JTB/日本運輸/三越伊勢丹が資本提携、海外事業展開へ

ECのミカタ編集部

訪日観光客や日本のECを訪れる海外ユーザーの存在が増えてきており、海外消費者との接点が多くなってきた。そこで、海外の消費者とより良い関係性を築くために、JTB・日本運輸・三越伊勢丹の3者が共同で出資し、新会社を設立した。

課題は海外消費者との“接点拡大”と“関係性構築”

 株式会社ジェイティービー、日本運輸株式会社、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの3社は共同出資し、インバウンドビジネス・海外事業展開・自治体の地方創生の成長・創造を目的とした株式会社Fun Japan Communications(以下、FJC)を設立した。また、日本航空株式会社(以下、日本航空)はFJCと業務提携し、アジアにおけるサービスをさらに強化していく。

 現代は、「訪日旅行者の増加」「2020年東京オリンピック・パラリンピック」「TPPを始めとする自由貿易の拡がり」など、海外消費者をターゲットとしたビジネスの外部環境がめまぐるしく変化している。そういったなか、インバウンドビジネス・海外事業展開・越境ECなどを推し進める上で、日本企業・自治体などが抱える共通の課題は、海外消費者との“接点拡大”と“関係性構築”にある。

 これらの取り組みは各社単独では投資負担・リスクも大きいため、アジア地域の消費者接点・関係性構築で実績のあるWEBメディア「Fun!Japan」を基軸に、トラベル・リテール・物流・エアラインの異業種アライアンスを構築することとなった。これにより、現地消費者との関係性をより堅固なものにできると考え、合併会社を設立する運びとなった。

 「Fun!Japan」とは、アジアの現地消費者へ、日本の素晴らしさを紹介するWEBメディアである。Facebookファン数330万人、WEB会員数33万人であり、日本紹介サイトではアジア地域No.1の規模を誇る。現在、インドネシア・タイ・マレーシア・台湾の4ヵ国に展開しており、海外進出企業・インバウンド推進企業の日本企業・自治体に対し市場調査やプロモーションサービス等を提供する。

 今後各社の経営資源・サービスを連携させることにより、日本とアジアとの架け橋、日本の成長への貢献を図っていく。

アジア地域におけるEC市場

 アジアにおけるサービス拡大を目指す、今回の提携。では、アジアにおけるEC利用率というのは、そもそもどのようになっているのだろうか。株式会社インテージとグループ各社が協力して実施した調査「アジア4都市のオンラインショッピングの利用実態」を基に明らかにしていく。

 まず、バンコク(タイ)、ジャカルタ(インドネシア)、ホーチミン(ベトナム)、デリー(インド)のオンラインショッピング利用率は、ホーチミンが31.7%と最も高い。次いで、デリー23.6%、ジャカルタ22.0%、バンコク16.5%となった。

 次にEC利用の理由に関して、4都市共に「自宅への配送」と「購入のしやすさ」が高かった。次いで、「価格が安い」、「品揃えが豊富」が続いた。この結果から、実店舗に買い物に行く不便さの解消が、あることがオンラインショッピングの需要に繋がっていることが分かる。

調査の詳細はこちらへ

 アジアのEC利用者には、一度日本を訪れて、帰国後にECを通して日本の商品を購入することも多いだろう。帰国後も「日本の商品を購入したい!」と思ってもらうためには、日本とアジア消費者の間で“良い関係”を構築する必要がある。そういった意味でも、今回の取り組みは、日本とアジアの繋がりの一つとなってくれるのではないだろうか。


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