リンクシェアがアフィリエイトサイトに米国ECサイトの広告を掲載するサービスを開始
■グローバル化を進める楽天の動きを反映した広告
アフィリエイトのリンクシェア・ジャパン株式会社が、日本のアフィリエイトサイトにアメリカのECサイトの広告を掲載するサービスを9月11日に開始した。
リンクシェアは中堅のASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)として、アフィリエイターにはよく知られているが、現在は楽天の子会社となっている。今回のサービスは、海外進出を強める楽天の動きを受けたものだろう。
これにより、リンクシェアのパートナーとなっているアフィリエイトサイトは、Rakuten Marketing LLCと契約するアメリカのECサイトの広告を掲載するサービスを受けられるようになる。
第一弾として、全日本空輸株式会社が運営するショッピングサイト「ANAマイレージモール」に、Macy's.com(メイシーズドットコム)やBloomingdale's(ブルーミングデールズ)など5社の大手ECサイトの広告が掲載された。
リンクシェアアフィリエイトによるアフィリエイトネットワークは、日本を含む5カ国で展開されており、各国で共通のアフィリエイトシステムが利用されている。そのためアメリカの広告主も日本のアフィリエイターは、この「サービスを利用するにあたって、追加費用や特別なオペレーションの必要はない。また、成果報酬は日本円で受け取ることもできる、とのことである。
日本のアフィリエイターへの導入は未知数
このサービスが開始されたことにより、アメリカのECサイトを通じてしか購入できないような日本未入荷の商品の広告の掲載も可能となる。ただし、実際、どのように導入が進むかという観点から考えると、そう簡単ではないように思われる。
アフィリエイトはなかなか難しい。魅力的なコンテンツをつくってサイトやブログに訪問してもらっても、広告をクリックしてくれる人はそのごく一部。購入してくれる人はさらにそのごく一部である。
Googleの精度も上がって、最近は品質の低いサイトにはペナルティも発動している。他サイトからのコピー&ペーストが多かったり、SEO業者のリンクを購入して張ったりしたサイトの順位が大幅に落ち、人工的なSEOは通用しないどころか、危険な状態となっている。
アフィリエイターには受難の時代であり、広く導入が進むかどうかは未知数だ。
それでもリンクシェアでは、日本の消費者によるアメリカのECサイトからの購入額が年々増加していることを背景に、「日本の消費者による購入額拡大に対するアメリカのECサイト事業者からの期待も高まっている」と、前向きだ。
実際の成果はある程度期間を置いてみないとわからないが、アフィリエイトの世界でも国際化が進んでいくのは興味深い。