なぜあなたのECサイトはスルーされるのか【書籍プレゼント付き】「ガイアの夜明け」元ディレクターが明かすPR戦略
「自社の商品やサービスの良さを広めるために一生懸命書いたコピーがお客さまに響かない……」。もちろん、“刺さる物語”が重要とわかっている。成功事例の模倣もしている。でも実践してみると「何を」「どう伝えるか」がわからない……。
実は、「読まれない発信」には明確な“理由”がある。そこで今回は、マスコミも顧客も引き寄せる「ストーリー」の作り方を紹介したい。
書き手は、人気テレビ番組『ガイアの夜明け』の元ディレクター。無名の小さな会社が、広告費をかけずに何度もメディアに取り上げられ、信頼を勝ち取るための法則を「取材される企業は何が違うか」という視点から教えてくれる。
※『タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略』を抽選でプレゼント! 物語やストーリーでサイトの信頼性を高めたいと願っている方はぜひ応募してください(応募締切は2026年4月24日)
思いを綴っているのにお客さまに刺さらない
2025年12月にECのミカタの主催で開かれたカンファレンス「2025年の『変化』と2026年の『攻略』」』のプレゼンテーションに、「ECサイトでオウンドメディアを開設して情報を発信している企業の売上の伸びが顕著である」という報告があった。
ECサイトの運営者がAIの力も借りながら、自らの言葉で語り、説明したりすることで顧客の安心感が高まり、強い信頼を醸成。AI検索の登場による「キーワードから相談」という検索手法の転換にも対応できるようになるという。
この報告には深く納得したが、同時に、「なかなか難しいのではないか」と感じたのも事実だった。
多くの企業のHPやECサイトには企業の経営理念や沿革、また創業の物語が掲載されている。しかしそれらは、「必要なメニューの一つ」として用意されているにすぎない。それ自身が企業哲学や姿勢を強くアピールするほどの力を発揮している例は少ない。
またSNSやX(旧ツイッター)を利用した情報発信でも、思ったほど「食い」がよくないことが多いのではないだろうか。
自分たちは真面目に、よい話を発信していると思っているのに、なぜ、それが閲覧者の気持ちに刺さらず素通りされてしまうのか。
筆者もフリーライターの端くれだから、いくつかの策は思い浮かぶが、この疑問にわかりやすく、深く答えてくれるのが『タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略』である。
著者は元テレビ東京の社員で、同局の看板ニュース番組である『ワールドビジネスサテライト』や、企業の革新的な取り組みを紹介する人気番組『ガイアの夜明け』のディレクターを務めていた人物だ。
書名にもあるとおり本書は、何度もテレビや新聞、経済雑誌に取り上げられ、それによって知名度を上げ、成長軌道に乗せた企業は、同じ情報発信でも他の企業と何が違うのかを解説している。
言葉を換えれば、報道関係者が「ネタになる」惹きつけられる企業には、どんな魅力が備わっているのか、という話である。それは同時に、一般の人々も惹きつけられるものである。
3つの軸での「ストーリー」を提示する
結論を先に書けば、商品に特徴がなくても、無名の会社でもマスコミからの取材が絶えない会社には、必ず「ストーリー」があるという。特に中小企業は、画期的な商品を持っていたとしても商品ではなくストーリーを売るべきだと強調する。
では「ストーリーとは何か」。
著者はそれを説明する前にまず、「ストーリーの軸」を忘れてはならないと強調する。つまり自社(自分)と世の中をつなぐ軸、言葉を換えれば「聴者(閲覧者)が他人事だと思っていたことが自分事になってしまうような軸の提示」が不可欠だと強調する。
そのストーリーの軸が3つある。①社会軸、②社長軸、③組織軸である。
社会軸とは、事業の軸が社会の改革につながっている、また自社が変化を起こそうとしている存在であるというストーリーだ。
たとえば、日本酒「獺祭」の旭酒造は、事業の目的を、「高品質の日本酒を安定して、かつ安く提供する」とした。業界の常識に囚われず、業界内の覇権争いとも距離を置き、新たな社会目的に挑戦する。こうした姿にマスコミは注目し、途中経過の報告も兼ねて何度も何度も取材をし、結果的に「獺祭」の知名度が上がった。
大手企業ならばソフトバンクの孫正義社長だ。若い頃から今に至るまで、「ソフトバンクの使命は、ITでの社会変革を主導すること」と唱え続けている。その発言と取り組みから人は目を離せなくなっている。
社長軸とは、まさに社長の生き方が世の中の変化を映し出していることだ。たとえば32歳にして父の急逝で東京・大田区の町工場「ダイヤ精機」を引き継いだ女性社長の物語。子育てしながら赤字経営の会社を建て直した一連のストーリーと将来への夢は、何度聞いても勇気を与えられる。また先の孫社長は、起業家として社長軸のストーリーでも注目された。
組織軸とは、働き方の新たな可能性を見せてくれる企業のこと。たとえば従業員一人ひとりの「経営者指数」という通信簿でボーナス額が決まるメガネ21。また3カ月に一度の役員合宿やユニークな役員交代制度などを導入しているサイバーエージェント。同社の藤田晋社長は、「史上最年少の社長で上場」という社長軸でも知名度を上げ、それを組織軸へと転移させたなかなかの凄腕の持ち主だ。
3つの軸を検証できるフレームワーク
社長の創業物語を掲載していても、注目度が少ないという悩みがある。しかし著者によれば「読まれないには必ずワケ」がある。では、読まれない、注目されない原因をどう見つけるのか。
本書では、3つの軸それぞれで必要とされる条件、必要としない条件を考えるフレームワークを示している。
このフレームワークを利用してもう一度検証してみると、思いもしなかった発見があるはずだ。
その上で、それぞれのストーリーが、読む者や見る者にとってさらに興味深くなる(あなたと他者がつながる軸が太く、強くなる)手法がある。
たとえば振り幅。その詳細の紹介は本書に譲るが、テレビ番組の制作者らしい楽しくて、かつ私たちも真似ができるテクニックがいくつも紹介されている。
中小企業のニュースリリース発信法も
さらに中小企業がメディアに注目してもらうためのニュースリリースの作成法や発信法にもページを割いている。これなどは自社サイトで情報を見てもらえるようにする発信方法を解説してくれているようにも読める。
著者は、中小企業には、必ず注目してもらえる「素」があるとエールを送る。企業や商品開発の苦労など、大企業にはない人間くささ、泥臭さ、心意気があるのが中小企業だからだ。
それを見つけ、嘘をつかず、誠実に発信する。本書は、そのための本当に分かりやすいガイドブックである。
さて、この原稿と推薦本を読んでくれた人たちは、どんな人を惹きつけてやまないストーリーを語ってくれるだろうか。
下矢一良(しもや・いちろう)さんは、マーケティングコンサルタント(中小企業診断士)。早稲田大学大学院理工学研究科(物理学専攻)修了後、テレビ東京に入社。『ワールドビジネスサテライト』と『ガイアの夜明け』のディレクターを10年間務め、ソフトバンクを経て2017年合同会社ストーリーマネージメントを創業。
タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略
下矢一良 著
同文館出版
1900円(税別)
▼『小さな会社がルールを変える』を抽選でプレゼント! 物語やストーリーでサイトの信頼性を高めたいと願っている方はぜひご応募ください(応募締切は2026年4月24日)


