Amazonとメルカリの出品問題から分かる消費者の購買心理とは?【ECのミカタリサーチ】
明らかに怪しい商品を見かけたことはないだろうか。相場からかけ離れた格安商品や、日常生活では取引が行われることのない商品の数々。「ひょっとしたら自分は騙されているのでは?」と一旦ブレーキがかかるものの、自分に得があると判断すれば、商品を購入してしまう消費者が存在するのも事実である。
法律的にグレーゾーンと思われる怪しい商品に手を出してしまう購買心理とは、どのようなものなのだろうか。独自に行ったアンケートの結果から、「怪しいけど…欲しい!」と思う消費者の購買心理に迫り、事業者にとって必要な対策を考える。
最新ゲーム機が99円?Amazonマーケットプレイスで起きた「架空出品」
4月10日頃から「Amazonマーケットプレイスで購入した商品が届かない」とTwitterで騒がれた。この騒ぎの注目すべき点は、まずAmazonマーケットプレイスが、Amazon以外の業者や個人が商品の販売を行えるサービス、ということにある。
Amazonマーケットプレイスで、任天堂の最新ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」が99円など、定価よりも安すぎる商品で販売し、それを先払い指定で決済させるわけだが、商品到着期限が過ぎても一向に商品が届く気配がない。
そこで、詐欺行為に気付いた購入者は出品者に問い合わせるが、出品者は身に覚えのない問い合わせの殺到に混乱した。要は、何者かによって出品者側のアカウントが乗っ取られ、「架空出品」が行われていたのである。購入者は、出品者へ連絡後に最大30万円までの保証を受けることができるが、申請を行わなければ購入費用は主犯の第三者にだまし取られてしまう。
購入者の個人情報の収集が目的と推測された一連の問題であったが、Amazonには「すべてのユーザーのためのセキュリティ対策」という大きな課題が残った。
現金、領収書、妊娠米…問われるメルカリ出品者側のモラル
4月21日から22日にかけてTwitterで話題になったのは、「最安・迅速・丁寧」のメッセージと共に、現金40,000円が47,300円で出品されている様子のスクリーンショットであった。現金の出品は、麻薬取引や脱税によって得られた資金の資金洗浄(マネーロンダリング)として利用される可能性があったほか、クレジットカードのショッピング枠で「現金を購入することによって現金を得る」という、通称「クレジットカード現金化」として利用される可能性が指摘された。
メルカリはこの騒動を受け、即座に紙幣の出品を禁止。すると4月24日には、20,000円分のチャージ済み交通系電子マネー「Suica」や、パチンコの特殊景品の出品が話題に。「魚のオブジェ」と称し、現金一万