「YouTuber」の活用をめぐり、ウームとブルーカレント・ジャパンがパートナーシップ提携/YouTubeの影響力拡大

■企業が熱い視線を注ぐYouTube とYouTuber

YouTuberマネジメント企業であるウーム(uuum)株式会社と戦略PR企業ブルーカレント・ジャパンが、YouTuberをマーケティングに活用する事業でパートナーシップを提携した。

YouTubeは、若年層を中心に人気が高い。
ユーザーの裾野は膨大な数に広がっており、2011年4月にYouTube上の広告から一定の割合を収入として得ることができる「YouTubeパートナープログラム」が公開されてからは、YouTubeからの収入で生活するYouTuberと呼ばれる人々も登場した。

人気YouTuberに対しは、企業が商品の宣伝動画の制作を依頼するタイアップ例も増えている。
「スマホシフト」が進み、テレビCMの影響力が相対的に低下したと言われる中、企業とYouTuberのコラボレーションは、低コストで魅力的な映像コンテンツを介して消費者にアプローチできる点がメリットとなり、加速しているのだ。

アメリカで10代を対象に行った「影響力のある人物」に関する調査では、上位20人のうち半数がYouTuberであり、さらにトップ5はYouTuberが占めていた。このことからも、YouTubeは生活者に対して非常に強い影響力を持っていることがわかる。

今年の3月末にはウォルト・ディズニーが複数の YouTube チャンネルと提携してサポートサービスを提供するMaker Studiosを、5億ドル(約500億円)で買収することを発表。企業のYouTubeへの視線の熱さを象徴している。

■急速に成長するウームと戦略的広告に実績あるブルーカレント

ウームは2013年6月に設立され、同年11月にYouTubeに関するサービスを開始した若い会社だが、著書『僕の仕事は YouTube 』で知られるHIKAKIN(ヒカキン)氏も執行役員に着任。日本最大のYouTuberマネジメント企業となっている。

ウームは企業とのさまざまなタイアップ動画に取り組むことで急速に成長し、Yahoo!JAPANとの提携、Google Playとのコラボレーションを始めとして、Web動画を軸に様々な業界・企業との新たな取組を促進して、YouTuberの活動の範囲を広げてきた。

プレスリリースには「今後は、よりマーケティング全体の中におけるYouTuberの戦略的な活用提案、また企業のYouTubeページの制作・運営など、包括的な支援提供へと拡大させていく意向です」と抱負が記されている。

一方、ブルーカレントは世界最大規模のメガ・エージェンシーグループであるオムニコムグループ傘下の会社で、これまでにP&G、花王、ユニリーバ、サントリー、トヨタなど国内外の大手企業300社以上に、PRコンサルティングや実行支援の実績がある。

この2社のタイアップは、まず大手企業が中心のブルーカレントの顧客層に、ウーム所属のYouTuberのPRイベント参加や動画コンテンツ制作など、多様な施策を提供することで行われる。

さらに、企業のオウンドメディア(会員サイト)としてのYouTubeチャンネルの導入をサポートし、欧米で本格化しつつあるYouTuberと企業のコラボ商品企画、企業と一体となったYouTuberの育成など、企業マーケティングやブランディング活動における包括的なYouTube施策へとサービスを拡大する予定だ。

今後、YouTubeの影響力が拡大していくことは、間違いなさそうだ。