楽天、決済サービスを一本化へ。新生「楽天ペイ」始動
リアルも、ネットも。楽天が、決済のインフラに。
楽天株式会社(以下、楽天)は「楽天ペイ」に関しての説明会を実施した。
この説明会の内容によれば、これまで、楽天には、「楽天スマートペイ」、「楽天ID決済」など、様々なものが別々に存在していたが、今後はブランドを一本化して、楽天会員が今まで以上に、会員であるメリットを決済面で、有効活用しやすい環境を整えていくことになる。
一本化された決済サービスにはどんなものがあるのだろうか。まずは「楽天ペイ(実店舗決済)」。実質無料のカードリーダーを実店舗に提供し、このカードリーダーに差し込むことで、決済する。これをすることによる店側のメリットは、楽天銀行を指定口座にした場合は、365日、いつでも必ず翌日に入金されることにあって、「現金で取引したのと変わらない」。また、加盟店の業種を問わず、一律の手数料であるというのも評価が高い。また、このカードリーダは、今年の夏には、電子マネーにも対応することで、利用者増が見込まれている。
二つ目は、「楽天ペイ(アプリ決済)」で、、スマホのアプリを通して、決済をしようというものである。
例えば、その中で、QRコードを使ったものであれば、店がタブレットなどで500円と入力するとすぐにQRコードが出て、ユーザーはそれを読み込んでスマホ上でスライドするだけで、決済が完了するというものだ。セルフペイと言ってお客様自身がその店舗をアプリ上で検索して、金額を入力するだけで決済が完了するというものもある。
サービス統合でより楽天が楽天会員にとって身近なものに。
三つ目は、「楽天ペイ(オンライン決済)」で、これまでは楽天ID決済と呼ばれていたものだ。例えば、独自ドメインのサイトで、商品を購入する際に、クレジットカード情報をわざわざ入力することなく、楽天IDを持っていれば、それで決済ができるというものだ。109シネマズなどのチケット予約などの部分でもこのサービスが導入されているところは多い。
これらが一つの「楽天ペイ」というサービスとなる。
楽天経済圏というのは、よく言われることであるが、会場内で、楽天と話す中で、こんな話が出た。「楽天カードにしても実は、ネットでよりも圧倒的に、リアルでこのカードが使われているのです。光熱費なども楽天カードで、というお客様はとても多い。ということは、リアルな日常生活のスポットの至る所で、カードを活用し、楽天ポイントを得て、それをかなりの確率で、楽天に出店する店舗で活用しているということなのです」と。決済のインフラとなることで、結果、見えないところで、ECにも恩恵を得ているということがあるのだろう。
この「楽天ペイ」においても、ECサイト運営者にとってみれば、オンライン決済のイメージが強いが、インターネットの世界を超えて、実際は、実店舗の場面でも、特に決済で、楽天会員であることのメリットを感じる機会が増えてきたということだ。それらのサービスを統合することで、今一度、会員がこれらの決済における利用の機会を増やし、楽天ポイントの活用のメリットを実感することで、より楽天経済圏を強固なものにしていくことになるのかもしれない。
ポイント活用の機会が増えることは楽天利用の機会を増やすことでもあり、ひいては出店店舗のメリットになる。どれだけ楽天でのショッピングを触発させるのか。そして、こうした取り組みが、出店店舗に、また新たな明るい光をもたらすことを、祈りたい。