【スタートトゥデイ】第1四半期決算発表を受けて時価総額が初の1兆円超え

ECのミカタ編集部

 ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが7月31日、2018年3月期第1四半期決算を発表した。前期にリリースした「ツケ払い」サービス導入の効果や、出店を加速させた新規ショップの影響はどう出たのか気になるところ。

 さっそく数字から見ていきたい。

 商品取扱高が595億7,400万円(前年同期比40.9%増)、売上高が214億5,100万円(同39.4%増)、差引売上総利益が198億4,400万円(同43.8%増)という驚異的な伸び率を記録している。

何と言っても営業利益が79億8,100万円(同59.3%増)という点で爆発的な増益となった。

 これらの要因をスタートトゥデイ取締役CFOの柳澤 孝旨 氏は「前期および当期に出店を加速させた新規ショップの影響」と「ツケ払いサービス導入の効果」と「ブランドクーポン、あるいはエリアターゲティング広告等のプロモーションを効率的かつ効果的に実施したこと」が大きな要因だと語った。

 営業利益の59.3%増に関しては、第1四半期にとくに大きなプロモーションを実施していないので、プロモーション関連比率が1.5パーセントで非常に低い水準となっており、営業利益率が高い水準で第1四半期を終わることができた。

 個人的に興味深かったのが既存アクティブ会員1人あたりの年間購入金額と年間購入点数に関してだ。年間購入金額は6万3,004円。購入点数は14.1点。購入金額・点数ともに既存のアクティブ会員は常に上昇傾向にあるのだが、その主な要因としては新しいブランドの出店とブランドクーポンの効果だという。

 また、CRMシステムをリニューアルして、ユーザーにより多様なコミュニケーションを実施しているということで、順調に伸ばすことができているという。ユーザーインターフェイスの改善等によって、1注文あたりの購入点数が増えていることが大きな要因ということだ。

 そろそろ天井が見えても良いこの数字。ユーザーの需要に対する適切なサービスの供給と工夫・改善がしっかりできれば、ここまで順調に数字を伸ばすことができるのかと、関心させられる。

時価総額1兆円超えの企業の仲間入り。その先に見る課題と展望

時価総額1兆円超えの企業の仲間入り。その先に見る課題と展望

 様々な施策が複合的に良いシナジーを生み出し、結果として爆発的な伸び率を出したスタートトゥデイ。8月1日の株式市場で時価総額が初の1兆円超えを果たすなど、その勢いはしばらく止まりそうにない。

 2018年秋には物流センター「ZOZOBASE」を約2倍に拡張することや、年内にはICTやIoTを活用したプライベートブランドの立ち上げを発表しており、破竹の勢いは続きそうだ。

 しかし、昨今の物流問題に端を発するコストUPは避けられない。「ツケ払いを使って夏のボーナスで支払おう」と考えていた層も多いはず。「ツケ払い」自体の効果の持続性も不透明だ。こうなると新しいサービスやプロモーションとの相乗効果なども期待したいところ。時価総額1兆円超えのこの企業。まだまだ伸び代のある会社であることは間違いない。

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