日本と中国はこんなにも違う!日本のライブコマースがさらに発展するには

利根川 舞

先日ECのミカタ上でライブコマースに関する緊急対談を行った、株式会社オプトホールディングの上席執行役員 吉田康祐氏とライブコマースのCMS「Livekit」を運営するSTARP株式会社 代表取締役CEO 渡邊裕馬氏が中国の市場とライブコマースについてのセミナーを開催。
最新の中国トレンドから、中国のライブコマースの実態、そして日本でのライブコマースが抱える課題まで、盛りだくさんの内容でトークセッションが行われた。

緊急対談! 新しいEC時代を切り開くライブコマース。成功の鍵は○○に!?
https://ecnomikata.com/original_news/17035/

中国の最新トレンド!スマホで全て完結する世界

ライブコマースの話題に入る前に、その市場拡大の土台となっている中国のトレンドについて紹介がなされる。昨年、吉田氏を中心に行われた中国ツアーで訪問した企業や、流行っているサービスについてを軸に、最新のトレンドや文化などが紹介された。

■Mobike / スマートシェアサイクルサービス

日本でも見かけるようになった、自転車のシェアリングサービス。中国では交通渋滞が社会問題となっており、車ではなく自転車での移動を中国政府自体が支援しているという。

Mobileは乗りたい自転車についているQRコードをスキャンし、自転車に乗れるようになっている。そこでユーザー情報が紐づくため、ユーザーはランクで管理され、乗捨てなどマナーの悪いユーザーは悪い評価がつくことになる。

また、日本との違いで面白かったのは、自転車のタイヤがチューブタイプではなく、空気を入れる必要のないタイプのタイヤとなっている。タイヤには多数の穴が開いており、パンクをすることがなく、自転車のケアに掛かる手間を省いているのだ。

■盒馬鲜生(ファーマーションシェン) / アリババの直営スーパー

スーパーで商品を購入する際、アプリをDLし、商品の近くに置いてあるバーコードをスキャンすることで、商品情報をアプリ上に表示することができる。購入したい場合は、アプリ上に表示されているボタンをクリックすると、買い物かごにいれられ、半径3キロ以内であれば、30分以内に自宅へ商品が届くというのだから驚きだ。

現金は一切利用できず、決済手段はAlipay(アリペイ)決済のみで、「キャッシュレスでオンとオフの垣根を無くす」ことを目的としているのがこのスーパーだ。

その他にも、中国のニュースアグリゲーションアプリ大手である「Toutiao(今日頭条)」や中国版Appleと言われている「小米」など、多くの企業について、写真とともに語られた。

中国で巻き起こる新たなブランディング「人格EC時代」

株式会社オプトホールディング 上席執行役員 吉田康祐氏株式会社オプトホールディング 上席執行役員 吉田康祐氏

中国のライブ動画市場は凄まじい勢いで成長しており、まだまだ止まることを知らない。2017年に入り、日本でもライブ動画市場は一気に拡大しているが、そこに違いはあるのだろうか。

1番の違いとしてはやはり、ECで買い物をする際、中国では偽物が多く、写真では信用できない環境であるという点だ。

だからこそ、商品を使用しているのを実際に見ることができたり、質問にすぐに答えてもらえる、ライブ動画が爆発的に伸びたのである。またリアルタイムに双方向コミュニケーションを取れるということで、憧れの人とのコミュニケーションの場にもなり、エンターテイメント的要素も含まれている。

ここまでの話は様々な場所で語られている話ではあるのだが、吉田氏曰く今、中国のライブ動画市場、中でもライブコマース動画においては「人格EC時代が来ている」とのこと。この「人格EC時代」とは、ただECサイトでものを販売するのではなく、ライブ動画の中で商品に対してKOL(キーオピニオンリーダー=日本でいうインフルエンサー)の人格を付与することで、商品に特色が生まれ、それが商品の購入につながるということだ。

例えば、寝坊癖のある女性がオールインワンのコスメを紹介する。そうすると、時短で済ませたい!という消費者からの共感を得ることができるのだ。

メーカーやブランドからすると、KOLの発言に商品のイメージが左右されてしまうという見え方もあるが、その一方で、どんなに知られていないブランドでも人格が付与されることで他の商品との差別化が図られ、売れるチャンスになるということを示している。

日本のライブ動画市場を阻む問題

STARP株式会社 代表取締役CEO 渡邊裕馬氏STARP株式会社 代表取締役CEO 渡邊裕馬氏

中国のライブ動画の特徴が紹介されてきたが、その一報で日本国内ではどのような市場になっているのだろうか。

2017年に入り、多くの企業がライブ動画、中でもライブコマースに多くの企業が参入している。ではなぜ、ここまで急激に参入企業が増えたのだろうか。その理由は2つあるという。

まず1つ目に、2016年から主要SNSがライブ動画への取り組み開始・機能強化を行っているということ。2つ目に2016年頃から4G回線が普及。パケット使い放題などのプランが現れたことにより、これまで「パケ死」を回避するために避けれられていた動画視聴のハードルが下がったのだ。

では、今後さらにライブコマースが日本でさらに盛り上がるためには、何が必要なのだろうか。

吉田氏は次のように語る。「最大のポイントは広告主(メーカー)がライブコマースの仕組みを理解できるかどうかだと思います。もしメーカー主体でメッセージを配信したい人はライブ配信をするべきではないと」。

というのも、日本では「このワードは言わないでください」「台本通りにお願いします。」と、台本ありきの配信になってしまい、ライブコマースの特性が失われてしまう傾向にあるという。

もちろん、日本においては薬事などを気にしなければならない点も多いため、そう言った場合はメーカーの担当者も一緒に配信し、インフルエンサーには実演とリアクションを担当してもらうという形式がおすすめだという。

まずは配信してみる。それがライブコマース成功への第一歩

吉田氏は「ネット人口の伸びを考えると、いかにコミュニケーションをとっていくかが大切です。商品の価値を伝えたい、新たにブランディングしていきたいという会社が使ってもらえればいいと思います。まず配信をしてみたい、というのであれば、低コストで始められる他のアプリを使ってみてもいいのではないでしょうか。」と、道は一つでないことを示す。

また、実際にライブコマースのCMSパッケージを提供しているSTARPの渡邊氏。渡邊氏は「日本にはライブコマースをする上でたくさんの障壁があります。ですから、ライブコマースを配信しやすい文化を作っていくことが必要だと思っています。ライブコマースですとまずは試してみて、PDCAサイクルを回していくとポイントが分かってきます。その部分をしっかりできた会社が勝つと思う。」とも述べており、熱い思いを語り、セミナーは締めくくられた。


越境ECを行う際にも現地の市場調査を入念に行い、ローカライズしていくことが重要になる。それと同様に、ライブコマースも中国で成功しているからといって、同じ仕組みを日本に持ってきたところで成功するわけではなく、それぞれの国にローカライズする必要がある。

とはいえ、時間をかけていてはこの波に乗り遅れてしまう可能性もあるだろう。ライブ動画配信だけでいえば、Instagramなどをはじめとして無料で利用出来るサービスもあるため、まずはチャレンジしてみてはいかがだろうか。

記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部所属
ロックが好きで週末はライブハウスやフェス会場に出現します。
一番好きなバンドはACIDMAN、一番好きなフェスは京都大作戦。

ECを活用した地方創生に注目しています!
ECに関わる素敵なサービス、面白いものを伝えられればと思います。

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