eBayがジオシスの日本事業を買収。Qoo10のプラットフォームで越境ECを加速させる
グローバルコマース大手のeBayは、Qoo10.jpのプラットフォームを含めたジオシス合同会社の日本事業を買収し、今後、日本におけるプレゼンスを拡大すると発表した。現在、イーベイはアジア各国で現地向けのオンラインショッピングを提供しているジオシス合同会社に出資しているが、本取引により、日本以外のジオシス合同会社の持ち分を放棄するとしている。
いよいよeBayの日本におけるリベンジの狼煙が上がった。オークションサイトとして急成長したeBayだが、現在は9割近くが固定価格で購入できる商品となっており、ほぼ通常のECサイトとして利用されている。かつて99年にオークションサイトとして日本に進出したが、業績低迷を受けて02年に撤退。その後は海外の消費者に商品を販売したい日本企業向けの越境EC支援ビジネスを09年から日本で展開している。
今回の買収によってeBayは日本での拠点を大幅に拡大することができる。また、Qoo10.jpのプラットフォームと手を組むことで、今後成長する新しいユーザー層へのサービス提供が可能となる。世界に向けた越境ECを推し進めたい日本の小売事業者と、Qoo10を通して日本のマーケットにビジネスを展開したいeBayの思惑がクロスする。
Qoo10の強みをeBayがどこまで活かすことができるか
2020年の東京五輪に向け、国内ではインバウンド消費はますます拡大していく。来日した観光客にしっかりと満足してもらい顧客として取り込み、越境ECを通じて継続的に商品を販売していく準備は急がなければならない。また、TPPが発効された場合、輸出はより活発化する可能性が高く、こちらに関しても準備をしておかなければ乗り遅れてしまう。
eBayもQoo10もこれらの課題を一気通貫ワンストップで解消できるサービスを持っている。今回の買収によって海外に向けた動きは加速していくだろう。また、モバイルでの注文割合が高く、F1・F2層が多いQoo10の強みを活かして、日本と世界の国境を感じさせないボーダレスな取引が可能になる。
今月はじめに決済サービス事業も、長年のパートナーであるペイパルからアディアンに移行する方針を明らかにしたばかりで、eBayの国際的戦略は加速している。Qoo10が積み上げてきた土台をどこまでeBayが伸ばすことができるか。越境ECに関わる事業者は注視しておかなければならないだろう。