作成と管理が行えるというもの。早期アクセス版が公開された段階なので、特定のマーチャントのみが利用可能となっていますが、果たしてどんなアプリで、どんな影響があるのでしょうか。Shopifyアプリ開発のリーディングカンパニーである、株式会社ハックルベリーのCEO 安藤 祐輔が解説します。

shopify subscriptionsとは

Shopifyがサブスクや定期便に利用できる公式アプリ「shopify subscriptions」の早期アクセス版を7月27日 に公開しました。(参考) 一部マーチャントのみが利用可能で、一般にはまだ利用できません。 日本では情報もまだ少ないため、今回の記事ではどんな利用方法ができるのか、気になる機能面から現状の公開されているサードパーティアプリとの比較などをご紹介します。

shopify subscriptionsでできること

shopify subscriprtionsでは定期便(サブスク)での販売をするための標準機能が備わっています。そのため、オンラインストア上で定期便(サブスク)の商品を販売することができます。
定期便は一度契約していただくと解約するまで定期的に商品を自動で購入していただくため、安定的な売上を作る事ができます。

■shopify subscriptions具体的な機能一覧

 ・自動請求サブスクリプションの作成
  ・毎週
  ・毎月
  ・毎年
 ・サブスクリプションプランの契約設定
  ・変更
  ・スキップ
  ・一時停止
  ・キャンセル
 ・サブスクリプション商品の割引設定
  ・金額
  ・割合
  ・定価
 ・オンラインストアにサブスクリプションウィジェットの表示
 ・サブスクリプションの詳細を表示する。
  ・商品ページ
  ・カートページ
  ・サンキューページ
 ・サブスクリプション注文に関するメール通知をお客様に送信する。
 ・サブスクリプションに関するデータ分析
  ・有効化、一時停止、キャンセルされたお客様のデータ

shopify subscriptionsのメリット・デメリットは?

shopifysubscrptionsを利用する上でのメリット・デメリットを解説します。

メリット

「無料利用可能」
最大のポイントは無料利用が可能な点です。
現在公開されているサブスク系のサードパーティアプリではテストストアは無料ですが、正式な利用には有料の場合が多いです。まずはサブスク初めてみようという入り口のアプリとして気軽に利用できることは非常に嬉しい点です。

「サブスク機能がすぐに使える」
shopify上でアプリをインストールするだけでサブスク機能をすぐに利用できる点です。
上記で紹介した無料という部分も相まって利用のしやすさは非常に大きいメリットです。
 
「公式公開アプリ」
サードパーティアプリとの違いとしても挙げられますが、公式アプリであるため、安心して利用できる点やマニュアルがしっかりと整備されていることもメリットになります。
サードパーティアプリのようにサービスの質やサポートが安定していると、利用のしやすさが上がります。

デメリット

「細かい機能設定ができない」
shopify subscrptionsを利用する最大のデメリットは細かい機能設定など拡張性やカスタマイズ性が高くない点です。
それぞれのオンラインストアのサービスによって利用したい機能が異なると思いますが、それらに対応することができません。
あくまでも初めてサブスクを利用したい方向けのアプリになっているため、
サイトデザインや機能面にこだわりたいのであれば既存のサードパーティアプリの方がいいかもしれません。

アプリの選び方から見る既存アプリとの違い、比較

アプリの選び方から見る既存アプリとの違い、比較

基本機能

shopify subscriptionsでは基本的な機能に関しては既存のサードパーティアプリと遜色無く使用することができます。
主に必要な機能としては下記になります。
いずれも公開されている範囲での機能としては揃っているため、最低限の定期便としての運用は可能です。

・注文サイクル
・初回割引
・決済日の固定
・定期契約の「変更」「解約」「スキップ」「一時停止」
・マイページでの契約変更
・メール通知

あったら便利な機能

あったら便利な機能は現状公開されている範囲だとshopify subscriptionsでは利用することがほとんどできません。
これらを駆使して売上向上を図る場合、サードパーティアプリを利用すると良いでしょう。
具体的な機能例としては下記などがあります。

・解約アンケート
・CSVエクスポート
・ボックス機能
・解析機能
・会員ランク機能
・マイページのフルカスタマイズ機能

価格

価格の面では他のサードパーティアプリと比較するとshopify subscriptionsのみが完全無料で利用が可能です。
他アプリの場合、月額料金が無料でも決済手数料が一部発生します。
shopify subscriptionsからまずは定期便やサブスクを利用してみて本格的な機能やカスタマイズはサードアプリに移行することがベターであり、shopify側の潜在的な意図が価格と機能から伺えます。

サポート体制

サポート体制に関しては他アプリでも対応範囲が大きく異なります。
細かい設定周りのサポートを行っているアプリもあれば、基本的にサポートがほとんどないアプリもあります。
shopify subscriptionsの場合、shopify側で予め設定周りのマニュアルが公開されるため、単純な比較はできませんがサポート対応に力を入れてないアプリに比べると公式の強みは十分にあります。

まとめ

今後一般公開を控えているshopify subscriptionsですが現在公開されている範囲の情報を今回はお届けしました。
サブスクに必要な最低限の機能面が揃っており、価格が無料であることから既存のサードパーティアプリとは差別化がされています。
初めてサブスクや定期便を始めようとする事業者の入り口アプリとして今後広まっていくことが予想されます。


著者

安藤 祐輔 (Ando Yusuke)

東京消防庁に入庁後、筑波大学体育専門学群へ進学。スポーツ経験のある学生の採用に特化した採用支援事業を学生時に起業し、ケンコーコム(現Rakuten Direct)へ。その後、海外向けEC事業などに携わり、Socketを創業して「Flipdesk」をリリース。代表を退いた後、「Shopify」向けアプリの企業であるハックルベリーを立ち上げた。計4度の起業。
ハックルベリーでは、「Shopify」向けの集客アプリの開発を行っている。

https://huckleberry-inc.com/