日本のファッションEC市場、2020年には2013年比85.7%増の見通し 経済産業省が発表

経済産業省は「日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査」の結果を7月16日に発表した。日本のファッションEC市場は2013年の1.4兆円(全体の規模に対するEC構成比率は8%)から、2020年には2013年と比較して85.7%増となる2.6兆円(同14%)まで拡大するとの見通しを示した。

中華圏、東南アジア圏などにおける市場・産業構造を調査

経済産業省では、日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査(平成25年度クールジャパンの芽の発掘・連携促進事業=ファッション業況調査およびクールジャパンのトレンド・セッティングに関する波及効果・波及経路の定量分析)を行った。

今回の調査では、クリエイティブ産業の中核であるファッション分野に着目し、中華圏(中国、香港および台湾を含む)、東南アジア圏、北米圏、西欧圏における市場・産業構造を調査、分析。グローバルマーケットで成功するためのポイントを抽出したとのことだ。

伸び悩む日本のファッション企業の海外進出 今後の展開は

日本のファッション関連産業について、2013年の市場規模は18兆円(アクセサリーなどを含む)。多くの日本ファッション企業が海外進出を志向しているが、ファーストリテイリングなど海外売上高が2割を超える企業は限定的で、国内上位企業の7割以上が海外比率10%未満に留まっているとした。

経済産業省は、日本のファッション企業の海外進出は進んでいないとしているが、今後新興国などに成長の可能性があると言及している。

主要国におけるファッション市場規模は、2013年に206兆円、2020年には325兆円へ成長し、中華圏は113兆円の世界最大規模の市場へと成長していくと予想した。

最も市場規模拡大が見込まれるのは中国

2013年の日本のファッションEC市場規模は全体の8%で1.4兆円。2020年には同14%の2.6兆円まで拡大するとの見通し。地域別で最も市場規模が大きくなるのは中国としており、ファッションEC市場規模は現在、全体の8%にあたる3.9兆円だが2020年には同21%の22.2兆円まで増加する見込みとのことだ。

日本ファッション企業の海外展開を成功させるビジネスモデルのひとつとして、「EC(電子商取引)展開型」を挙げた。同調査では、「EC展開型」として中華圏、東南アジア圏での適正が高いと評価。客層はアッパーミドル層、対象はファション全般。その理由としては、EC普及率が高く、中間層が急成長、日本ブランド群の認知度などをあげた。

ただ、EC展開には日本ブランド群の認知確率が必須と提言している。「メディアコンテンツ連携型」などの他オプションとの組み合わせが必要とまとめている。