和民「NIPPON PAY」を試験的に導入 国内外食チェーンでは初
ワタミ株式会社(東京都大田区)は、スマートフォンを使用した決済サービス「NIPPON PAY(ニッポン・ペイ)」を、6月12日(月)より、国内の外食チェーンでは初めて東京都内にある「和民」3店舗で試験的に導入を開始すると発表した。
先を見据えた「ワタミ」の取り組み。先行者有利となるか
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて着々と準備が進んできている。そんなニュースだ。居酒屋チェーン「和民」で国内の外食チェーンでは初めて、スマートフォンを使用した決済サービス「NIPPON PAY(ニッポン・ペイ)」が試験的に導入される。
「NIPPON PAY」は中国のスマートフォン決済市場で大きなシェアを持つ決済サービス「WeChat Pay」「Alipay」の両方に対応していることが特徴だ。両方の決済サービスに対応していることで、外国人観光客のユーザーが決済しやすい環境を整えた。海外から日本を訪れる観光客は増加傾向が続いており、2017年1~4月に911万6000人(前年同期比16.4%増)と大きく増えた。
「NIPPON PAY」は、ユーザーがスマートフォンでQRコードを提示し、店舗側がタブレットなどでこれを読み取ることで決済が完了する。2016年度には、ワタミグループの外食店舗を15万5000人の外国人観光客が利用したという。今後は、個人旅行のお客様に向けたインフラ整備を進めていく方針で、「NIPPON PAY」の導入もその一環だ。
6月12日(月)から導入する「和民」銀座5丁目店を皮切りに、6月中には「和民」浅草雷門店、「和民」新宿東口靖国通り店といった2店舗で順次導入していくとしている。3店舗ともに以前から外国人観光客のユーザーが多いことから導入を決定した。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて外国人観光客が増えることが予想される。ワタミでは海外で広く利用されている仕組みを導入することで利便性を向上させていくとした。
増えるインバウンド需要と多様な決済サービス。
スマートフォンのもたらした世界的な影響は大きく、人々の生活は変化した。最近では「NIPPON PAY」のようなスマートフォンを使用した決済サービスも増えた。今回、和民が「NIPPON PAY」を導入したのは「中国」という巨大市場を睨んでのこと。
日本政府観光局(JNTO)の発表によると2016年の1年間に日本を訪れた訪日外国人の人数は、過去最多となる2403万9000人(前年比21.8%増)だという。なかでも637万人(前年比27.6%増)の中国人観光客がトップだ。続いて韓国・台湾としており、アジア圏においてのニーズは強い。
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この記事中でも触れている通り、スマートフォンを使用した決済サービスは多種多様で、その特徴や強みもそれぞれ違う。ターゲットをどこに絞るか、きちんとユーザーの統計が取れているか、先見性はあるか。国内の外食チェーンでは「ワタミ」が一歩リードした形だが、これから需要とともに爆発的にキャッシュレスの決済サービスは増えるはずだ。これは実店舗だけにとどまらずECの分野ももちろん例外ではない。自社に導入するならばどういった決済サービスが有用なのか、知識を持っておく必要はあるだろう。