リピート通販成功の秘訣は、購買心理の理解にアリ!

ECのミカタ編集部

 リピート通販で自社オリジナル商品を売るためには、商品の質を上げる、接客を手厚くする等といった様々な施策が必要だ。しかし前提として重要なのが、自社商品のターゲット心理を理解すること。

 その消費者の心理について、食品・化粧品特化のOEMメーカーである、株式会社ネオサークル 営業企画部 鈴木 翼氏、織田 真由美氏に話を伺った。

OEM事業から見る、リピート通販商材の売り方

OEM事業から見る、リピート通販商材の売り方左:鈴木氏、右:織田氏

ー御社はどういった事業をされているのですか?

鈴木:弊社は食品・化粧品に特化したOEMメーカーとして、お客様から依頼を受けてその会社のオリジナル商品を作っています。今まで、様々なリピート通販を行っているECサイト様の、オリジナル商品を開発してきました。売れる商品を作るため、原料選びや製造などからアフターフォローまで、手厚く行っています。そこで改めて、強く実感したことがありまして。それは、売れる商品を作る第一歩として、商品ターゲットの消費者の購買心理を十分に理解することが重要だということです。

ー消費者心理ですか。分かっているようで分かっていない方も多いような気がします。

織田:例えば女性と男性、また年代によっても、購入まで至る理由は大きく違います。特にリピート通販は、自社が販売する商品ターゲットの消費者心理を読み、心を掴むことによって、次回の購入へ繋がっていくのです。

年代で変わる、消費者心理

ー具体的にどのような分類の消費者心理があるのでしょうか?

鈴木:年代によっても消費者心理は違います。若年か中高年かで、商品の作り方やアプローチの仕方が変わってくるのです。まず、“どうしたら消費者がリピートしたくなるか”という部分。若年の方は、商品効果を重要視する傾向があります。商品効果を感じられないと、リピートはされにくいのです。一方で中高年の方は、販売者に愛着が湧いて会社自体を好きになり、リピートに繋がる傾向があります。そのため頻繁にコミュニケーションを取ったり、サポートを強化すると効果的です。

ー確かに、中高年の方の購入において「あなたが毎回親切だから、今月も同じ商品購入するわ。」という声を聞いたことがあります。

織田:どうしたらリピートしたくなるかという部分も重要ですが、消費者に“自社商品を忘れられないようにする”ということもリピート通販においてはポイントです。タイミングを合わせて、思い出してもらうことで、リピートへと繋がりやすくなってきます。そして消費者へアプローチする有効なツールも、若年と中高年とで違いがあります。

ー商品の売り方だけでなく、アプローチするツールにおいても相違があるのですね。

織田:はい、時代の流れに伴った違いがあります。それは、若年の方においては、メールで頻繁にアプローチすると反応がある傾向があります。しかし中高年の方には、冊子を半年に1回などのペースで家まで届けることによって、商品を思い出してもらえるのです。しかしツールに違いがあっても、共通する点が1つ。それはメールや冊子に“おもてなし”の心を入れるのです。文の初めに、「いかがお過ごしでしょうか?」や「寒くなってきたので、お体にお気をつけて。」といった言葉を入れることで、思い出す+αで温かい店舗というイメージが付きます。その小さなおもてなしの積み重ねが、リピート顧客へと変化していくのです。

男女で変わる、消費者心理

ー年代以外にも、消費者心理の違いが出るところはあるのでしょうか?

鈴木:あります。もう一つ大きな違いですと、男女です。双方の心理の違いを理解することで、自社商品のターゲットへの売り出し方が変わってきます。男性は、論理的な理由のもと商品を購入。商品のスペックを重視するのです。一方の女性は、商品の雰囲気で購入を決意します。漠然としたイメージの中で直感を働かせているのでしょう。

ーわかる気がします。(笑)その場の雰囲気や、頭の中にあるイメージで商品を選ぶんですよね。

鈴木:面白いデータがあります。育毛剤の商材で、男性用と女性用どちらも成分は同じなのに、女性は男性用を購入したりします。それはCMで男性用の商品が印象的だったり、男性用の方が効果がありそうという雰囲気的な理由があったのです。女性がスペック重視しないことがわかる事例ですよね。

詳しい男女の購買意識の違いはこちらから

消費者の最終ゴールを見据えること

ー興味深い消費者別の購買心理を伺うことができました。最後に、全消費者共通の心理はありますか?

織田:消費者は商品を買っているのではないということですかね。商品ではなく、あくまでも“商品を使ったことによって得られる効果”に期待をして、お金を払っているんです。だからただ商品を作るだけではいけない。消費者が利用した際の効果を最大化するために、妥協せずにオリジナル商品を開発していくべきなのです。そういった気持ちを商品に込めれば、消費者の悩みを解決できる可能性も上がり、商品をお守りのように使ってくれます。

ー消費者の最終的なゴールを見据えることも、リピート通販において成功する秘訣なのですね。

織田:消費者の期待を超えられるように、自社商品のターゲットの心理を深く理解して、商品開発や販売を行うことが成功への第一歩だと思います。

「どうすれば売れる商品が作れるのか?」ネオサークル 鈴木氏のコラムはこちらから


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