キタムラとCCC資本業務提携 新たなフォトライフの創出へ

ECのミカタ編集部

株式会社キタムラ(本社:神奈川県横浜市、以下「キタムラ」)は、平成29年5月15日開催の取締役会において、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(本社:東京都渋谷区、以下「CCC」)との間で、資本業務提携を行うことを決議し、CCCに対する第三者割当による新株式発行を行うことを発表した。これによりCCCが6月1日に筆頭株主(29.7%)となる予定であるとしている。

 キタムラは、「写真で実感する幸せ」を企業価値創造の中核に据え、写真プリントの販売において日本一のシェアを誇り、カメラ販売やスタジオなど1240店舗のネットワークや、800万人のキタムラネット会員を有し、デジタルカメラ・スマートフォンのシェアアップ、オムニチャネルの推進などに取り組んできた。

 事業の長期的な成長を重視し、「社会のデジタル化に対応した写真事業」への変革を目指していく中で、スマートフォンの販売を取り巻く環境の激変や、中長期的な既存商品の市場縮小という事態に対し、今回の事業構造改革の実施を決めたという。 それにより店舗接客力とECによる情報力・機動力を融合した当社独自のオムニチャネルを推進し、写真の新たな楽しみ方を可能とするビジネスモデルの早期確立に取り組みたいとした。

 一方、CCCはライフスタイルを提案する企画をこれまでいくつも作り出してきた。「TSUTAYA」「T-SITE」「蔦屋書店」などの生活提案プラットフォームを通じて、「ヒトと世の中をより楽しく幸せにする環境=カルチュア・インフラ」を創造している会社である。 CCCにおいても、写真を楽しむ生活(フォトライフ)の提案をしてきたが、写真の楽しみ方の変化を受け、更にこの分野を成長させるべく、今回の提携によって総合的なフォトライフ提案を強化したい考えだ。

CCCの提案するキタムラとの業務提携における具体的な狙い

CCCの提案するキタムラとの業務提携における具体的な狙い

 キタムラの店舗ネットワークと会員基盤、専門知識を持つ人材やノウハウと、CCCのライフスタイル提案力や店舗企画力、マーケティング力を融合し、より一層顧客価値の高い商品・サービスの開発を進めていく考えのもと、両社は以下の分野において業務提携の具体化を進め、事業拡大並びに企業価値の向上に努めていくとしている。

(1) キタムラ既存イメージングビジネスの収益性向上及び両社のイメージングビジネスの付加価値化
(2) キタムラの店舗網の再構築及び新業態開発
(3) 両社のデータベースを活用したオムニチャネル戦略の加速
(4) 新商品・サービス・新ビジネスモデルの確立
(5) モバイル関連の独自商品・サービスの共同開発
(6) キタムラの業務改善とコスト効率化

老舗のキタムラにCCCは新しい文化を根付かせることができるか

 写真を取り巻く環境はここ数年単位でも大きく変化していて、オムニチャネル化も急速に開発が進んでいる。両社の抱える幅広い年代層のユーザーに対し、リアルな店舗とECの垣根を超えた新たなイメージング体験を提供できるようになれば、ユーザーにとって満足度の高い商品・サービスの開発が可能になると感じる。

 「老舗」というイメージの強いキタムラと、新しい文化を次々と創出しているCCCとの資本業務提携はとても興味深い。文化の違う両社がうまく融合することができるのか。CCCがどのようにしてキタムラを改革していくのか。その手腕に注目が集まっている。

ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事