WorldFirst社が、日本とオーストラリア・ニュージーランドを結ぶ口座を開設。同地域との越境ECを口座の面から支援

ECのミカタ編集部

イギリス発のフィンテック分野のリーディング企業であるWorldFirst社は、日本のオンライン販売業者のためにオーストラリアドル(AUD)とニュージーランドドル(NZD)の口座を開設した。この口座開設と時を同じくして、昨年末にはAmazonマーケットプレイスをオーストラリアでオープンしている。

世界規模での資金移動のエキスパート

WorldFirst社は、世界規模での資金移動に関して専門的知見を持つことで知られる。 急成長するフィンテック業界において同社は、国際的な展開を目的とするユーザーのために資金の本国送還をシンプルかつ迅速に、そしてより手軽に実現させることに注力してきた。

業界最先端のテクノロジーと受賞歴のある顧客サービスを組み合わせ、 12万を超える小規模ビジネス、 オンライン販売業者の支援をしてきた。 2004年以来の移動金額は総額650億イギリスポンドを超えている。

拠点は、ロンドン、アムステルダム、オースティン(テキサス)、香港、シンガポール、東京、シドニーの世界7箇所にあり、600人以上のスタッフを擁する。

成長を続けるオーストラリアなどとの橋渡し役に

成長を続けるオーストラリアなどとの橋渡し役に

その同社が今回、日本のオンライン販売業者のためにオーストラリアドル(AUD)とニュージーランドドル(NZD)の口座を開設した。また、この口座開設と時を同じくして、昨年末Amazonマーケットプレイスをオーストラリアにてオープンしている。

この施策によってEC事業者は、WorldFirstの受取口座を利用し、世界有数のマーケットプレイス上へ参入できることになる。日本はオーストラリアやニュージーランドにとって最大の貿易国の一つだ。日本のオンライン事業者にとってこの2つのマーケットでのビジネスのチャンスは計り知れないとも言える。

オーストラリア経済は26年間連続成長を続けておりこれまでの記録を更新している。この間、景気後退に見舞われずに、強力なリテール環境を生み出していることになる。2017年、オーストラリアでは月平均15.6億USドルがオンラインショッピングだけで消費された。今後も消費者は便利さと価格そして選択肢を求めつづけ、オーストラリアでのECはさらに発展していくことが期待できる。

AUS、NZの口座開設や維持は無料

そのような将来のビジネスチャンスを見据えて同社は、日本のEC事業者のために、Amazonなどのマーケットプレイスで使用できる受取口座を用意し、オーストラリアやニュージーランドにおいて、より手軽かつ安価にビジネスを遂行できるよう支援する。

オーストラリアドルとニュージーランドドルの口座は開設も継続も無料で、顧客は資金を本国へ移動させる際のみ手数料がかかる。ユーザーは、あたかも自国の口座のように取り扱いができ、オーストラリアの消費者からオーストラリアドルで手軽に料金を受け取ることが可能だ。海外取引でよく見られる銀行海外手数料も不要だという。

日本での展開を強化中

またWorldFirst社は、2018年4月17日と18日、東京と大阪それぞれで「2018 WorldFirst 新時代リーダーシップ・プログラム-オーストラリアとニュージーランドのEコマース状況と機会について考える」というイベントを開催した。

WorldFirstオーストラリアと同ニュージーランドからマネジング・ディレクターのレイ・リッジウェイとEコマース&パートナーシップ本部長のジョー・ホーン-スミスがそれぞれの国の市場情勢などについての知見を共有した。

成長を続けるEC市場の代名詞とも言える「越境EC」。インターネットのパケットとそこに乗る消費者の想いはいとも簡単に国境を超える。とかく日本周辺国や地域との越境ECの文脈では、中国大陸に目が行きがちだが、地政学的に日本と近いオセアニアも有望な市場であることは間違いない。

そこにおいて、新たなビジネスの可能性が眠っていることもまた事実であり、資金移動の面からそれを支援する今回の施策の発表は、その大海に踊り出す挑戦者達にとって至って朗報と言えるだろう。

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