LINEカンファレンス2019、ECとリアルをLINEで行き来。あなたの街がメディアになる!?

石郷“145”マナブ(編集長)

 テクノロジーを通して、日常と今まで当たり前だと思っていた固定概念を、LINEが変えていく。

 LINE株式会社(以下、LINE)は今、「LINEカンファレンス2019」を開催しておリ、様々な取り組みが明かされている。気になったのは、コマースゲートウェイと称して、旅行やECなどに触れた文脈だ。まずは旅行に関連するところで、「LINEトラベル.jp」の進化だ。

 この説明を聞いて感じたのは「一つの街がメディアとなる」ということだ。どういうことか。今まで「LINEトラベル.jp」については、国内・海外格安ホテル・ツアー・航空券の検索・最安値比較ができる国内最大級の旅行比較サイトだ。つまり、これから旅行しようとする人にとって比較をするために、使われていたわけだ。

 だが、行ってからのお店などの情報に関しては、今までは、ガイドブックなどを活用していたりするのが圧倒的。ただ、そういうガイドブックはどこか画一的で、同じ店であり、その旅行の価値を最大化できているというわけではない。

 そこで、LINEがもう一歩踏み込んで、新たに「おでかけナウ」というサービスを提供する。これは、スマホの強みである位置情報を生かして、その場所にいれば、その場所におけるお店などの情報が表示されるもので、この情報源に関しては、オズマガジンなどの一流の媒体からのものとなっている。

街のポテンシャルを引き出す「おでかけNOW」

 これであれば、ガイドブックを持たずしても、仮にノープランでその場所に訪問したとしても、その場で映し出されたその情報に基づき、行動を決めることができる。つまり思うのだ。「一つの街がメディアとなる」と。

 しかも、LINEはユーザーでの情報を蓄積している。勿論、ユーザーの同意を得た上で、そのユーザー情報に基づき、この街の情報の中身もカスタマイズされるというわけで、より本人の趣味嗜好に合ったものが提供でき、満足度が高くなる。「LINEトラベル.jp」に並ぶ情報は、これにより、より意味のあるものとなり、旅行そのものの価値を高めていくのだと思う。

 予想の域を脱しないが、これは旅行を補完するものだけでなく、例えば「渋谷」という身近なシーンで使ってもいいわけで、例えば鉄道会社などと組んで、沿線価値を高めるなどということもできるのではないかと思った。

LINEの向こうに未来の買い物が見える

 2年前、弊社の媒体「ECのミカタ通信」でも大々的に発表した「LINEショッピング」であるが、こちらも依然として高い成長率を続けている。ECサイトのゲートウェイとしてLINEからそのユーザーを送客するもので、その手のサイトでは国内最大級になっている。2年で167%という高い成長率を遂げ、会員数も2700万人にのぼり、この中での回遊率の向上も見られて、商品の検索の割合も242%と増加しているという。それだけユーザーの日常に浸透しているということだ。

 ただ彼らの目指すところは、ECに限らず、コマース全体なんだとも思う。そこで注目したいのは、「ショッピングGO」の存在だ。例えば、財布の中に眠っている各実店舗のポイントカードに代わり、「ショッピングGO」上で、お店ごとにお得に購入できるよう特典を生み出す仕組みで、これを利用する店は、ビックカメラなど大手も取り入れており、加盟店数は1000店以上に増えて、その勢いを実感している。

 繰り返すが、彼らはLINEというアプリの向こう側に、リアル・EC問わず、もっと大きな「コマース」の存在があることを強く意識しており、彼らLINEが入ることで、ユーザーにとっての「買い物体験」の価値を向上させようというわけである。ユーザーの中にもネットを使っているという印象がないと思うし、ECやリアルだという垣根はもうないのだと思う。その中で、両者の垣根を超えて、リアルな街やショップはメディア化し、またそれは当たり前にECと融合して、買い物の質が変わっていくように思う。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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