【第二回】商品のこと会社のことをちゃんと伝えてますか?
株式会社 米のさくら屋 連載コラム【全三回】
【第一回】愛され続けるECサイトを目指す
https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8674/
全てを一新するきっかけをくれた、大きな愛
米のさくら屋は、北海道の生産者が丹精込めて作った美味しいお米と北海道の魅力ある商品をお届けするお米屋です。私たちは北海道米のゆめぴりかを専門に扱うウェブショップを運営しております。
今ではメジャーとまでは行かないかも知れませんが、多くの店舗やウェブショップで「ゆめぴりか」が販売されております。米のさくら屋を始めた当初、ゆめぴりかを扱っていたお米屋は私たちくらいだったと思いますが、それから1年、2年と年月を重ねる毎に、あっという間に競合他社が数百店舗に増えました。そうして、それまでうなぎ登りだった売り上げはピタッと止まり、横ばい状態に。
このまま何もしなければ会社がなくなりそうだなぁと思い、広告費用を増やしたり、SEO対策をしてみたり、プレスリリースを出してみたり、とにかくお客様を増やす為に色んなことをしましたが結果はどれもいまいち。
増えるのは売り上げではなく経費のみ。。。そんな厳しい状態が1年くらい続きました。
そんなある日お客様から一本の電話が鳴りました。それは、常連さんからの超がつくくらいの大クレーム。出産の内祝いでつかってくれたのに、依頼主の名前と熨斗の名前を間違えてしまったのです。
「信用してあんたのとこ使ったのに!!」と延々と1時間近く説教され。私はもう平謝りするしかなく…
しかし、そのお客様が電話の切り際に「米のさくら屋を信用しているし、私はこの後もあなたのところを使い続けるよ。けど、こういうことが他に起きないようにきつく言ったんだ。」との言葉を頂き、私は思わず涙を流してしまいました。
出荷件数が増えれば増えるほどサービスは手薄になってしまう。さらには、常連様へのサービスまでも手薄になっていく。それでも売り上げを増やしたいと新規のお客様集めに必死な自分。
新商品を増やすのもただ「美味しい」から。そこには何も想いやストーリーがない。こんなことをやっていてはいつかダメになってしまう。そう気づかせてくれたのがあの大クレームでした。
そして、私は全てを一新することを決意しました。
商品の魅力を『伝える』=お客様と『向き合う』
商品も50種類くらいあったアイテムを30種類くらいに絞り、一つひとつの商品に何故この商品を作ることにしたのかなどストーリーや誕生秘話など入れるようにしました。
例えば米のさくら屋の新商品「千代の甘酒」。
この甘酒のネーミングに私の92歳になる祖母の名前が使われています。
私が起業して間もない頃から米のさくら屋を手伝ってくれています。どんな仕事でも嫌な顔せず笑顔でハンコを押してくれたり、お米を詰めてくれたりと色んなことを手伝ってくれています。
92歳でもバリバリ働いている祖母は何か特別なことでもやっているのかなと思い、ある日祖母に聞いてみました。仕事もしているけど毎日欠かさず飲んでいるものがありました。
それが「甘酒」です。
それを聞いて私は祖母の元気の源は「甘酒」にあるのかも!?と思い、甘酒のことを色々と調べ始めたのです…
このストーリにはもう少し続きがあるのですが、このような商品開発ストーリーなどもしっかりとお客様に『伝える』こと
で、お客様にも私たちの想いが伝わっていくものだと思います。
また、今までは新規顧客を集めるために広告費をかなり使っていたのですが、現在はほとんど使用していません。広告費を使うより、どのように商品や「米のさくら屋はこんな会社だよ」ということを『伝えて』行くかに今は重点を置いています。
そのため、それまでは会社のことや私が米のさくら屋をやりはじめたきっかけなどを書いた冊子はなかったのですが、12ページわたって米のさくら屋について書いてある冊子を作り、それも商品と一緒に同梱し、お客様の元へ届けていきました。
私たちが商品の魅力や会社の想いをのせた冊子を同梱したことで、60%くらいだったリピート率は今では80%以上を維持しております。
価格訴求のみではいつか会社がダメになります。私のまわりでも、安売り競争にはまってしまい、最終的に破産してしまった会社もありました。
会社の存在意義や会社の価値、商品の魅力をしっかりとお客様に『伝える』ことが大切だと、私たちは考えております。