eBayフルフィルメント・サービス開始〜進む業務の分業化〜

ECのミカタ編集部

イーベイ・ジャパン株式会社(所在地:東京都渋谷区、以下「eBay」)はこのたび、海外への販売にあたって必要となる受注管理/在庫管理、パッキングや配送などを販売国の倉庫で代行してほしいというセラー(販売者)の要望に応え、パートナー企業とともに海外向けにフルフィルメント・サービスを提供する体制を整えた。海外フルフィルメント・サービスは、型番商品を持っていたり、よりよいユーザー体験をバイヤー(購入者)に提供したいセラーに適したサービス内容となっている。

 フルフィルメントという言葉。EC事業者であれば聞いたことはあるだろうか。一般的に、ECを含む通信販売における受注・物流・決済などの業務を指す。このフルフィルメント領域は、倉庫ベンダーなどを中心に代行業務が幅広く提供されており、EC事業者がそれらのパートナー企業へアウトソースする例もよく見られる。

 今回、eBayが日本のeBayセラー向けに海外フルフィルメント・サービスの提供を開始すると発表した。

 分かりやすくまとめると、日本の販売社(eBayでいうセラー)は、販売国の倉庫にまとめて商品を送っておく。商品の購入者(eBayでいうバイヤー)からの受注が決まったら、現地の倉庫のベンダーがパッキングから配送までを行ってくれるという流れだ。

海外フルフィルメント・サービスのメリットを最大限享受するために

海外フルフィルメント・サービスを利用することで、バイヤーとセラーの双方にメリットが生まれる。両者の側面からそのメリットを挙げてみる。

【バイヤーのメリット】
・配送元が現地国(例: From United States)となり、国際配送に関わる不安(紛失等のトラブルの懸念)が解消される
・配送期間が短縮され、手元に早く届く
・関税負担がなくなる

【セラーのメリット】
・配送に関わる工数やコスト(人件費)の削減
・1 Day Handling(当日もしくは翌日の配送)にも対応が可能→落札手数料の10%ディスカウントが受けられる
・TRS+のロゴが表示され、配送が早いというイメージを演出でき、購買につながる
・返品先が現地国となり、バイヤーが返品しやすくなる(=日本への返送料を嫌って無理やりセラー都合のリターンにする可能性が低くなる)
・バイヤーの満足度が上がり、ポジティブなフィードバックを得られる可能性が高まる

eBayにおける海外フルフィルメント・サービス利用にあたっての注意点

 全ての商品にこのフルフィルメント・サービスを利用すれば良いのかというとそうではなく、このシステムに向いている商品がある。海外フルフィルメント・サービスの利用によってメリットが生まれやすい商品としては、以下のようなものが適しているので参考にしてほしい。

・型番商品(中古の一点モノではなく、新品で、ある程度以上の点数が確保できるもの)
・回転率が高い商品
・重量が比較的軽めの商品(頻繁に在庫追加する場合)

 また、海外フルフィルメント・サービスを利用するにあたっては、事前に認識しておかなければならない点や、気をつけておきたいポイントがある。

 まず、関税はセラーが負担するということ。受注後に日本国内から米国など国外へ配送する場合、関税はバイヤー負担となりますが、海外フルフィルメント・サービスを利用して事前に国外の倉庫に在庫を配送する場合、関税はセラーの負担となるので気をつけなければならない。

 次に、日本国内との併売は不可になるという点。国外の倉庫へ一定数の商品を配送してしまうため、当該在庫分については国内モールへの出品は難しくなる。倉庫ベンダーによっては国外(この場合は日本)への配送を行っている場合もあるが、時間もかかる上に配送料も高くついてしまう。

 そして、ある程度、回転率の良い商品でないと保管料が発生することもある。期間や料金はサービス提供者によって異なるので、事前にチェックしておかなければならない。

フルフィルメント・サービスの持つ役割がEC業界を支える

最後に、今回のリリースでeBayから紹介されたサービス提供ベンダーが2社あるのでご紹介しておく。

CONTINENTAL Global Service Ltd.
本社所在地:香港、日本オフィス所在地:愛知県名古屋市
URL:http://www.contin-global.com/
<会社/サービスの強み>
・保管料が一切かからない
・コストは基本的に商品配送時の費用のみ。その他の手数料をすべて含んだシンプルな料金体系
・日本在住、日本人スタッフによる日本語のカスタマーサービスあり


アラウンド・ザ・ワールド株式会社
本社所在地:東京都台東区
URL:http://www.ashmart.com/web/
<会社/サービスの強み>
・トラブルや返品・交換、セラーとバイヤーの橋渡しとしての役目を、各現地サポートにて実行
・日本人女性スタッフによるきめ細やかな作業全般に加え、日本語でのカスタマーサービスに対応。日本語、英語での対応が可能
・返品・交換で受け取った商品を現地にて受け取り、商品の動作確認と報告を行うことも可能


今回紹介したようなフルフィルメント・サービスは今後増加してくるだろう。EC業界において、もはやなくてはならない存在となりつつある。「餅は餅屋」という言葉があるように、専門家には専門家の役割があるのだ。

EC業界が好調になってくれば、販売業務にかかる時間とコストはますます膨らんでくる。効率的な販売形態を確立しているなら話は別だが、販売業務にかかるコストが経営利益を圧迫しているなど不安要素があるのであれば、国内・国外を問わずフルフィルメントサービスを導入してみるのが手っ取り早い解決策となるのかもしれない。

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