日本郵便株式会社（東京都千代田区）は、申通快递（上海）の日本法人株式会社申通エクスプレスジャパン（東京都中央区、以下「STO」）が提供する中国の越境EC総合税による通関及び中国国内配送網を利用して、「ゆうグローバルエクスプレス」（以下「UGX」）による中国宛の配送サービスを開始すると発表した。

　2016年の中国越境ECは前年比30.3%増の1兆366億円と1兆円を突破。越境ECによる日本からの購入額は直近3年間でおよそ3倍にまで増加しており、アメリカの消費者の越境EC購入額のおよそ2倍の規模に相当している。もちろん中国越境EC市場は、今後も大きく成長することが見込まれていることは周知のとおりだろう。

　盛り上がりを見せる中国越境ECにおいて、従来のEMSを始めとする国際郵便サービスを使った発送のみならず、中国越境EC通関を用いた配送需要が拡大している。

　今回、中国越境EC通関業務と中国全土の国内配送網を併せ持った中国大手宅配事業者であるSTOとレントングループが連携することが決まった。これによってUGXによる中国越境EC通関が可能となり、日本の事業者から中国全土の購入者へのドア・ツー・ドア配送を行えるようになる。

仕組みを理解し、何を選択し、どう売っていくか

　保税スキームを活用した物流は、従来のEMSや正規通関商品（一般貿易方式）に比べ、コスト面や配送スピードなどで圧倒的な優位性がある。中国越境ECは、ファッションや美容雑貨、ベビー用品、雑貨など売れ筋が多く、流通量も多い。そのため、保税式越境ECは、大きな成長が見込まれている。

　中国政府としても税収を上げるために試行錯誤中であることは否めず、税制面での変更や改定はこれからも頻繁に起こるだろうというの