楽天、21県25校で高校生向け電子商取引授業「楽天IT学校」を開始

楽天株式会社は、ECモール「楽天市場」の店舗運営ノウハウを高校生向けにアレンジした電子商取引授業「楽天IT学校」を21都県25校で開始した。

楽天のスタッフに加え、楽天の出店店舗や登録施設が地元企業として担当校の講師を務め、職場訪問、ネットショップの販売戦略立案、ホームページ作成による売り場の構築、商品プロデュース、実際の販売までの実践的な授業を約1年にわたり、実施する。

実践を通して店舗運営のノウハウを学ぶ

「楽天IT学校」は、楽天が高校生を対象に約1年にわたって実施する出張授業。「楽天市場」の店舗運営ノウハウを高校生向けにアレンジした電子商取引授業を通し、授業の後半では、各校による地域のPRも兼ねた販売実践も行う予定のようだ。インターネットショッピング運営の実体験を通して、実践的に電子商取引を理解する機会を提供する。

文部科学省の発表によると、2013年度から全国の商業高校で電子商取引授業の段階的な導入が決定。これを受け、「楽天IT学校」のニーズが高まり、全国の自治体や学校からの協力要請が増加したことから、2013年度の実施校は15校だったが、2014年度は21都県25校へと大幅に拡大したようだ。

「楽天IT学校」では、電子商取引授業を通じて起業家精神の育成、地域活性というミッションを掲げている。

出店者向け講義「楽天大学」を高校生に向けてアレンジした授業内容

講師は楽天スタッフに加え、地元の「楽天市場」出店者も勤める楽天×地元企業×生徒による新しいスタイルの授業を行っていく方針のようだ。2014年度は、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した経験を持つ出店店舗が多数参加するほか、高校生だけで運営していることで話題を集めているレストラン「まごの店」の商品を取り扱う出店店舗も参加するとのことだ。

授業内容は、ネットショップを成功させるための枠組みやノウハウを共有する場として、「楽天市場」の出店者向けに開講する「楽天大学」の講座内容をアレンジしたものになっている。

職場訪問やネットショップにおける販売戦略の立案、ホームページ作成による売り場の構築、商品プロデュース、実際の販売までといった実践的な授業が行われるようだ。

楽天市場出店者がプロの目線で評価「楽天IT学校甲子園」

最終的には、全国の「楽天市場」出店者が集結する「楽天新春カンファレンス」内で「楽天IT学校」を開講している全高校参加によるプレゼン大会「楽天IT学校甲子園」を実施する。

「楽天IT学校甲子園」とは、各校の代表1チームが授業で学んだことを、楽天市場出店者の前で発表し、楽天市場出店者がプロの目線で評価し、上位3校を決定する。2014年度は2015年1月末〜2月初旬に開催を予定している。

これにより、高校生間の電子商取引に関する知識などの習得状況やプレゼン方法などの成長レベルの共有も図る。

楽天は、将来的には「楽天IT学校」を全国47都道府県で一斉に実施することを目指している。