ヤマトがクール便の新型車両導入。働き方改革がもたらす「気持ちの循環」

ECのミカタ編集部

 ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、以下:ヤマト運輸)は、2017年7月より、夜間電力で蓄電が可能な蓄冷板によってクール宅急便の車載保冷スペースを保冷できる新型車両を順次導入すると発表した。

 ヤマト運輸は、2014年4月にクール宅急便の積載容量に応じて車載保冷スペースの容量を柔軟に変更することができる可変式車両を導入するなど、クール宅急便の品質向上に努めてきた。一方で、従来の車両はエンジンを使い車載保冷スペースを冷却しなければならず、早朝に作業担当者が車両に荷物を積み込む際には、蓄冷剤やドライアイスなどを使用し保冷スペースを予冷する必要があったという。

 また、集配終了後には翌日の作業のために、蓄冷剤を凍結庫に格納しなければならないなど、セールスドライバーにとっても車載保冷スペースの予冷は大きな負担となっており、作業負担の増大は労働時間の伸長にも影響を与えていた。

 ヤマト運輸は「働き方改革」を経営の中心に据え、社員が安心して働ける健全な労働環境の構築を進めている。このたび、新たに開発した蓄冷板を利用した車両は、夜間電力を利用し蓄冷できることから、従来の蓄冷剤やドライアイスを用いた予冷作業が不要となり、社員の負荷を大幅に軽減し、作業効率が飛躍的に向上します。また、保冷のためにエンジンを使用しないことで、環境負荷も低減できるようになる。

冷たい荷物が届くという「当たり前」への感謝

冷たい荷物が届くという「当たり前」への感謝

 ヤマトはこれまでも「働き方改革」を推し進めてきた。それらの多くは配送時間の短縮、物量のコントロールなど、労働時間を短縮するための”ルール”作りに注目が集まっていたように思う。今回新たに導入される新型車両という”設備面”での「働き方改革」は、ドライバーの方々のモチベーション向上にもつながるだろう。労働環境にも地球環境にも優しい投資だ。

 インフラが整い、ありとあらゆるハイレベルなサービスが当たり前のように提供されるようになった今、私たちはその「当たり前」に慣れ過ぎてしまっていて、そういった事への感謝が薄くなってきているように思う。クール便のドライバーが早朝から荷台を冷やしていたなんてことはあまり意識していなかったし、配送が終わればそれで一日の仕事が終わるわけでもない。激務は続くのだ。

 こうした事に対して「ありがとう」「頑張ってね」というメッセージ性を込めた投資ができるヤマト運輸は純粋に素敵だなぁと感じたし、自分が荷物を受け取る際もドライバーの方に「ありがとう」の気持ちを伝えようと思った。その気持ちの循環が世の中をすこしづつ良くしていくのだろう。

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