特別企画:ASPカートが見据えるECの未来【カラーミーショップ編】
今やモールとともに当たり前に存在する独自ドメインのEC店舗。その中でも更に手軽に始めることができるASPカート。
ASPカートで店舗を持つ意味、存在の意味、理解できていますか?
今回は、「カラーミーショップ」をはじめとしたサービスを展開する、
GMOペパボ株式会社の取締役 EC事業部 部長 星隼人 氏、
GMOペパボ株式会社 EC事業部 カラーミーショップグループ プロモーションチーム リーダー 佐山 祐太 氏に伺いました。
特別企画:「ASPカートが見据えるECの未来」目次
・【成り立ち】https://goo.gl/Gdljww
・【CARTSTAR編】https://goo.gl/jT8kuH
・【FutureShop2編】https://goo.gl/hlUZ30
・【MakeShop編】https://goo.gl/oEQZwK
・【カラーミーショップ編】
・【ショップサーブ編】https://goo.gl/tjyoGN
老舗ASPサービス「カラーミーショップ」
GMOペパボ株式会社(以下、GMOペパボ)が提供する「カラーミーショップ」は、2005年にサービス提供を開始し、昨年2015年に10周年を迎えた。
GMOペパボは2003年に福岡で創業。当時、レンタルサーバーの利用料は月額数千円だったのに対し、GMOペパボが提供する「ロリポップ!」は月額250円からという手軽さで「おこづかいで借りられるレンタルサーバー」として広まった。 “個人がインターネットで表現する時代“が到来し、個人がホームページを持ち、自分を外の世界へと発信していった。2004年頃からブログがブームとなり、「ブログ感覚で簡単にネットショップを作れるサービスには需要があるのでは」と考え、2005年に「カラーミーショップ」がスタートした。
「当時ネットショップを開業するとなるとかなりコストもかかり、凝ったショップを作ろうとすると、知識も時間も必要でなかなか思い通りのショップを作れないという状態でした」と星さんは当時を振り返る。そういったニーズにこたえるべく「カラーミーショップ」は「低価格」で、「ブログを書く感覚でネットショップを開設できる」簡単な操作とデザインの自由度の高さに重点を置きサービスをスタートした。
しかし近年、ネットショップに対する価値観やニーズが変わってきているようだ。「簡単・安価にネットショップを開設・運営したいというのではなく、ネットショップでこだわりの商品を売りたいというニーズに変わってきているように感じます。」と星さんは言う。そのニーズに応えるべく「カラーミーショップ」は様々なイベントの開催をしている。
“リアル”へこだわる人間味溢れるASPサービス
ネットショップは開店したら終わりではなく、開店してからがスタートと言える。しかしショップオーナーからは「お店を始めてみたけれどなかなか売れない」「ネットショップを1人で運営している事に孤独を感じる」など様々な悩みが聞こえてくる。そこで「カラーミーショップ」はワクワクしながらECサイトの運営をしてもらいたいという想いから、ネットショップ開店セミナーや、ショップオーナー交流会など様々な“リアルイベント”を開催している。
「ショップオーナーとカラーミーショップ運営者、また、ショップオーナー同士がリアルな場で交流することによって、横のつながりができ、運営に役に立つ情報交換や、今後のショップの成長のきっかけとなる刺激やヒントを得ることができ、運営モチベーションの維持につながっていると感じています。現在約44,000店舗にご利用頂いているのですが、全ショップオーナーに直接会いたいです。」と佐山さんは言う。
また、ネットショップ構築・運営において創意工夫を凝らしたネットショップを発掘し、表彰するコンテスト「カラーミーショップ大賞」を2014年から開催している。佐山さんは「このコンテストを通じて日ごろ頑張っているショップオーナーさんにスポットを当てたいと思っているんです。スポットが当たることによって、他のショップオーナーさんの憧れの存在になっていただきたいですし、何よりも運営のモチベーションをあげてもらう機会になってもらえたら嬉しいです。」と語っており、オンラインでのサービス提供だけでなく、オフラインでの繋がりを大切にするその想いが込められた「カラーミーショップ」は、人間味溢れるASPカートだと言える。
最高のショッピングカートであり続けるために
2015年に10周年を迎えた「カラーミーショップ」は、今までの経験を盛り込んだショッピングカート機能の改善を行う「新カゴプロジェクト」を2015年に発足した。ショッピングカート機能はASPサービスの様々な機能に連動しており、売り上げにも直結する重要な機能であるといえる。
その仕様変更には多くの時間と作業が伴うため、多くのASPサービスにおいて、ショッピングカート機能が大きく改善されることはあまりない。「これから先10年20年、ショップオーナーの皆様、購入者の皆様にとって有益なサービスでありたいですし、なにより愛着を持ってご利用頂けるサービスでありたいと思いショッピングカート機能改善を行うことに決めました。」と星さんは言う。
「新カゴプロジェクト」の開発において「1:新しい技術を積極的に取り入れる」「2:「最高のショッピングカート」とは何かをとことん追求する」「3:常に改善しつづけられる仕組みをつくる」「4:スマホからの購入を意識して開発する」をモットーとしているとのこと。まさに先を見据えたプロジェクトと言える。
「購入時のストレスを最小限にするため、入力したメールアドレスを同時に大きく表示し、二度入力することなく確認することができたり、金額が変わる場合はアニメーションで動くなど、普通のカートより使いやすく、ちょっと楽しいカートになりました。」(佐山さん)ショップオーナーはもちろん、購入者の「ワクワク体験」を実現する「新カゴプロジェクト」今後どんな機能が追加されるのか目が離せない。
ショップオーナーの想いを具現化できるカート
「カラーミーショップをご利用いただいているショップには、扱っている商品へのこだわりはもちろん、サイトデザインに特徴的な独自ブランド性を表現している店舗が多く見受けられます。」と星さんは語る。
「カラーミーショップ」は80種類ものテンプレートがあり、その全てがHTMLやCSSを使い自由自在にカスタマイズすることが可能だ。カスタマイズにより、ショップデザインにオリジナリティを出し、他店舗との差別化を図り独自の「特色」を存分に発揮できるのだ。どれだけ特徴的な商品を扱っていても、他社と似たようなものであると、どうしても価格競争に陥ってしまう。
「商品に対する想い、ショップにかける想いをショップデザインに視覚的に表現することで、購入者もそのショップオーナーの想いに共感し購入に繋がる、つまりショップオーナーの「想いやストーリーも含めての商品」を求める購入者が増えているように感じています」(佐山さん)
ASPサービスには「手軽・簡単・低価格」から、今後「体験」が求められていくのだと思う。
売れるための機能や仕組みを提供するのはもちろん、イベントやセミナーを通じてショップオーナーのモチベーションを高め、サービスに愛着を持ってもらうこと、さらに機能の改善・改良により購入者にもネットショップでの「ワクワク体験」を提供している「カラーミーショップ」は、ショップオーナーの想いを具現化できるASPサービスと言える。
これからのECは「モノ」で勝負するだけでなく、「想い」で勝負するフェーズに来たのかもしれない。