ヤマト、各種決済サービスの精算業務一本化 EC事業者のコスト削減へ

ECのミカタ編集部

 ヤマトホールディングス株式会社傘下のヤマトフィナンシャル株式会社(本社:東京都中央区、以下「YFC」)とヤマトクレジットファイナンス株式会社(本社:東京都豊島区、以下「YCF」)は、現在2社それぞれが提供する各種決済サービスについて、事業者のコスト削減・業務効率化を目的に精算業務の一本化を6月1日から開始すると発表した。

 EC事業者はエンドユーザーに多様な決済手段を提供するため、複数の決済代行会社と契約しておく必要があった。代金引換、クレジットカード、後払いなど、支払い様式によって各社と精算手続きや事務手続きをしなければならない。ヤマトグループでは、YFC・YCFの2社において、通信販売で主要となる各種決済サービスを提供しているが、今回YFCが事業者への精算を一括で行うというサービスを開始すると発表した。

 つまり、これまではYFCの提供する「宅急便コレクト」と「クロネコwebコレクト」、YCFの提供する「クロネコ代金後払いサービス」においてそれぞれ別の請求作業や事務手続きが発生していたのだが、今回の一本化により、「クロネコ代金後払いサービス」もYFCでの精算が可能になったということだ。

一本化されることでのメリットとは?

 導入のメリットとしては、各種精算業務(代金引換・クレジットカード・後払い)が一括管理できるようになることはもちろんのこと、銀行振込手数料の削減や、精算サイクルの短縮(最短5日)などが挙げられる。YFCを利用しているEC事業者は地方の中小企業が多く、人手に余裕もないためこうした業務の一本化は歓迎されるだろう。

 一本化されるサービスについては以下のものになる。
(1) 宅急便コレクト(商品お届け時に代金引換、クレジットカード、電子マネーによるお支払い)
(2) クロネコwebコレクト(商品注文時にクレジットカード、電子マネー、コンビニオンライン、ネットバンクによる支払い)
(3) クロネコ代金後払いサービス(商品受取り後にコンビニエンスストア、郵便局でのお支払い)

単純作業を簡素化し「何をどう売るか」にリソースを割く

 小さな積み重ねでも、長い目で見ると大きなものになる。それは振り込み手数料のような目に見えるものもそうだが、作業の効率化という点においてもそうだ。上記でも触れたが、YFCを利用しているEC事業者は地方の中小企業が多い。

 EC事業はこれから「何をどう売るか」がますます重要になってくる。個性がものをいう時代に大切なのは、単純作業を簡素化し、商品や付加価値の向上にリソースを割いていくことではないだろうか。今回の一本化が中小企業の活性化の一助となれば非常に嬉しい。

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